岡田准一(提供写真)

岡田准一「人生クライマー」ナレーションに決定 行方不明になった知人の姿に「言葉に詰まってしまう瞬間も」

2022.10.07 08:30

俳優の岡田准一が、11月25日より公開の映画『人生クライマー 山野井泰史と垂直の世界 完全版』でナレーションを担当することが決定した。


岡田准一がナレーションを担当

今年3月、ヒューマントラストシネマ渋谷にて開催された「TBSドキュメンタリー映画祭2022」でクローズド作品として上映され注目を浴びた本作が、絶賛の声を受け、さらに9分の新規カットを追加した完全版となって劇場公開されることが決定。その本編ナレーションを岡田が担当する。

時代劇からアクションまで、スケールの大きな役柄に挑戦し続ける日本を代表する俳優・岡田は山好きとしても知られている。山岳映画の傑作『エヴェレスト 神々の山嶺』(16)でも主演を務めた岡田は「山野井さんは、日本が誇る、知ってもらいたい日本人の一人」と、今回“初体験”となったドキュメンタリー映画のナレーションについての想いを語った。

本編中には、『エヴェレスト 神々の山嶺』の山岳コーディネーターで友人でもある今井健司さん(2015年、ヒマラヤで行方不明)の姿も映っており、思わず言葉に詰まってしまう瞬間もあり、その語りには、常に自然と対峙し乗り越えていく“クライマーという存在”への敬意と共感が込められていて、観るものの胸に“極限の挑戦”についての深い余韻を残す出来栄えとなった。

極限のクライマー・山野井泰史渾身のドキュメンタリー

『人生クライマー 山野井泰史と垂直の世界 完全版』ポスタービジュアル(C)TBSテレビ
『人生クライマー 山野井泰史と垂直の世界 完全版』ポスタービジュアル(C)TBSテレビ
登山家・山野井泰史は、2021年、登山界のアカデミー賞、登山界最高の栄誉といわれる、「ピオレドール生涯功労賞」をアジア人として初受賞、ラインホルト・メスナーやダグ・スコット、ヴォイテク・クルティカなどと並んでクライミングの歴史にその名を刻むこととなった伝説的存在。山岳雑誌「山と溪谷」読者の「好きな登山家第1位」(2016年1月号)にも選ばれ、先月には単行本「CHRONICLE クロニクル 山野井泰史 全記録」が出版。コミック誌「ビッグコミック」では伝記漫画「アルパインクライマー-単独登攀者・山野井泰史の軌跡-」も連載中のまさに日本を代表する登山家だ。

本作は、世界の巨壁に“単独・無酸素・未踏ルート”で挑み続けた、極限のクライマー・山野井の足跡を、貴重な未公開ソロ登攀映像や生涯のパートナーである妻・妙子への取材、関係者の証言などとともに振り返る渾身のドキュメンタリー。

起点は1996年、ヒマラヤ最後の課題といわれる「マカルー西壁」にアルパインスタイル・ソロで挑むという究極の挑戦への密着取材。その後、山野井をめぐっては、2002年に沢木耕太郎の著作「凍」でも描かれた「ギャチュンカン」登頂後の壮絶なサバイバルがあり、凍傷で手足の指10本を失うことに。2008年には奥多摩山中で熊に襲われ重傷を負うアクシデントにも遭遇。それでもなお“垂直の世界”に魅せられ、挑戦し続ける登山家の魂にカメラは迫っている。

メガホンをとったのは、自らもヒマラヤ登山経験のあるジャーナリスト武石浩明。公私ともに山野井と交流しながら追い続けた25年、長期に渡る取材を通して極限の人の実像に迫る、唯一無二の作品を作り上げた。

さらに本情報の解禁に伴い、併せて解禁となる映画ポスタービジュアルは、過酷な挑戦を続け、今も尚クライマーとして垂直と闘い続ける山野井の近影を全面に起用。そして、山野井を極限の人と表現したインパクトあるキャッチコピーが採用されている。(modelpress編集部)

岡田准一コメント

僕自身山好きで、クライマーは憧れの存在。なかでも山野井さんは、混じり気のない眩しい存在で、その純度の高い生き方には美しさを感じます。日本が誇る、知ってもらいたい日本人の一人です。今回、初めて“語り”という形でドキュメンタリー映画に参加しました。本編中にはヒマラヤで行方不明になった知人の姿も映っていて、言葉に詰まってしまう瞬間もありました。極限に挑むクライマーの“魂の震え”を感じ、勇気がもらえるドキュメンタリーです。是非、ご期待ください。
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