柄本明、村上虹郎、オダギリジョー(C) 2019「ある船頭の話」製作委員会

オダギリジョー長編初監督作品、主演・共演者・タイトル発表

2019.01.30 10:00

俳優・オダギリジョーの長編初監督作品のタイトルが『ある船頭の話』に決定。主演・共演キャストが発表され、9月より全国公開されることがわかった。


オダギリジョーの長編初監督作品「ある船頭の話」

橋の建設が進む山村、川岸の小屋に住み船頭を続けるトイチは、村人の源三が遊びに来るとき以外は黙々と渡し舟を漕ぐ日々を送っていた。その折、トイチの前にひとりの少女が現れ、トイチの人生は大きく変わっていく。

柄本明・村上虹郎が出演

主人公の船頭トイチ役に、日本を代表する名優・柄本明。主演としては2008年公開『石内尋常高等小学校 花は散れども』(新藤兼人監督)以来、11年振りとなる。

そして、人懐っこい笑顔でトイチのもとに遊びに来る村人・源三役には、映画・テレビ・舞台と出演作が目白押しの若手実力派・村上虹郎が起用された。ほか、日本を代表する顔ぶれが出演する(詳細は後日発表予定)。

主な撮影は、2018年の7~8月と2019年1月に行われ、先日1月11日にオールアップとなった。完成は今春を予定している。

「ある船頭の話」豪華な国際派スタッフが集結

俳優として海外でも精力的に活動してきたオダギリのもとに、豪華な国際派スタッフが集結。撮影監督は『ブエノスアイレス』『恋する惑星』などで知られるクリストファー・ドイル氏、衣装デザインは『乱』(黒澤明監督)で米アカデミー賞を受賞したワダエミ氏が担当する。

世界を舞台に活躍するアルメニア出身のジャズ・ピアニスト、ティグラン・ハマシアン氏は映画音楽に初挑戦。オダギリ本人が長年温めてきたオリジナル脚本で、2019年の映画界に新たな光を灯す。

オダギリジョー「日本の原風景を季節と共に切り取り描きたい」

クランクアップを迎え、オダギリは「人が生きる上で、便利な物が増えていくのは必然だと思います。しかし同時に、文明の発展の陰で消え行く物も多いのではないでしょうか。便利になっていく一方で失ってしまう大切な何か。資本主義が競争社会を生み出し、いつの間にか変わってしまった『幸せ』の定義。一人の船頭を通して見つめる『本当に人間らしい生き方とは?』美しい日本の原風景を季節と共に切り取り描きたいと思っています」と同作への思いを明かした。

柄本明&村上虹郎、思いを語る

柄本は、「オダギリジョー監督に船頭の役を頂きました。一生懸命演りました。見て頂ければ幸いです」とコメント。

撮影を振り返り村上は、「灼熱の日差しに焼かれながらも、雄大な川の上で柄本さんが漕いてくださる舟にたくさん乗りました。これでもかと言わんばかりの魅力的な集団の一員として、両極の季節を跨ぎ、夏はあの生き物とあんな事をして、冬はただただ寒くて死にそうで」と回顧。

また、「柄本さんとは、この頃作品でお逢いし過ぎて毎度なんだよお前って煙たがられ、この作品でもずっと話しかけている役なのでそろそろ嫌われそうですが、時々話す英語がいきなりすぎたり、急にぽろっと哲学が出てきたり。とても贅沢です。容赦無く移りゆく景色と時間を優美に描くオダギリさんの脚本が、どう彩られているのか。おたのしみに」と語った。(modelpress編集部)

オダギリジョー(脚本・監督)プロフィール

1976年2月16日生まれ、岡山県出身。03年、第56回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された黒沢清監督の『アカルイミライ』で映画初主演を果たす。続く北村龍平監督の『あずみ』(03)で日本アカデミー賞最優秀新人俳優賞、エランドール賞新人賞を受賞。『血と骨』(04/崔洋一監督)で第28回日本アカデミー賞、ブルーリボン賞最優秀助演男優賞、『ゆれる』(06/西川美和監督)、『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』(07/松岡錠司監督)で日本アカデミー賞優秀主演男優賞、『舟を編む』(13/石井裕也監督)で同賞優秀助演男優賞を受賞。

海外作品に『悲夢』(09/キム・ギドク監督)、『PLASTIC CITY プラスティック・シティ』(09/ユー・リクウァイ監督)、『マイウェイ 12,000キロの真実』(12/カン・ジェギュ監督)、『宵闇真珠』(18/ジェニー・シュン、クリストファー・ドイル共同監督)、『SATURDAY FICTION(英題)』(19年完成予定/ロウ・イエ監督)など。近年の出演作は『オーバー・フェンス』(16/山下敦弘監督)、『湯を沸かすほどの熱い愛』(16/中野量太監督)、『エルネスト』(17/阪本順治監督)、『南瓜とマヨネーズ』(17/冨永昌敬監督)などがある。

これまでの監督作は『バナナの皮』『フェアリー・イン・メソッド』(ともに自主制作短編)、第38回ロッテルダム国際映画祭招待作品『さくらな人たち』(09/中編)。テレビ朝日の主演ドラマ「帰ってきた時効警察」(07)第8話では脚本と演出を務めた。本作が初の長編監督作となる。

柄本明プロフィール

1948年11月3日生まれ、東京都出身。「自由劇場」を経て76年に劇団「東京乾電池」を結成。98年、『カンゾー先生』(今村昌平監督)で第22回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞をはじめ、その年の映画賞を総なめにした。03年『座頭市』などで第58回毎日映画コンクール男優助演賞受賞。

その後も映画のみならず、舞台やテレビドラマにも多数出演。11年、紫綬褒章と芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。15年には第41回放送文化基金賞 番組部門「演技賞」受賞。近年の映画出演作には『シン・ゴジラ』(16/庵野秀明総監督、樋口真嗣監督)、『モヒカン故郷に帰る』(16/沖田修一監督)、『武曲 MUKOKU』(17/熊切和嘉監督)、『万引き家族』(18/是枝裕和監督)など。今後の待機作には『空の瞳とカタツムリ』(19/斎藤久志監督)、『居眠り磐音』(19/本木克英監督)、『楽園』(19/瀬々敬久監督)などがある。映画主演は『石内尋常高等小学校 花は散れども』(08/新藤兼人監督)以来、11年振りとなる。

村上虹郎プロフィール

1997年3月17日生まれ、東京都出身。14年、第67回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作『2つ目の窓』(河瀨直美監督)で俳優デビュー。15年に「書を捨てよ町へ出よう」(藤田貴大演出)で舞台初出演初主演を飾り、以後、舞台「シブヤから遠く離れて」(16/岩松了演出)、TBSドラマ「仰げば尊し」(16)、「この世界の片隅に」(18)などに出演し活躍の場を広げている。

映画では17年『武曲MUKOKU』(熊切和嘉監督)で第41回日本アカデミー賞優秀助演男優賞など多数の賞を受賞。その他の出演作に『忘れないと誓ったぼくがいた』(15/堀江慶監督)、『ディストラクション・ベイビーズ』(16/真利子哲也監督)、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(17/廣木隆一監督)、『犬ヶ島』(18/ウェス・アンダーソン監督/声の出演)、『ハナレイ・ベイ』(18/松永大司監督)、『銃』(18/武正晴監督)、『チワワちゃん』(19/二宮健監督)など。待機作には『楽園』(19/瀬々敬久監督)、舞台『ハムレット』(19/サイモン・ゴドウィン演出)などがある。
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