志尊淳、トランスジェンダー男性役の秘話告白 髭にもこだわり「1本単位で調整」<52ヘルツのクジラたち>
2024.03.07 20:44
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俳優の志尊淳が7日、都内で行われた映画「52ヘルツのクジラたち」大ヒット御礼舞台挨拶に、女優の杉咲花、メガホンをとった成島出監督とともに登壇。トランスジェンダー男性役の秘話を明かした。
志尊淳、トランスジェンダー男性役の秘話告白
トランスジェンダー男性の塾講師・岡田安吾を演じる志尊は、トランスジェンダーに関する役作りで事前にリサーチをしたか質問されると「このお話をいただいたときに、トランスジェンダー男性の方がたくさん写っている本を拝見させていただいて、それぞれがどのような生い立ちで、どのようなことをモットーに生きているかというのが載っていて、それぞれのビジュアルを見させていただいてアンさんという人物をどのように作っていくかということをまず考えさせてもらいました」と打ち明けた。「そのときにほとんどの方が髭を生やしていらっしゃったり、体をバッキバキに鍛えられている姿を見て、その理由も書いてあったので把握はできたんですけど、それだけじゃなく、その方々に話を聞いて見たいと思っていたところ、トランスジェンダー指導の若林佑真くんが、おともだちがやっているバーに連れて行ってくれて、お酒を飲みながらみんなで語りましょうという機会を作ってくれて、僕が無知な部分が多かったので、失礼に値するかもしれないんですが、いろいろ聞かせてくださいとお願いして、みなさん快く受け入れてくださって、体のことやいろんなことをお聞きした上で、アンさんという役に落とし込んだときに、髭を生やしたいなと思って、今回ああいうビジュアルになりました」と告白。
髭に関してだけも細かなこだわりがあったそうで「カメラテストをして、鼻の下に髭をつけるバージョンをしてみたり、あごの広さであったり、本当に1本単位で調整しながら作っていきました」と明かした。
杉咲花主演「52ヘルツのクジラ」
原作は2021年の本屋大賞を受賞した、町田そのこ氏による同名小説。「52ヘルツのクジラ」とは、仲間たちには聴こえない高い周波数で鳴く世界で1頭だけのクジラのこと。ある傷を抱え、東京から海辺の街の一軒家に移り住んできた貴瑚(杉咲)が、虐待され「ムシ」と呼ばれる少年と出会い、今はもう会えない安吾(志尊)との日々を思い出すというストーリー。本作が公開されてから1週間が経った心境を尋ねられると、杉咲は「去年の夏盛りのときに撮影して、あっという間に公開を迎えたので、初日もなかなか実感が湧かなかったんですけど、たくさんの方が映画を見て感想を寄せてくださって、少しずつ届いているんだなということを身に沁みて、ありがたく感じていますね」と感慨深げに語り、志尊は「この作品ではいろんな問題が描かれているので、いろんなご意見があると思うんですけど、それぞれのご意見でいろんな感想を書いてくださっている方がたくさんいらっしゃって、それを見て“この映画がすべてです”ってことではなくて、この作品を受け取ってくださった中でみなさんがそれぞれの思いを馳せてみたり、いろんな意見を共有することも含めて作品の一部だと思っているので、たくさんの方が感想を寄せてくださっているのはありがたいなという気持ちです」と感謝した。
イベントでは、事前に募集した観客からの質問に3人が答えるという企画が行われ、杉咲が劇中で桑名桃李が演じる愛(いとし)の髪を切るシーンが話題にあがると、杉咲は「愛を演じた桃李くんは、ご本人が(ヘア)ドネーションをしたくて髪を伸ばしていたとお聞きしていて、実際に劇中で切った髪の毛は(ヘアドネーション)に出されたんですけど、1回きり(一発撮り)ですし、大切に伸ばしてきた髪ということを知っているからこそ緊張しました」と打ち明け、「本当に緊張して、最初、人工的なウィッグで切る練習をしたんですけど、実際の髪の毛と毛質が違うので、“こんな切れ味なんだ”って感動しながら、カットがかかったあとは小野花梨ちゃんとか監督も切って、桃李くんも1本自分で切ったりして、とっても印象に残っていますね」としみじみ。同シーンについて成島監督は「彼は2年間(髪を)伸ばして、これで終わりだということで嬉しくなっちゃってあの笑顔なんですよ(笑)。あれは素の顔で、初めて『笑っていいよ』って言ったシーンで、2年間の長い旅が終わったという素直な笑顔で、それが撮れたのはラッキーだったなと思います」と声を弾ませていた。(modelpress編集部)
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