映画「エゴイスト」 公開記念舞台挨拶に登壇した鈴木亮平 (C)モデルプレス

鈴木亮平、声震わせ公開への思い語る 監督に直談判した過去<エゴイスト>

2023.02.11 15:18

俳優の鈴木亮平宮沢氷魚が11日、都内で開催された映画『エゴイスト』 公開記念舞台挨拶に登壇。鈴木が声を震わせながら公開までの思いを語った。

  

鈴木亮平、公開初日に映画館で鑑賞

松永大司監督、阿川佐和子、鈴木亮平、宮沢氷魚、ドリアン・ロロブリジーダ (C)モデルプレス
本作は、高山真の自伝的小説「エゴイスト」を映画化。主人公の浩輔(鈴木)とその恋人となる龍太(宮沢)の姿、そして彼らが周囲の人々と織りなす人間模様を描く。この日は共演した阿川佐和子、ドリアン・ロロブリジーダ、そして松永大司監督も出席していた。

鈴木亮平 (C)モデルプレス
鈴木は昨日に迎えた初日について「ちょうどこの劇場(テアトル新宿)で、昨日。あそこかな?あそこの端っこのシートで見ていましたね。2個くらい隣にいた人が、何度か携帯のバイブ音がすごくうるさくて。普段は『ああっ!』って思うんですけど、今回に限っては『ありがとうございます』『来てくださってありがとうございます』と。大変な用事が色々と起こっているでしょうけど、それでも来てくださったということで。『ありがとうございます』と思いながら見ていましたね」と回想。

また「初めて客観的に見られた気がします。この映画を。見てくださった方々はわかると思うんですけど、ドキュメンタリータッチで撮っていて、自分がどういう表現をしているのかっていうのは一切意識しないままに、本当にその人物を過ごしていた気がするので。今まで何度か見て『この人ってこういう人なんだ』『こんな風になっているんだ』っていうことで、あんまり客観的に見られなかったんですけれども、昨日初めてお客さんと、皆さんと一緒に見て、同じところで泣いて、『ああ、こういう気持ちか』っていうのを思いました。すごくいい経験でした」と笑顔を見せた。

鈴木亮平 (C)モデルプレス
さらに「色々な受け取り方ができる映画だなと思っていまして。たぶん僕自身も見た時に、毎回感想は違うんだろうなと思ったんですけど、昨日思ったのは『わがままって素敵だな』と思いました」とコメント。「自分も言ったことを覚えていなかったんですけど、どこかで確か『わがままなんですけど』って言っていたんですよね。『ああ、自分も言っていたんだ』って思ったり。でもそのわがままって、愛って言ったらチープですけど、エゴだし愛だし、本当に何も言葉にうまくできないからわがままになっているんですけれども、そういうものを言葉じゃなくてストーリーで伝えられるというのは、映画の本当に美しいところだなと思いました」と本作への思いを語った。

鈴木亮平&宮沢氷魚、エゴサで感想チェック

宮沢氷魚 (C)モデルプレス
一方の宮沢は「本当にうれしくて。僕は残念ながら昨日見に行けなかったんですけれども、ずっとSNSをはじめ、各映画館の上映時間とどれくらい人が入ってくれているんだろうっていうのを、ずっとチェックしていたんですよ(笑)」とエゴサーチを報告。

鈴木が「偉い!」と褒めるなか、宮沢は「そうしたら、昨日どことは言えないんですけども、満席の映画館がいくつかあったりとか。あとは三角?もうほぼ埋まってるって。『これ、どのくらいなんだろう?』と思って開いてみたら、前列の一席しか空いていないとか。どこもたくさん人が入ってくださっていて。雪の中。これが始まるちょっと前もチェックしていて。今日も明日もかなり入ってくれています」と本作の盛況ぶりに白い歯を見せた。

宮沢氷魚 (C)モデルプレス
これに鈴木は「宣伝担当の人みたい(笑)。心強い」と労いの言葉をかけ、宮沢は「実は僕もさっきチケットを買って。どの回とは言えないですけども、行きます(笑)」と報告。鈴木は「どきどきだな」と頬を緩めていた。

宮沢氷魚 (C)モデルプレス
普段はエゴサをしないという宮沢は「自分の名前を検索することはまずあまりしないし、作品の名前でサーチはするんですけども。『エゴイスト』って入れると、映画の感想がぶわーっとたくさんあって。その中に亮平さんのツイートがありまして。昨日ね。『行きました』っていうのを。『ああ!亮平さん、誘って!』と思って。どっちにしろ行けなかったんですけども(笑)」と回想。

「でもそれだけ見てくださっている皆さんもそうですし、出ている皆さんのこの作品に対する思いっていうのが。もちろん僕たちはインタビューとかで、こういう機会もあって、お会いするときにお話もするんですけども、SNS上をはじめいろんな取材の媒体とかで、この作品のことがピックアップされているのを見ると本当に感慨深いし、僕たちが本当に思いを込めて作ったこの作品が、たくさんの人に届いていることを実感できているので、とても充実した時間を過ごしています」とも話していた。

鈴木亮平 (C)モデルプレス
自身もエゴサをするのか聞かれた鈴木は「しましたよ。『エゴイスト 映画』で検索をかけて。僕たぶん、前回の完成披露から一ツイートも逃さず読ませていただいています(笑)。もう、批判も称賛も含めて。皆さんのご意見を参考にさせていただきました。すごく嬉しかったです。ほとんどが有難いことに褒めてくださる内容ですし、そうでない内容の人たちも『なるほどな』っていう意見が多かったりして」と感謝。

そして「今日かな?昨日かな?僕がすごく嬉しいなと思ったツイートが、この映画を見てからSMAPさんの歌の歌詞がずっと頭の中に流れているって言ってて。『夜空ノムコウ』なんですけど『ぼくの心のやらかい場所を今でもまだしめつける』。そんな映画だっていうのを書いてくださっている方がいて。その方だけじゃなくて、そんなツイートをたくさん拝読しまして、とても嬉しいです。ありがとうございます」と反響に対する喜びを語った。

鈴木亮平、監督に直談判

鈴木亮平 (C)モデルプレス
その後、鈴木は「この映画は答えがないと思うんですよ。皆さん見ていただいた方が、これを愛と思うかエゴと思うか。依存し合っているだけのグロテスクな関係だと思うか。本当に人それぞれだと思います。もしかしたら、これから人生の皆様のそれぞれのいつ見るかによっても、全然捉え方が違う映画なんじゃないかなと思います。でも、これといった分かりやすいものを提示するんではなくて、色々な色が見えてくる映画って僕はそうそうないと思っていて。この作品に携われたこと、非常に本当に誇りに思っております」と発言。

続けて「これまで、たぶん何度か『この映画は作られないんじゃないか』という瞬間がありました。お話をいただいてからも、台本を読ませていただいて、僕は原作にすごく感動して、ぜひやりたいということを周りに説得してやらせていただくことになったんです。届いた台本を見てですね、監督に、連絡先を知っていたので電話をして。『これじゃやれない』と電話したこともありました」と告白した。

鈴木亮平、声震わせ感謝のコメント

鈴木亮平、宮沢氷魚 (C)モデルプレス
さらに鈴木は「そのとき監督が仰ったのは『僕を信じてくれ』と。『僕が作る映画は、この脚本から役者がリハーサルで演じているのを見て、どんどん生きたものにしていく』と。『台本では伝わらないんだ。僕の作品は』と一生懸命説得してくださって。今こうして皆さんの前に立って、この映画を見た後の皆さんの表情を見ていると、本当にあの時監督を信じてよかったなと思います。こんな作品が出来上がるとは思いませんでした。改めて、監督ありがとうございます」と語っていた。

また鈴木は「この作品を生んだのは、たった一人の高山真さんという男性で。その方がいなかったら、この映画も、今日ここで皆さんとお会いすることもありませんでした。残念ながら、この映画の最終決定というのを恐らく聞くことなくお亡くなりになられたんですけれども、一人の人間が遺したものが、いかに色々な人たちに影響を与えるかっていう。人生って突然終わることもあるけれども、本当に素晴らしいなと。一人の人間が世の中に与えられる影響ってすごいんだなと、今日改めて思っています」と声を震わせつつコメント。

「あんまり高山さん、映画にもあるように『天国』っていう言葉は全然信じないって仰っていた方だと思うんですけれども、今日だけは天国の高山さんに感謝したいと思います。ありがとうございました」と呼びかけていた。

鈴木亮平、宮沢氷魚 (C)モデルプレス
宮沢は「1年半ほど前にこの映画を撮影して、そのとき僕たちはすべてをこの作品に注ぎ込んで、いい作品を作ろうという熱い思いで挑んでいました。ただ、どの映画もそうなんですけども、撮ったあと公開されるまでっていうのは、すごくたくさんの不安があって。僕たちのやったことが果たして正解なのかどうか。この作品が皆様に届くのかどうかという不安がたくさんあって。時には押しつぶされそうになった瞬間もありました。ただ、本日こうやってみんなでここに立って、皆様の前でこの作品の公開を記念できていることがとても幸せでいっぱいです」と笑顔。

「この作品は、もちろん公開されてたくさんの方に届いていることも嬉しいし、ただ10年後・20年後・30年後とこの作品は生き続けて、たくさんの人に、より多くの人に届く作品だと僕は信じております。まだ『エゴイスト』という作品は生まれたばかりで、走り出したばかりです。ぜひ皆様のお力で、この作品がより多くの人に届くことを願っております。なので引き続き、どうぞこの作品を愛してくれると、とても嬉しいです。本日はどうもありがとうございました」と語っていた。(modelpress編集部)

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