鈴木亮平、“ゲイ役”葛藤も支えてくれた当事者に感謝 宮沢氷魚はキスシーン裏話明かす<エゴイスト>
2023.01.19 19:50
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俳優の鈴木亮平と宮沢氷魚が19日、都内で行われた映画「エゴイスト」(2月10日公開)のプレミア上映会に、共演の阿川佐和子、ドリアン・ロロブリジーダ、メガホンをとった松永大司監督とともに登壇。鈴木が、ゲイ役への挑戦を支えてくれた当事者に感謝した。
鈴木亮平、“ゲイ役”葛藤も支えてくれた当事者に感謝
本作は、愛と毒のある切り口で数々の名コラムを世に送り出してきた高山真の自伝的同名小説が原作。14歳で母を失い、田舎町でゲイである自分の姿を押し殺しながら思春期を過ごした浩輔(鈴木)と、シングルマザーである母を支えながら暮らす、パーソナルトレーナーの龍太(宮沢)が惹かれ合い、満ち足りた時間を重ねていたが、2人でドライブに出かける約束をしていたある日、何故か龍太は姿を現さなかったというストーリーが展開される。本作はLGBTQ+inclusive dilecterのミヤタ廉氏など、当事者も製作に参加し、アドバイスをもらったそうで、鈴木は「このお2人がいなかったらこの映画は絶対にできなかっただろうなって思うくらい、僕らが頼りにしていた方で、ゲイであることの描写がリアルであるかどうかをチェックしてくれて、かつその表現がリアルであるか、作品になったときに世間に与える影響がどうか。例えば差別や偏見とかステレオタイプといったものを助長しないかどうかというところをチェックしてもらい、無知だった自分にイチから勉強させてもらいました」とコメント。
続けて「原作を読んで縁を感じて“出たいな”と思ったんですが、果たして自分がやることがいいんだろうかと。正しい正しくないはないと思うんですけど、きちんとした映画として成立させられるんだろうかと思ったときに、彼らがいてくれたこと、そしてドリアンさんをはじめゲイの方々を親友役としてキャスティングしてくれるということで、そこで初めてこの映画にトライしてみようという気になったので、彼らのおかげですね」と感謝した。
宮沢氷魚、キスシーン裏話明かす
また、冒頭のキスシーンが話題に上ると、宮沢は「予告にもあるんですけど、歩道橋で先に浩輔さんが歩いていて、後ろから『浩輔さん』って呼んで、振り返ったところでキスをするシーンがあって、あれも何回かテイクを重ねて毎回『浩輔さん』って言っていたんですけど、4テイクか5テイク目くらいのときに監督から『亮平さんって言って』って言われて…。本番で黙って行って『亮平さん』って言ったら、亮平さんが驚いたというか。何回かテイクを重ねていると慣れてきちゃうので、そこを監督が新鮮な新しい反応を求めていたんだと思うんですけど、そこでそういう指示を出してくれる監督はあまりいないので、驚きました。それもあって、そのテイクまでになかった新しい浩輔さんの表情が見られたと思いますね」とにっこり。鈴木は「そういうことが多かったので後半になるとだんだん慣れてきましたね。サプライズが多くて、普通に待ち時間にぼーっとしていて、なんか静かだなと思ってパッと見たらここ(背後)にカメラがあったりして、後から聞いたらスタッフだけで合図を決めていたそうで、自然なところを撮っていくという面白い演出もありました」と振り返った。
鈴木亮平&宮沢氷魚、共演した感想語る
そして、本作への出演を決めた1番の決め手を聞かれた鈴木は「まず原作がとにかく素晴らしくて、原作で描かれていた浩輔がおこがましいんですけど自分に似ているなと思ったんですよね。これは自分がやるべきご縁じゃないかなと少し思ったりしました」と打ち明け、「小説では自分の心情とか、なぜそういうことをするんだろうとか、事細かに描かれていて、それが映画になったときにどういう風になるんだろうという好奇心がありましたね」とコメント。一方、出演をすぐ決めたという宮沢は「実は数年前に一度、エゴイストのお話をいただいて、そのときに小説を読んだときに“なんて美しい物語なんだろう”と思って、もし自分がこの作品に関わることによって多くの人にこの作品が届くのであれば絶対出たいって。その瞬間に『出たいです』って言っていたんですけど、そのときには作品化されなくて、そこから2~3年経って、改めて映画化するんだけどどうですか?ってときに運命的なものを感じて、やっとみなさんに見ていただけるものに参加できるんだと思いました」と吐露し、完成した本作をこれから見る観客を目にし「なんか夢のような瞬間です」としみじみと語った。
さらに鈴木と宮沢は、今回共演した感想を求められると「不思議なもので、現場にいるときは亮平さんって感じではなくて、そこに浩輔さんが常にいて、それは支度をしているときも、お昼休憩のときも、僕は龍太という人物としてそこにいて、(鈴木は)浩輔さんとしていて、その信頼関係ができていたので、もちろん亮平さんに助けていただいたこともたくさんあるんですけど、僕は浩輔さんに救われた感覚のほうが強いかもしれないですね」とコメントした宮沢。
鈴木は「松永さんの演出法は特殊で、台本にないことも喋っていいし、喋らなくてもいいし、自由というか、こういう気持ちでここに向かってくれれば、浩輔なりのやり方でお母さんにお金を渡してください。お母さんは受け取れると思うまでお金を受け取らないでくださいという演出だったので、朝来たときから常にその人でいないと対応できないんですよね」と語り、阿川が「あそこは大変だったねえ」と声をかけると、鈴木は「大変でしたね。全然受け取ってくれないんですもん(笑)」と苦笑。
加えて、鈴木は「そういう気持ちになるためには、お互いがお互いを俳優として見ないというか、龍太は龍太だし、浩輔は浩輔だしって関係が必要だったので、氷魚くんを氷魚くんとして見られるようになったのは最近です」と打ち明けた。(modelpress編集部)
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