(上段左から)泉谷しげる、小林薫、筧利夫(中段左から)時任三郎、柴咲コウ、大塚寧々(下段左から)朝加真由美、大森南朋、富岡涼「Dr.コトー診療所」続投キャスト(C)山田貴敏 (C)2022 映画「Dr.コトー診療所」製作委員会

「Dr.コトー診療所」柴咲コウが初の妊婦役 続投キャスト奇跡の再集結

2022.08.26 05:00

俳優の吉岡秀隆が主演をつとめる映画「Dr.コトー診療所」(12月16日公開)に、柴咲コウをはじめとする総勢9人のあの頃と変わらない名優陣の出演が発表。併せて、ティザービジュアルも解禁された。

  

吉岡秀隆主演「Dr.コトー診療所」16年ぶり続編で映画化

吉岡秀隆&柴咲コウ「Dr.コトー診療所」ティザービジュアル(C)山田貴敏 (C)2022 映画「Dr.コトー診療所」製作委員会
2003年フジテレビの木曜10時枠で放送された連続ドラマ「Dr.コトー診療所」。累計発行部数1200万部を超える山田貴敏の同名漫画を元に、平均視聴率19%、最高視聴率22.3%のヒットを記録し、続く2006年に放送されたシーズン2でも、シーズン1を上回る平均視聴率22.4%、最高視聴率25.9%という驚異の高視聴率をマーク、今なお国民的ヒットドラマとして語り継がれている。

東京から僻地の離島に赴任してきた外科医“Dr.コトー”こと五島健助と、島の人々との交流を通して命の尊さを描いた本作の主人公・コトーを演じるのは吉岡。山田洋次監督が手掛ける映画「男はつらいよ」シリーズや倉本聰が脚本を手掛ける「北の国から」シリーズなど数多くの名作に出演し、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005年)とその続編「ALWAYS 続・三丁目の夕日」(2007年)では日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞するなど、日本を代表する俳優のひとりである吉岡が、自身の代表作であり代表役ともいえる“コトー先生”を、16年ぶりに演じる。

さらに本作の監督を務めるのは、ドラマシリーズでも演出を務めた中江功。脚本は、同じく連続ドラマ全作を執筆してきた吉田紀子。さらには制作スタッフも本作のために再集結するなど、名作ドラマシリーズを世に贈り出したオリジナルスタッフが、再び「Dr.コトー診療所」の“今日”を描く。

先日公開された特報映像では、16年前と変わらず、自転車で島を巡りながら島民と交流するコトーの様子に「またコトー先生に会えるなんて夢みたい」「これを観ただけで涙腺崩壊」など、大きな反響を呼んでいる。しかし、これまで解禁されてきたのは主演の吉岡のみのビジュアルと映像のみ。ドラマファンたちは、今か今かとキャスト情報について待ちわびていた。

柴咲コウ・時任三郎・大塚寧々ら、奇跡の再集結

志木那(しきな)島診療所を中心に、コトーと島民の絆やつながりを描いてきた「Dr.コトー診療所」。ドラマシリーズから16年の年月を経て新たに描かれる本作では、診療所の看護師・星野彩佳、改めコトーと結婚し姓が変わった五島彩佳役を柴咲。

志木那島の漁師・原剛利役に時任三郎。島民が集うスナック・まりの店主、西山茉莉子役には大塚寧々、加えて泉谷しげる、筧利夫、小林薫、大森南朋、朝加真由美など、ドラマからの続投キャストが勢揃いする。

さらに、映画化が発表された際、ファンの間では大人になった原剛利の息子・剛洋役の出演に関して注目が集まっていたが、2006年の第2シリーズ以降、芸能界を引退していた富岡涼が、この映画のためだけに役者復帰を果たす。再び、コトーの世界に戻り、物語のカギを握る「剛洋」の姿に注目だ。

吉岡と中江監督が映画化にあたってゆずれなかった「もう一度このメンバーで『Dr.コトー』を作りたい」という言葉の通り、ドラマ第1シリーズからコトーにとって島のかけがえのない家族を演じてきたレギュラーキャストたちが、本作に再集結した。

柴咲コウが初の妊婦役「Dr.コトー診療所」ティザービジュアル解禁

映画化解禁時のビジュアルは、ひとり佇むコトーがどこか遠くを見ているような儚げな表情が印象的だったが、今回解禁されたビジュアルは、コトーと彩佳がふたりで診療所前に佇む、優しい雰囲気がどこか懐かしさも感じさせるものとなっている。ドラマでは第2シーズンの最終回で、コトーが乳がんを患った彩佳の手術を成功させたものの、それ以降のふたりの関係については描かれていなかったが、今回の映画ではそんなコトーと彩佳が結婚し、さらに彩佳は妊娠7ヶ月であることが明らかに。柴咲は自身のキャリアで、はじめての妊婦役となる。

変わらないあの頃の志木那島の人々、そして「夫婦」という形に“変わった”コトーと彩佳。年月を経て描かれる「Dr.コトー診療所」の今、どんな物語が紡がれていくのか。(modelpress編集部)

五島彩佳(ごとうあやか)役:柴咲コウ

志木那島診療所の看護師。「Dr.コトー診療所2006」では母親の脳内出血による半身麻痺をきっかけに東京でリハビリの勉強をすべく島を出ることを決意。さらに東京で乳がんを患っていることが発覚し、コトーに支えてもらいながら治療をしていた。コトーが執刀した手術を経てその後、寛解。映画「Dr.コトー診療所」では数年前にコトーと結婚し、現在妊娠7か月。高齢出産になることを覚悟しながら、診療所の看護師として働いている。

<柴咲コウコメント>
何十年も前にチームだった人が多い現場なので、あうんの呼吸のような安心感がありました。撮影しながら昔のこともどんどん思い出して、思い出話に花を咲かせながら、「今」を紡いでる「Dr.コト-診療所」を撮っていました。

16年間の平穏な暮らしがどこかに感じられたらいいなと思いながら撮影に臨んだのですが、吉岡さんの姿を見たら、自然体でコトー先生の空気をまとっていて、そんな吉岡さんの前にいると、自然と自分も彩佳になることができました。

ちなみに与那国島での撮影は、土地柄、虫が良く出るのですが、宿で私の苦手な虫が出た時に吉岡さんが、それをとってくれて、そういう何気ないことでも家族っぽくなるんだなぁと。こうやって助けて頂きながら島暮らしをしているのが、思い返せば、昔もそうだったなと思い出しながら撮影していました。

今回の「Dr.コト-診療所」は、ドラマもそうでしたが、日常や病気によって訪れる非日常、そこから生まれる感情をすごく丁寧に描いている作品なので、医療ものというよりはヒューマンドラマだと思いますし、人の心の機微や、人との繋がりが、どれほど大切なのかを改めて感じさせてくれる作品になると思います。

原剛利(はらたけとし)役:時任三郎

志木那島の漁師。かつて島の医師に妻を救ってもらえなかった経験から、赴任してきたばかりのコトーを全く信用していなかったが、一人息子・剛洋が急性虫垂炎になった際にコトーに命を救ってもらった。自分の後を継いで漁師になってほしいと願っていた息子がコトーに憧れ医師になること目指していることを知り、最初はぶつかっていた親子ではあったが、じきに背中を押し応援するようになる。現在は、漁師を続けているものの、島を出て行った剛洋とはしばらく会っていない。

<時任三郎コメント>
第1シーズンで、船酔いした息子タケヒロに向かって「漁師の息子が、情けねえ」と言っていた父タケトシ。それを演じていた自分が一番船に弱かったということを思い出しました(笑)。大人になったタケヒロと久しぶりの親子再会、どんな展開になるのかご期待下さい。

西山茉莉子(にしやままりこ)役:大塚寧々

志木那島のスナック・まりの店主。東京で子供を産み、その後離婚し単身で島へやってきた。

<大塚寧々コメント>
今回16年ぶりに撮影でしたが、与那国の空港に降り立って、あの空気を吸い込んだ瞬間に、ああ~島に帰ってきたと思いました。診療所もそのままで、なんだかずっと島で生活していたような不思議な気持ちでした。子供達は成長して大人になっていてびっくりしました。スタッフやキャストのみなさんと会って、一瞬にして時がそのまま流れていたような感覚になったのが、とても嬉しかったです。まるで、久しぶりに親戚一同が揃った!みたいな感じでした。その雰囲気が映像にも写し出されていればと思います。

安藤重雄(あんどうしげお)役:泉谷しげる

元・漁労長。引退後も漁業協同組合のご意見番。しげさんの愛称で親しまれている。お調子者で口が悪いが、剛利が多額の借金を背負ってしまった際には、漁師仲間と助けようとするなど義理堅い。

<泉谷しげるコメント>
みんなもっと老けていると思ったが、いやいやぜんぜ~ん変わってなかったから驚いたねー!今回オリジナルメンバーでやれたのが全くもって良かった。最初この話しが来た時、「早く撮らないと歳取ったのが死んでしまうから早くしないとダメだぞー」と言ったけど、前より若くなってらーっていう人もいて(笑)。

シゲは、勝手に島民の世話をして勝手にリーダーシップとる人なんだが、ありがた迷惑的なキャラが好きで、生き生きしてるね!例えばだが、誰かが怪我して深刻な場面でも「あの野郎もう死んじまったかー」みたいなこと言っちまうところが大好きだね!まー観客の皆さんに喜んで貰える事が俺達の使命だから、本当に楽しんで貰う事が、何より願いだね!

和田一範(わだかずのり)役:筧利夫

診療所でコトーを手伝っている市役所の職員で、もっとも近くにいる一人としてコトーの理解者でもある。16年経った今でも診療所を手伝っている。

<筧利夫コメント>
永く役者をやっていると時々とんでもない事が起こります。私は変わりました。みんな変わりました。だって16年たってるんですもの。でも衣装着て診療所に行ったら…同じになっちゃうんですよ(笑)。手術台に行ったら手伝ってるんですよ(笑)。嬉しくなっちゃいます!

もうファンタジーを飛び越えた機械を通していないCGですよ。ウキウキするでしょ?これは観ないといけませんね。Dr.コトー診療所でお待ちしております。

星野正一(ほしのしょういち)役:小林薫

彩佳の父でコトーを志木那島診療所の医師として招いた元・村役場の民生課課長。現在は村役場を定年退職し、半身麻痺の妻・昌代の介護をして暮らしている。

<小林薫コメント>
2年くらい前だったかな、皆さんも同じだったと思うけど、中江監督から、コトーの映画化の話があるんだけど、その時は出演してくれる?って云われて、2つ返事で、そりゃあもちろん出ます出ますと答えてました。なんだろうこの気分は、久しぶりに同じスタッフ、キャストの皆と一緒に仕事が出来る。島にももう一度行くことが出来るかもってのもあったかも知れないが、16年経っての作品化はコトーにそう云う生命力があったってことで、改めて、そう云う作品に関わることが出来た喜びみたいなのがあったんだなあと思っています。

星野昌代(ほしのまさよ)役:朝加真由美

彩佳の母。ドラマ「Dr.コトー診療所2004」で脳内出血により倒れる。コトーの緊急手術によって一命は取り留めたものの、半身麻痺の後遺症が残る。

<朝加真由美コメント>
この歳になると「ありがとう」と言う言葉が身に染みます。コトー再開の話しを頂いて思わず「ありがとう!」って空を見上げました。撮影初日与那国では「そうそうこの日差し!」「目が開けられない!」監督はじめスタッフ皆様の笑顔!「嬉しい!」

現場に行けばコトー先生が居て、星野家があって、そこに行けば星野昌代として居られました。16年前には撮影がハードで早く帰りたいなんて思ったりもしたのに(笑)なんと1日でも永く居たい場所になっていました。Dr.コトー診療所、「ありがとう!」

坂野孝(さかのたかし)役:大森南朋

志木那島支所の支所長の職員。現在は定年した正一に代わって村役場の民生課課長を務める。島の医療のために動き回る立場にある。

<大森南朋コメント>
撮影前は久しぶり過ぎて、気持ちがわさわさしておりましたが、現場に入ったら一瞬で16年前に戻りました。皆様がお元気そうでなによりでした。16年ぶりに帰ってきた「Dr.コトー診療所」楽しみにしてください。

原剛洋(はらたけひろ)役:富岡涼

剛利の息子。かつてコトーに命を救ってもらったことをきっかけに、コトーのような医者になりたいと志す。その後、医者になるため中学受験し、東京の進学校へ無事入学した。現在28歳。

<富岡涼コメント>
監督から映画化のお話と「参加しないか」と言われて、考えたこともなかったので驚いたのと、役者を辞めてから時間も経っていたので、かなり悩んだのですが、監督から声を掛けていただけたことがすごく嬉しくて「自分のできることを精一杯やってみよう」という思いで参加しました。

島で吉岡さんや監督と話しながら過ごすうちに、だんだん昔、タケヒロがドラマの中で体験していたことを鮮明に思い出して気持ちがどんどん強まったので、自分の中にまだタケヒロが残ってたんだなと感じました。

皆さんに久々にお会いする時はかなり緊張していたのですが、「あ!タケヒロ」みたいな感じで声かけていただいて…。本当に島のみんなの中に久しぶりに帰ってきたような、里帰りしたような感覚で、あたたかく迎え入れていただけたことが嬉しかったです。

「Dr.コトー診療所」ストーリー

日本の西の端にぽつんと在る美しい島・志木那島。本土からフェリーで6時間かかるこの絶海の孤島に、19年前東京からやってきた五島健助=コトー(吉岡秀隆)。以来、島に“たったひとりの医師”として、島民すべての命を背負ってきた。長い年月をかけ、島民はコトーに、コトーは島民に信頼をよせ、今や彼は、島にとってかけがいのない存在であり、家族となった。数年前、長年コトーを支えてきた看護師の星野彩佳(柴咲コウ)と結婚し、彩佳は現在妊娠7ヶ月。もうすぐ、コトーは父親になる。二人と共に暮らす彩佳の両親・正一と昌代、漁師の原剛利、元漁労長の重雄や漁師仲間、スナックを営む茉莉子、今も診療所を手伝う和田らが、今日もそこで静かに暮らしている。

2022年現在、日本の多くの地方がそうであるように、志木那島もまた過疎高齢化が進んでいる。それでも「まあ、コトーがいるから大丈夫だろう」そんな風に、皆心のどこかで思っていた。コトーも今や52歳。蒼く広がる海や水平線、波の音、夜空の星の輝きは変わらないが、島は少しずつ変化している。そんなコトーの穏やかな日常にもある変化が忍び寄っていることを、誰もまだ気づいてはいない―。
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