西島秀俊、岡田将生(C)モデルプレス

西島秀俊、純粋な岡田将生を心配「こんな世界にいて大丈夫なんだろうか」<ドライブ・マイ・カー>

2021.08.20 15:32

俳優の西島秀俊岡田将生が20日、都内で行われた映画「ドライブ・マイ・カー」の初日舞台挨拶に、メガホンをとった濱口竜介監督とともに登壇した。

  

日本映画で初の快挙「ドライブ・マイ・カー」

同作は、計り知れない喪失と仄かな希望を綴った村上春樹氏の短編小説の映画化作品。2年前に妻(霧島)が突然、秘密を残してこの世からいなくなってしまった俳優であり演出家の家福悠介(西島)は、寡黙な専属ドライバーの渡利みさき(三浦透子)と出会い、みさきと過ごすなかであることに気づかされていく――というストーリー。また、日本での公開を前に、第74回カンヌ国際映画祭にて、日本映画としては初の快挙となった脚本賞をはじめ4冠を達成した。

濱口竜介監督、西島秀俊、岡田将生(C)モデルプレス
初日を迎えた心境を聞かれると、西島は「本当に嬉しいです。撮影期間中にコロナで一旦、撮影がストップしたり、撮影中も全員が1日丸々集中し続けて、スタッフ・キャストで撮影し続けたので、こうやって初日を迎えて、みなさんに観ていただけて感無量です」と感慨深げに語り、岡田は「集中してこの作品に関わらせていただいて、早くみなさんに観ていただきたいという気持ちがあったので、初日を迎えられて嬉しいなと思います」と声を弾ませた。

西島秀俊(C)モデルプレス
また、演出家の役を演じての感想を聞かれた西島は「いくつかの劇団にお邪魔して、演出家の方にお話を聞いたりもしたんですけど、それを参考にしながら、濱口監督には『本気で演出をしてくれ』と言われて、僕自身も何がいい演技なのかということを考えながら、楽しく演技している姿を見続けるということをやっていました」と回顧し、「僕の役は濱口監督にすごく影響を受けているし、濱口監督の一部分でもあると思っていたので、僕が見ているんですけど、それはどこか濱口監督が僕を通して見ているという風に感じながら演技をしていました」と明かした。

岡田将生(C)モデルプレス
一方、高槻耕史役を演じた岡田は「最初3月に撮影をしていて、そこで1回中断したことによって、その空いた時間が高槻という役をやるにあたってすごくプラスに働いて、それがすごくよかったんだという話を、まだ撮影が再開する前に監督にお話をした時間があったんですけど、(撮影に)入ってもいないのに、“なんで俺、そんなこと言っているんだろう”って思いながらも(笑)、でも自分の中で確信的なことがあって、空いた時間でより高槻という役を理解することができたので、すごく良かったですね」と笑顔交じりで話した。

西島秀俊、純粋な岡田将生を心配

西島秀俊、岡田将生(C)モデルプレス
そんな2人は今回、初共演となったが、西島から刺激を受けたかと聞かれた岡田は「(西島の役は)演出家じゃないですか。今回、ものすごく緊張感がある中で撮影させていただいていて、『カット!』って掛かると監督をチラッと見て、どういう顔をしているのかなって見ているんですけど、そのあとに必ず西島さんの顔をチラッと見て(笑)、どこか演出家として見ている部分があって、“僕の芝居は今、大丈夫だったのか”というのをお2人に確認してしまっている自分がいたりして、それが現場では家福としていてくださった西島さんが、すごく刺激的で、僕も現場では高槻としていようと思いましたね」とコメント。

西島秀俊、岡田将生(C)モデルプレス
先の舞台挨拶で岡田のことを絶賛していた西島は「岡田くんは本当に純粋な人で…、本人を前にしてごめんね(笑)。あの…大丈夫かなっていう、こんな世界に。大人がいっぱいいる世界に、こんな純粋な人が大丈夫なんだろうかって思うくらい…」と岡田を心配すると、岡田は「でも僕もう32ですよ(笑)。10代とか20代じゃないです(笑)」と苦笑。それでも西島は「本当に心配になるよ(笑)。すごく純粋なので、もちろん経験を積んで、十分大人でタフな男性ですけど、繊細で脆い部分を常に感じるので、そこはずっと持ちながら外側は強くなっていって、両方持っていてもらえると、いちファンとしては幸せかなと思いますね」と吐露した。

カンヌ国際映画祭脚本賞のトロフィー(C)モデルプレス
同舞台挨拶では、カンヌ国際映画祭脚本賞のトロフィーがお披露目される一幕もあり、西島は「これは日本で1個しかないんですよね。どっかに出たら…(笑)」と想像し、岡田も「オークションに出したら…(笑)」と笑い、濱口監督が「出しません(笑)」とコメントすると、西島は「変なことを言ってすみません(笑)」と謝罪。改めて、同トロフィーを見た西島は「すごいですね。でもよかったですね、監督…。おめでとうございます」としみじみと語った。

西島秀俊、岡田将生(C)モデルプレス
なお、同舞台挨拶に登壇予定だった三浦透子は8月16日に新型コロナウイルス感染者との濃厚接触の疑いが生じ、PCR検査の結果は陰性だったが、安全を考慮し欠席し、同じく登壇予定だった霧島れいかも8月17日に新型コロナウイルス感染症濃厚接触者との接触があったため、安全を考慮し欠席した。(modelpress編集部)

濱口竜介監督、西島秀俊、岡田将生(C)モデルプレス
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