北村匠海(C)和久井健/講談社(C)2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会

北村匠海ら「東京リベンジャーズ」は“世代を代表する作品に”…魂の演技、ビジュアルにもこだわり<現場取材&インタビュー>

2021.04.14 07:00

俳優の北村匠海が主演を務める映画『東京リベンジャーズ』(7月9日公開)。モデルプレスでは、冬真っ只中の1月中旬に都内で行われた撮影現場を取材した。

  
今作は累計発行部数1000万部超、「週刊少年マガジン」で連載されるやいなや、かっこよすぎる登場人物たちや、タイムリープと共に成長を遂げていく主人公タケミチ(花垣武道)の姿、熱い仲間たちとの絆、心揺さぶる名言の数々など、今最も10代・20代男女の心を掴んで離さないバイブル的なコミックス『東京卍リベンジャーズ』を実写映画化。

タケミチを演じる北村のほか、ドラケン(龍宮寺堅)役に山田裕貴、ナオト(橘直人)役に杉野遥亮、ヒナタ(橘日向)役に今田美桜、キヨマサ(清水将貴)役に鈴木伸之、ミツヤ(三ツ谷隆)役に眞栄田郷敦、ハンマ(半間修二)役に清水尋也、アッくん(千堂敦)役に磯村勇斗、キサキ(稀咲鉄太)役に間宮祥太朗、マイキー(佐野万次郎)役に吉沢亮ら豪華実力派俳優陣が集結。英勉監督がメガホンをとった。

「東京リベンジャーズ」寒空の下で半袖シャツ…魂の演技

北村匠海、鈴木伸之(C)和久井健/講談社(C)2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会
この日の撮影は、朝9時から堤防で行われた。約40人のエキストラが集まる中、対峙するタケミチとキヨマサのもとに、マイキー、ドラケンが登場するシーン。まさに漫画から飛び出してきたような再現度の高いビジュアルでオーラを放っている。ドラケンはキヨマサが持っていた金属バットを奪うと、キヨマサの頭上ギリギリのところでバットを豪快に振る。山田と鈴木の迫真の演技に、現場の緊張感がより一層高まる。バットが少し鈴木の髪をかすめてしまったようで、「ごめん」と手を合わせた山田。鈴木はそれに首を横に振って笑顔で応える。

夏の設定ということで、寒空の下で制服の半袖シャツ姿のキャスト陣。しかし寒さは微塵も感じさせない圧巻の演技力を見せる。カットがかかるとダウンを着て暖をとりながら、英監督の指導のもと撮影は順調に進行。北村、吉沢、山田はセリフのタイミングも相談し合い、リハーサル・本番とテイクを重ね、撮影が残り3日となった「東京リベンジャーズ」の完成へ向けて一致団結する姿が見られた。

モデルプレスでは、キャスト陣に今作の役作りでこだわった点や撮影で苦労した思い出などを聞いた。

北村匠海ら「東京リベンジャーズ」実写版で意識した点・役作りへのこだわり

鈴木伸之、北村匠海(C)和久井健/講談社(C)2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会
― 原作への思いや、実写版としてご自身が演じるにあたって特に意識した点を教えてください。

北村:お話をいただいたとき、まさに大好きな漫画でした。タケミチを演じるなら僕がやりたい!と思っていたし、同じ時期に共演していた吉沢くんが「タケミチが匠海なら」と言ってくれたので、「マイキーが亮くんなら」というスタートを切りました。タケミチは喧嘩ではなく気持ちだけで、人の心を動かす人。なので自分もそんな座長でいようと心掛けました。役作りはシンプルにそのくらいでした。

山田:纏う雰囲気を特に意識しました。ドラケンの声はアニメ化が決まって、声優さんもわかっていましたが、僕がアニメに寄せて声を作ると嘘っぽく聞こえるのが嫌で、自分のドラケンには嘘があってはならないので、想像ですが心から出る嘘のない声にしようと気を付けました。

吉沢:友情や背負っているもの、原作の中でも大切に描かれている人間としての魅力を丁寧に演じようと意識しました。また、原作のマイキーのキャラクター性が実写になった時に、あまりにマンガ的な表現にならないように落とし所を探りながら演じました。

磯村:タケミチ(匠海)との距離をどれだけ育めるか、溝高のメンバーと呼吸を合わせられるかを意識して演じていました。なのでプライベートでも集まったりして絆を深めていきました。

鈴木:お話をいただいて原作を読ませていただきましたが、「キヨマサはなんてひどい奴なんだ!」と思ったのが最初の印象です。本当に卑劣なキャラクターなので、振り切って演じないとかえって作品をダメにしてしまうと思っていました。なので、撮影中は一切の良心を捨ててタケミチと対峙することを意識していました。
ただ、タケミチとのアクションシーンの稽古をしている時には、正直、心が痛みました(笑)。「キヨマサは鈴木にしかできないよね」と思っていただけたら本当に嬉しいです。

― ビジュアル面で特にこだわった部分はどこですか?(髪型、身長、体作りなど)。また、自分以外でもっともハマり役だと思う方とその理由も教えてください。

山田裕貴、吉沢亮(C)和久井健/講談社(C)2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会
北村:髪型に関しては、原作にできるだけよせられるようにリーゼントが作りやすいカットにしました。リーゼントというよりツンツンヘアっぽいような。体作りなどはとにかく動ける体を維持することを意識しました。このメンバーじゃないと考えられないほど、みんなばっちりハマってたと思います。

山田:見てもらったらわかる通り、やれることは全部やりつくしました。原作のビジュアルに近づけるために、身長も15cmあげてアクション中もブーツの中にソールを入れて、ほぼつま先立ちのようでした。ドラケンは好きな方々が多いので、タトゥーと金髪は必ずやると思っていました。全員がハマり役で、似ている。再現度が高いと思います。

吉沢:髪型は何度もカツラ合わせをお願いして、どうにかしっくり来る形に落ち着きました。自分以外でもっともハマり役だと思う方は北村くん。原作のまんま。

磯村:学生の頃のアッくんと、大人になったアッくんでビジュアルを大きく変えたところです。学生の時は赤髪リーゼントにし、少し顔つきもふっくらさせました。逆に、大人になった時は減量し黒髪へと変えたところがこだわった部分です。

どの人物も原作の再現度が高いので甲乙付け難いですが、現場で匠海に会った時、「あ、こいつタケミチだ!」となるくらい、匠海の役へアプローチと外見がまんま武道でした。

鈴木:僕の場合は髪型を特にこだわりました。原作に忠実に再現するため、監督と相談し、刈り上げているところは地毛、パンチパーマのところはウィッグを使わせていただきました。映像を少し見せていただきましたが、うまくキヨマサのビジュアルに近づけたと思いますので、皆さんにも楽しみにしていただきたいです。

僕はタケミチが一番のハマり役だと思いました。ビジュアルや出で立ちが似ているところはもちろんですが、タケミチの過去を何とかしたいという実直で純粋な様子が匠海くんとものすごくリンクするなと感じたからです。

共演前後で印象が変わったキャスト明かす

北村匠海、吉沢亮(C)和久井健/講談社(C)2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会
― 共演前と後で印象が変わったキャストがいれば教えてください(共演経験がある場合は今回を機に変わったことなど)。

北村:みんな良い意味で変わらないですね。ほとんどが共演したことある仲間でしたので、安心感がありました。その中で印象的だったのは、山田くんの人柄で最高でした。“熱い素敵な男”です。

山田:誰も変化なしです。逆にそこが良いところです。

吉沢:北村くんは今までナイーブな役を演じているイメージが強く、ここまでアツくて3枚目な役を見事に演じているのを見て、流石だなと思いました。

磯村:ノブ(鈴木伸之)とは、別作品で最凶コンビとして共演しましたが、今回、ノブ演じるキヨマサはさらに悪に拍車がかかり、最悪でした(笑)。ノブ本人は変わらず愛おしい人間でした。

鈴木:磯村勇斗くんとは『今日から俺は!!』で共演させていただき、その時はお互い不良の役で相棒という設定でした。今回は僕が卑劣な不良、勇斗はいじめられるグループの1人ということで、勇斗に関しては前回共演した時とは全く違った役だったので、「こういう役だとこうなるんだ」と新たな勇斗を発見できたような気がします。まあ普段の勇斗はもちろんアッくん寄りの優しい男なのですが(笑)、キヨマサとアッくんが絡むシーンもありますので、『今日から俺は!!』を知って頂いている方は、そこのシーンにもぜひ注目していただきたいです。

― コロナ禍で撮影が1年以上かかった中で、もっとも苦労したことを教えてください。

北村:現場の熱量と我々役者陣の想いがかなり強かったので、1年間誰も集中力が途切れることがなかったと思います。どんなに時間が経ってもすぐタケミチに戻れました。

山田:作品を完成させられるのかという不安が一番の苦労でした。それ以外はありません。素敵なスタッフ、キャスト、監督、素敵な原作と脚本があるので、あとは自分はドラケンを生きるだけ、ただそれだけです。

吉沢:撮影が半年飛んだので、単純に芝居のトーンを思い出すのが大変でした。

磯村:コロナ前に撮っていたシーンが途中で中断し、1年後にその途中から再開だったので、感情の繋ぎ方が難しかったです。

鈴木:撮影自体が止まってしまったこともあり、本当にこの作品を撮り終えることができるのかという不安が一番大きかったです。「完成させたい」「公開日を必ず迎えたい」というキャスト・スタッフ全員の気持ちが一丸となっていたからこそ、撮り終えることができた作品だと思っています。

あとは、撮影がストップした期間が半年以上あったので、元のキヨマサに戻れているかというのも不安でした(笑)。とにかく、長い年月をかけて大事に作り上げたということが、映画を観に来てくださった方々に少しでも伝われば嬉しいです。

「東京リベンジャーズ」は“世代を代表する作品に”…キャストの思い

磯村勇斗(中央)(C)和久井健/講談社(C)2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会
― 同世代のキャストとの撮影だったかと思います。「世代を代表する作品にする」という気概もあると伺っていますが、その辺りの思いや特に印象に残っている撮影エピソードがあれば教えてください。

北村:みんなが、この作品に何かを賭けてくれていることを随所で感じて。お互いがそれに応えるように芝居で刺激し合うような現場でした。同世代が一堂に会して、僕たちの先輩方と同じ道ではないとは思うけど、大きなバトンをこの作品で繋いでいけたらなという想いです。そして、また次世代にあの映画を越えようって思ってもらえるくらいの“どデカい物”になったら良いなと。

山田:ほとんどのキャストのことを知っていたのがやりやすかったです。何より、マイキーが亮であったことが一番、安心できました。亮がたくみっち(北村)に「俺の信頼している人が相方がいい」と言ってくれていたようで、それが何より嬉しかったです。

吉沢:どの世代の方が観ても熱くなれる作品になれば嬉しいです。

磯村:それぞれがいろいろな形で俳優というフィルターを通し闘ってきて集結した感じが、『アベンジャーズ』のようにも見え、現場で共演するのが楽しみでした。各々色の違う武器を持っているので、一同が集結するシーンでは刺激のある現場だったと感じました。

鈴木:共演するキャストの方々を聞いたときは声を上げるほど驚きました。全員で同じ方向を向いて良い作品を作り上げていこうという空気感は本当に素晴らしかったですし、同世代が集まったからこそ生まれたものなのかなとも思いました。また、今回僕は英監督と出会えたことが本当に大きかったです。役の細部まで僕と一緒に悩んで答えを出してくれたり、カットがかかるごとにキャストの元へ来て、その都度感想や指摘をくださったりと、本当に役者に寄り添ってくださる監督さんだなと思いました。英監督の作品に携わることができて本当に良かったです。

(modelpress編集部)

『東京リベンジャーズ』

原作:和久井健「東京卍リベンジャーズ」(講談社「週刊少年マガジン」連載中)
キャスト:北村匠海 山田裕貴 杉野遥亮 鈴木伸之 眞栄田郷敦 清水尋也 磯村勇斗 / 間宮祥太朗 / 吉沢亮
監督:英勉
配給:ワーナー・ブラザース映画
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