鈴木亮平、佐藤健、松岡茉優(C)モデルプレス

松岡茉優、佐藤健&鈴木亮平から「今、お叱りを受けています」<ひとよ>

2019.09.25 21:05

映画「ひとよ」(11月8日公開)のジャパンプレミア試写会が25日、都内で行われ、主演の佐藤健、共演の鈴木亮平松岡茉優、音尾琢真、佐々木蔵之介、メガホンをとった白石和彌監督が登壇した。

  
本作は、鶴屋南北戯曲賞、読売文学賞戯曲・シナリオ賞などを受賞した注目の劇作家・桑原裕子率いる劇団KAKUTAの代表舞台作品「ひとよ」を実写映画化。どしゃ降りの雨が降る夜に起きたひとつの事件で運命を激変させられ、心に傷を抱えたまま別々の人生を歩んだ母親とその子どもたち3兄妹が、事件の15年後に再会し、葛藤と戸惑いの中で1度崩壊した家族の絆を取り戻そうともがき続ける姿を描く、感涙のヒューマンドラマとなっている。

松岡茉優(C)モデルプレス
15年前の事件に縛られ家族と距離をおき、東京でフリーライターとして働く次男・雄二役を演じる佐藤は「素晴らしい共演者の皆さまと、白石監督のもとということもありまして、今回の現場では自分で何かしようという気負いのようなものが一切なく、過去に経験したどの現場よりも力の抜けた状態で臨めたんじゃないかなと思います。完成した作品は素晴らしかったです。そんな作品に出演できたことを光栄に思います」と晴れやかな表情で挨拶し、事件によって美容師になる夢を諦め、スナックで働きながら生計を立てる末っ子の妹・園子役を演じる松岡は「初号試写が終わって監督に会ったときに『出してもらってありがとうございました』って胸を張って思えたのは、(芸能生活)16年間で初めてでした」と目を輝かせた。

松岡茉優「今、お叱りを受けています」

鈴木亮平、佐藤健、松岡茉優、音尾琢真(C)モデルプレス
続けて、MCが「まずは3兄弟の方にお聞きします」と前置きをすると、すかさず松岡が「だんご?」と口を挟み、兄役の鈴木と佐藤に詰め寄られ「今、お叱りを受けています」とタジタジになる一幕も。加えて松岡は「3兄弟って聞いたらだんごじゃないですか。初めて買ったCDが『だんご3兄弟』だし…」と弁解をして会場の笑いを誘った。

佐藤健(C)モデルプレス
さらに松岡は「いかがでしたか?白石監督と初めてご一緒して」とMCの仕事を奪い、MCから「以心伝心です。当たりです」と声をかけられると、佐藤は「本当に『ひとよ』の話が来る前から、もし白石作品に出演できるんだったら、こういう役作りをして行こうって考えるくらい、念願叶っての出演でした」と打ち明け、白石監督からどんな役作りをしようと思っていたのか聞かれると「もし出られるんだったら、今より線を太くして、体内を汚して挑もうと思っていました。それを今回も取り入れました」と返答。これに松岡が「汚いですよ、今回の佐藤さん。ビックリするくらい汚い!こんなきれいな顔をしているのに、こんなに汚くなるのかって」と力説すると、佐藤は「あんまり言うな、そういうこと。傷つくから。自分で言うのはいいけど、女性に言われたら悲しくなる」と一喝した。

鈴木亮平、松岡茉優の無反応に「待ってたのに」

鈴木亮平(C)モデルプレス
また、町の電気屋に勤務し、3兄妹で唯一自身の家族を持つが夫婦関係に思い悩む長男・太樹役を演じる鈴木は「3兄弟の長男、鈴木です」とコメントしてしばらく黙り、松岡からなんの反応もないと「そこは言わないんだ…。『だんご』待ってたのに」と仲睦まじいやりとりを見せ、改めて鈴木は「昔、(白石監督作品の)『日本で一番悪い奴ら』という映画を映画館に見に行ったときに、終わってすぐに(主演の)綾野剛君に『あれは凄い』と。最後に『羨ましいし悔しい』って送ったんです」と回顧し、「そこから白石和彌さんの名前は強烈に残っていて、ずっと事務所の人間にも『いつかやってみたい』と思っていたので、今回このお話をいただいて嬉しかったです」としみじみ。

加えて、鈴木が「しかも僕は活発な役が多かったりするので、こういう内向的な役を鈴木にやらせてみたいと思ってくれたことに感謝しています」と感無量な表情を浮かべると、松岡は「今まで見たことのないくらい汚い佐藤健さん。今まで見たことがないくらい頼りない鈴木亮平さん。『西郷どん』はどこに行ったんだというくらいです」と紹介し、「私は?」と鈴木と佐藤の顔を覗き込むと、佐藤は「今まで通りの松岡。期待通りの松岡」と答えて会場を沸かせた。これに白石監督は「ここまで試写を見た人たちは『松岡茉優は凄まじいな』と。そういう声が非常に多いので、それは今まで通りなんでしょう」と松岡を絶賛すると、松岡は照れ臭そうに「ありがとうございます」と笑顔を見せた。

白石和彌監督、佐々木蔵之介、鈴木亮平、佐藤健、松岡茉優、音尾琢真(C)モデルプレス
さらに松岡が「なんでこんなにギャップのある配役になったんですか?」と質問すると、白石監督は「その質問、台本になかったですよ」と苦笑しつつ、「俳優としてパーソナルな部分までは見られていないですけど、今までやってきたお仕事を見ていると、当然、これほどの役者方ならできますから、それは1つの兄弟として見てみたい、一緒に仕事をしてみたいというのが先行して、皆さんにお願いしています」と答えた。

松岡茉優、自身にとっての特別な一夜を明かす

鈴木亮平、佐藤健、松岡茉優(C)モデルプレス
本作にちなみ、『自身にとっての特別な一夜』を尋ねられると、本作での佐々木とのシーンを挙げた松岡は「子役からやっておりますから、(母親役の)田中裕子さんと同じくらい、私の中では神様みたいな人ですけれども、新人ドライバー(役)の佐々木さんに送ってもらうシーンがあるんですけど、そこで佐々木さんの髪をグワングワンにグッチャグチャにして、引っ張ったり叩いたりしたんですけど、まさか先輩の頭をペンペン叩く日がくるとは。なので、恐ろしくもあり、何か興奮した夜でした」とエピソードを披露すると、佐々木は「心地よかったですね」と恍惚とした表情を浮かべて笑わせた。

また、鈴木は、俳優をやっていこうと決めた夜だといい「なんとなく俳優をやりたいなと思って東京の大学に行って、演劇サークルに入ってみたんですけど、そこで初日の本番が終わって、フィクションの世界から解放されて、小さい阿佐ヶ谷の劇場でやったんですけど、キャストが外に出て、お客様をお見送りしようと思ったら、最初に出てきた方が感動して泣いていたんです」と振り返り、「それを見て“俺、これを一生の仕事にしよう”と思ったんですよね。自分が何かをやったことで、人の心を動かしたという経験はそれまでなかったので、その夜は忘れられない人生を変えた夜になったかなと思います」と語った。

松岡茉優(C)モデルプレス
最後に佐藤は、本作の撮影で佐々木に全力で飛び蹴りをしたシーンを挙げ「台本にも書いてあるんですけど、アクションシーンって巧妙なテクニックで計算して作っていくものなんですけど、そういったプランがなかったので、あれはアクションシーンじゃなくてただの暴力なんですよ。それでも行くしかないので、蔵之介さんに『これは行くしかないのでよろしくお願いします』と言ったら、快く『全然いいよ』と言っていただいたので、全力で行かせていただきました。あのときはありがとうございました」と感謝すると、佐々木は「心地よかったです」と笑顔を見せた。(modelpress編集部)

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