出演が発表された松坂桃李(左)、竹野内豊(右)(C)2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会

松坂桃李、蒼井優と不倫に溺れる“薄っぺらい”男で映像初ラブシーン 竹野内豊も“救いようのないクズ”に

2017.03.21 05:00

女優の蒼井優と俳優の阿部サダヲがW主演を務める映画『彼女がその名を知らない鳥たち』(10月公開)の全キャストが解禁。俳優の松坂桃李竹野内豊が出演することが分かった。

  

蒼井優が“最低なヒロイン”、阿部サダヲが“とにかく汚い男”に

原作は、ラブストーリーに夢を見られなくなった大人の女性たちに「究極の愛とは何か」と突きつけ、読者を虜にした20万部を超えるイヤミス女王の一人・沼田まほかる氏人気ミステリー小説。『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』の白石和彌監督がメガホンを執り、ノンフィクションを原作に骨太な社会派エンターテイメントを作り出してきた彼が、初めて本格的な大人のラブストーリーに挑む。

クレーマーで自分勝手、恋人の稼ぎで働きもせずぼんやりとだらだら過ごしているにも関わらず、彼を嫌悪しなじり、他の男と関係をもつ女・十和子を蒼井が、不潔でちんけで下品で卑屈で下劣、「十和子が幸せならそれでいい」と言いながら、毎日何度も電話をし、実は彼女を尾行していたりと、十和子に異様な執着を見せる十和子の15歳上の恋人・陣治を阿部が演じる。

松坂桃李の“クズ演技”に太鼓判

松坂が演じる水島は、高級デパートの時計売り場主任。端正なルックスと柔らかな物腰、一見誠実そうな風貌ながら、その実、自分の性欲のためだけに動いており、ロマンティックな夢や趣味を臆面もなく語るが内容は薄っぺら。十和子と不倫関係となっていくという役どころだ。

白石監督は「とても誠実に演じて頂き、薄っぺらい男が不思議と奥深く魅力的な人間になりました。クズはクズなんですが。松坂桃李、さすがです」と松坂を称賛。松坂は映像作品で初めてのラブシーンにも挑むといい、「相手が蒼井さんというのはとても光栄でした」と語っている。

竹野内豊は「断トツの酷い男」

そして、竹野内が十和子が忘れられない八年前に別れた男・黒崎に。黒崎は、スマートで羽振りもよく女性を喜ばせる所作に長けているが、上昇志向が強く、自身の出世や保身のためなら女を道具に使うことも厭わない男。十和子と別れる時に、彼女の体にも心にも残る手ひどい仕打ちをした、水島に引けを取らない最低の男だ。

白石監督は「いつもとは真逆な男の役でしたが、これほど最低なクズが似合うとは思いませんでした」と評し、「私の映画に出てくるクズなキャラクターの中でも断トツの酷い男です。それでもカッコイイ竹野内豊をスクリーンで見て頂けると嬉しいです」とアピール。「役柄に対し共感出来る要素は一つもなかった」と言い切った竹野内は、「救いようのない役に挑む事で、白石監督に私が救ってもらいたかったのかも知れません(笑)」とコメントしている。

ほか全キャスト

このほか、村川絵梨、赤堀雅秋、赤澤ムック、中嶋しゅうの出演が決定。

松坂は蒼井・阿部と初共演、竹野内は蒼井と初共演。新鮮な組み合わせ&これまでに演じたことのないキャラクターを演じる彼らが、共感度0、不快度100からどのように心を震わす愛の物語に観客を連れていくのか、注目だ。(modelpress編集部)

『彼女がその名を知らない鳥たち』ストーリー

蒼井優、阿部サダヲ(C)2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会
八年前に別れた男・黒崎を忘れられない十和子は、今は15歳上の男・陣治と暮らしている。下品で、貧相で、地位もお金もない陣治を激しく嫌悪しながらも、彼の稼ぎで働きもせず日々を過ごしていた。ある日、十和子は黒崎の面影を思い起こさせる妻子ある男・水島と関係を持ち、彼との情事に溺れていく。そんな時、家に訪ねてきた刑事から「黒崎が行方不明だ」と知らされる。どんなに足蹴にされても文句を言わず、「十和子のためなら何でもできる」と言い続ける陣治が、執拗に自分をつけ回していることに気付いた十和子は、黒崎の失踪に陣治が関わっているのではないかと疑い、水島にも危険が及ぶのではないかと怯え始める―― 。

水島真役・松坂桃李コメント

<自身の役柄について>
水島真と書いて、ペラペラぺラ男と読む。薄っぺらい男だと思いました。

<白石組初参加の感想>
油断のできない現場でした。台本を読んだだけでは想像ができないことが現場で次々と襲い掛かってくる。巻き起こるんじゃなくて襲い掛かって来るんです。すごく面白い体験でした。

<蒼井優との初共演について>
蒼井さんは「すごい」の一言。数々の作品の先頭に立って、走って、何かを残して続けてきた人のすごさを、お芝居を通して体感できました。とても貴重で有難かったです。僕は映像作品で初めての濡れ場だったのですが、相手が蒼井さんというのはとても光栄でした。

黒崎俊一役・竹野内豊コメント

<自身の役柄について>
救いようのない人物でしたので、役柄に対し共感出来る要素は一つもなかったです。黒崎を演じるにあたり、この人は幼少期からどの様な人間関係の中で、どんな人生を辿って生きて来たのか、時折ふと思い浮かべていました。そして、初めて白石監督とお会いした時、役柄について相談した所「黒崎は最低で最高です!!」と意味不明な事を仰っていて、この人面白いなーと思いチャレンジしてみたくなったんです。救いようのない役に挑む事で、白石監督に私が救ってもらいたかったのかも知れません(笑)。

<蒼井優さんとの初共演について>
僭越ながら、表現の場は様々な誘惑も多く、自意識過剰になって必要以上な欲をつい出したくなりがちで、私自身、大切な事を見失った苦い経験が幾度となくありました。蒼井さんは役者である前に、人として生きて行く指針をご自身の中にしっかり持っていらっしゃる方。だからこそスクリーンの中に映る蒼井さんは偽りが見えない…そう思います。近い未来で、また別の役柄を演じる蒼井さんをぜひ目の前で拝見したいです。

白石和彌監督コメント

今ノリに乗ってる松坂さんにこれ以上ない軽薄な男の役をお願いしました。とても誠実に演じて頂き、薄っぺらい男が不思議と奥深く魅力的な人間になりました。クズはクズなんですが。松坂桃李、さすがです。

竹野内さんもいつもとは真逆な男の役でしたが、これほど最低なクズが似合うとは思いませんでした。編集で何度も見ながらニヤついてしまいました。私の映画に出てくるクズなキャラクターの中でも断トツの酷い男です。それでもカッコイイ竹野内豊をスクリーンで見て頂けると嬉しいです。
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