小松菜奈×菅田将暉「溺れるナイフ」運命的な出会い、初めてのキス…ロケ地&ストーリー徹底解説
2016.10.24 16:29
ジョージ朝倉氏の人気少女マンガを実写化した映画『溺れるナイフ』が11月5日に公開される。小松菜奈と菅田将暉がW主演をつとめ、重岡大毅(ジャニーズWEST)、上白石萌音ら旬のキャストが共演。撮影は原作の舞台となった和歌山にて、わずか17日間という過酷なスケジュールの中行われた。
圧巻の映像美―「神さん」の懐を借りて
都会から遠く離れた浮雲町にやって来たティーン誌のモデル・夏芽(小松)と、地元の神主一族の跡取り・コウ(菅田)の“一生に一度の”ラブストーリーを描いた同作。原作の大ファンを公言する山戸結希監督が、気高く危うい10代の破裂しそうな恋と衝動を鮮烈に描き出している。和歌山は劇中の「喧嘩火付け祭り」のモデルになった「御燈祭」があり、世界遺産である熊野三山や熊野参詣道を抱える「神さん」のいる場所。本作の魅力のひとつは映像美。撮影監督・柴主高秀が収めた風光明媚で幻想的で、時に獰猛な牙を剥く海や山の映像は、コウが生まれながらに浮雲の土地から授かった信託を象徴する、映画の第2の主役となった。
夏芽とコウが出会った那智勝浦の美しい浜辺。コウが夏芽の写真集撮影を妨害してみせた熊野古道。幽玄な「喧嘩火付け祭り」の舞台は新宮市の丹鶴城跡。そして2人が結ばれたのは日本近代建築の先駆けとなった古式ゆかしい洋館・西村記念館。そこかしこに「神さん」の気配を感じる、「神さん」の懐を借りての撮影となった。
映画『溺れるナイフ』ロケ地&ストーリー解説
<本宮 湯の峰温泉>夏芽は、東京から浮き雲町の祖父の家“旅館あづまや” に移り住む。日本最古、開湯1800年。熊野詣での湯垢離場として栄えた「湯の峰温泉」。創業が江戸時代中期から後期とされる老舗旅館。
<串本 朝貴神社周辺の海岸>
都会から越してきた夏芽は、地元の神主一族の跡取り・コウと運命的な出会いをする。
<緑丘中学校>
モデルの夏芽は転校してきたクラスの女子の憧れの的に。しかし、コウだけは無関心な態度をとる。
<熊野速玉大社裏の熊野川堤防沿い>
傍若無人で気まぐれなコウに、惹かれていく夏芽。何とかして認められたいという想いに駆られる。
<熊野古道>
そんな時、夏芽は、著名なカメラマン・広能昌吾(志磨遼平)が手掛ける写真集の話が持ち上がり、夏芽はコウを見返えそうと引き受ける。
<湯の峰温泉 つぼ湯周辺の川>
コウは夏芽を追いかけ、完成した夏芽の写真集を奪い見る。ここで、コウと夏芽は初めてキスを…
<JR紀伊勝浦駅前>
つきあい始めた夏芽とコウ。火祭りの縁日で、幸せの絶頂に。
<新宮(丹鶴)城跡>
しかし、夏の火祭りの夜、思いがけない悲劇が2人を襲う…。
熊野川河口付近の高台にある新宮城跡。新宮城は別名、丹鶴城とも呼ばれ、この地に丹鶴姫(源為義の娘、源頼朝・義経・義仲の叔母)が開いた東仙寺があったことに由来する。現在は本丸跡が丹鶴城公園として整備されている。
<新宮高等学校>
火祭りの事件がきっかけで別れることになった夏芽とコウ。高校に進学し、心を閉ざした夏芽。コウは自分を痛めつけるように悪い仲間と暴れまわる日々を過ごしていた。
<那智勝浦 熊野那智大社が鎮座する町の海辺>
偶然コウに出くわした夏芽だが、「俺に関わらんで」と冷たく拒絶される。
<熊野古道(大門坂)>
穏やかな時間に身を委ねていた夏芽だが、忘れていた情熱が再び燃え上がり、運命の再会を果たす。
古代から中世にかけ、本宮・新宮・那智の熊野三山の信仰が高まり、上皇・女院から庶民にいたるまで、多くの人々が熊野を参詣した。田辺から熊野本宮に向かう中辺路、田辺から海岸線沿いに那智・新宮へ向かう大辺路、高野山から熊野本宮へ向かう小辺路が、「熊野参詣道」として世界遺産に登録されている。近年はパワースポットとしても有名。
<旧西村家住宅>
傷ついた夏芽とコウ。ようやく結ばれたかに見えたが…再び輝きを取り戻すことができるのか―。
和歌山県新宮市にある博物館。文化学院の創設者であり、住宅作家としても知られる西村伊作が自ら設計・監督した自邸。かつて与謝野鉄幹・与謝野晶子夫妻や石井柏亭など多くの文化人たちの社交の場であり、歴史的建造物の保存・活用を目的に設立された。
(modelpress編集部)
映画『溺れるナイフ』
出演:小松菜奈 菅田将暉 重岡大毅(ジャニーズWEST) 上白石萌音 志磨遼平(ドレスコーズ)原作:ジョージ朝倉「溺れるナイフ」(講談社「別フレKC」刊)
監督:山戸結希
脚本:井土紀州 山戸結希
主題歌:「コミック・ジェネレイション」ドレスコーズ(キングレコード)
音楽:坂本秀一
<ストーリー>
あの頃、君が世界の全てで、私たちは永遠だと信じていた―。15歳の夏。東京から遠く離れた浮雲町に越してきた、人気モデルの望月夏芽(小松菜奈)。退屈でウンザリするようなこの町で、夏芽は体を貫くような‘閃光’と出会ってしまう。それは、コウと呼ばれる少年・長谷川航一朗(菅田将暉)だった。傲慢なほどに激しく自由なコウに、反発しながらも、どうしようもなく惹かれてゆく夏芽。コウもまた、夏芽の美しさに対等な力を感じ、やがてふたりは付き合いはじめる。「一緒にいれば無敵!」という予感に満たされるふたり。しかし浮雲の夏祭りの夜、全てを変える事件が起きるのだった―。失われた全能感、途切れてしまった絆。傷ついたふたりは、再び輝きを取り戻すことができるのか。未来への一歩を踏み出すために、いま、ふたりがくだす決断とは― 。
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