正解はお前の中にある。山田孝之×阿部進之介が人生に迷う人へ伝えたい、“まず行動する”ということ
取材・文:瑞姫
撮影:佐々木康太
編集:杉田穂南/マイナビウーマン編集部
何かを始めるのに、経験や実績は必要なのだろうか。
年齢を重ねるほど、私たちは新しい一歩を踏み出す前に、さまざまなことを考えてしまう。自分にできるのか。今から始めても遅くないか。もし失敗したら……。
そんな挑戦へのハードルを取り払い、誰もが可能性を試せる場所として生まれたのが、俳優の山田孝之さんと阿部進之介さんが手がける俳優オーディションプロジェクト『THE OPEN CALL』。経験も実績も問わず、約14,000人が応募した今回のオーディション。二人は、候補者たちのどんな姿に可能性を感じ、何を伝えようとしているのでしょうか。
今回は、山田さんと阿部さんにオーディションに込めた思いや表現者として大切にしていることに加え、仕事や恋愛、将来に悩むマイナビウーマン読者からの人生相談にも答えてもらいました。
■お芝居は「誰にでもできる」オーディションに込めた想い
――今回の『THE OPEN CALL』は、経験も実績も問わないという点がすごく印象的です。このルールには、どのような思いが込められているのでしょうか?
阿部:できるだけたくさんの人に参加していただきたい、可能性を広げたいという思いがあります。
山田:お芝居をする上で経験や実績って、たぶんそこまで重要じゃないんです。もちろん経験が豊富な人はいろいろな引き出しを持っているかもしれないけれど、逆にそれが邪魔になることもある。実績もそうです。
もしかしたら、初めてお芝居をした人がパッと輝くかもしれない。お芝居って誰がやったっていいので、「誰にでもできるよ」「みんな来てください」ということを分かりやすく形にしたのが今回のオーディションです。
――「Episode 0」を拝見しましたが、会社員など演技未経験の方がいる一方で、長く演技を続けてきた方も参加されていたのが印象的でした。現在オーディションが進行中ですが、お二人が「この人は伸びそうだな」と感じる人に共通点はありますか?
山田:とにかく考える人です。役のことをとにかく考えている人は、本当にちょっとした目の動きだったり、リズム感だったりがお芝居に出てくるんです。
あとは今回、これだけ多くの人が参加してくれたからこそ、「お芝居だけじゃない」ということも見えてきました。強烈なキャラクターを持っている人を見ると、「どういう生き方をしてきたら、こんなキャラクターになるんだろう」と興味が湧く。それも表現者として表に出る人の魅力の一つであり、大事な要素だと思います。
阿部:「伸びる」という意味でいうと、やっぱり人の話をちゃんと聞ける人ですね。すごく根本的なことですけど、大事だと思います。それって、芝居で相手のセリフを聞くことにもつながっているし、演出の意図を汲み取ることにもつながっているんです。自分が「こうやってやろう」「こういう演技をしたい」という思いだけで走ってしまうと、うまく噛み合わなかったり、狙いとズレてしまったりすることがあるんですよね。
撮影をしている時はいろいろな人の話を聞いて、その中から本当に何が必要なのかを頭を柔らかくして考える。そういうことができる人は、すごく伸びるんじゃないかなと思います。
■山田孝之と阿部進之介の「ここだけは負けない」強み
――個人個人の良さがより引き出されるように、オーディションの一次審査や二次審査の課題も考えられたのでしょうか?
山田:しっかり考えてやっています! 我々はこんな感じで生きてきましたけど、毎週定例会議に出て、ああでもない、こうでもないって言いながらやってます。
阿部:でも、僕たちが普段やっているプロセスの中で「これは難しいな」と思うことにトライしてもらったり、「こういうことが必要だから、それを引き出すためにはどういう課題にしようか」っていうのは、俳優としての経験をもとに逆算して課題を作っています。
山田:なので結果的にすごく難しい課題になったりはしているんですけど、難しいことをさせたいわけではなくて、「これくらいのことはできないといけないんだよね」ということが、候補者にも視聴者の方にも伝わるように作っています。
――今回のオーディションはかなり狭き門で、どうしても選ばれる人と選ばれない人が出てくると思います。一方で、この番組では結果だけではなく、そこに至るまでの過程も大切にされている印象を受けました。参加した方全員に「これだけは持ち帰ってほしい」と思っていたものはありますか?
山田:でも今言ったようなことなんじゃないですかね。
阿部:いろいろなことに共通する気がします。相手の意図を汲み取ることだったり、人の話を聞くことだったり。ずっと停滞してしまう時って、自分の中だけにこもって、人と接せず、話もせず、自分の頭の中だけで考えている時だと思うんです。もちろん、そういう時間も必要なんですけど、それを経て、また「どうなのかな」と周りを見る。
これはすごく基本的に大事なことだし、「向き合う」ということだと思います。目の前で起きていることに向き合えている人は、役だけではなく、いろいろなことに向き合えている人だと思うので。
このオーディションを通して改めて確認する人もいるかもしれないし、新しく気づいて持ち帰る人もいるかもしれない。考え続けること、悩み続けることの大切さは、みんな感じたんじゃないかなと思います。
山田:悩み続けること、考え続けることが大事っていうのはみんな感じたと思います。
――もし今のお二人が今回の『THE OPEN CALL』に応募するとしたら、「ここだけは負けない」というアピールポイントは何ですか?
山田:受かっても落ちてもどうでもいいと思えるところが強いかもしれない。変な恐れがないから、良いか悪いか、求められているかどうかは別として、かなり自分らしくいられると思います。
阿部:いや、それ大事だよね。孝之、それは強いよね。
山田:本当にいい加減に生きてますからね……(笑)。
阿部:いや、まあ……“良い加減”にしましょう(笑)。でも、それって本当にすごく大事なことなんです。どうしても置きにいっちゃうんですよね。「これですか?」みたいな感じで。
それよりも、「俺はこう思ってる」というものがバーンと来たほうが、やっぱり「おっ」となるのは間違いないし、個性が出る。でも、それがどうしても難しくなってしまう時がある。「正解は何ですか?」という人が結構多いので、「それはお前の中にあるよ」という感じなんですけど。
山田:確かに、それは強いかもしれないな。
阿部:俺もそれが欲しいです。
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