8月終わりの風物詩「セミファイナル」に衝撃の事実判明 有識者は「ファイナルではない」と説明
「セミファイナル」の名で恐れられているセミたちの決死の特攻。セミの有識者は「死にかけどころか元気な状態」と説明する。
日本の夏といえば、祭りに花火にかき氷。そして忘れてはならない「セミの鳴き声」である。
今回は、多くの日本人が誤解しているであろう恐怖の事象「セミファイナル」の本質について再度紹介したい。
いつしか人々はそう呼ぶように...

通常、セミファイナルというとスポーツの大会などにおける「準決勝」を意味するが、現在は路上のセミが突然仕掛けてくる「特攻」を指す際に使用されることが多い。
「セミ爆弾」の別名でもお馴染みのセミファイナルは強烈なインパクトを秘めており、道を歩いていたら地面にひっくり返っていたセミが突如暴れ出し、度肝を抜かれた...という経験は、日本人であれば誰しも覚えがあるだろう。
この時期は被害が続出
ネット上にはほぼ毎日のように「セミファイナル喰らって心臓飛び出るかと思った」「道端のセミファイナルが本当にスゴい」「家出た瞬間に遭遇するのはやめてほしい...」といった声が上がっており、やはりセミファイナルに頭を抱えている人は少なくない模様。
もう人類は夏の期間、外出する際はセミの顔色を伺いながらビクビクと慎重に歩を進めるしかないのか...と思わず絶望してしまいそうになるが、まだ人類にも反撃の目は残されているはず。
そう確信した記者は今回、とある男性にセミファイナルの対抗手段を伝授してもらうことに。
「セミファイナル」は誤りだった?
取材を快諾してくれたのは、「日本セミの会」に所属する幹事の三好さん。なお今回は「会全体の意見」でなく、いちセミ好き「個人の意見」としてセミファイナルに関する私見を語ってもらった。
早速「セミファイナル」という言葉に抱く印象を尋ねてみると、「自然科学的には間違った見解と言えます」という回答が。恐らく多くの人が、地面にひっくり返ったセミを見て「死にかけ」と認識していることと思うが、三好さんは「単にセミが地面に仰向けとなっている状態で人の気配に驚いて急に飛び立った、ということは明らかに元気に生きている証拠です」と冷静な分析を見せる。
仰向けになった理由に関しては「とまる木などが近くになく、不時着したものと考えます」と説明し、「したがって『セミファイナル』でなく、『セミグレートコンディション』と呼んでも過言ではないかもしれません」と、目を細めながら語ってくれた。
なお「セミファイナル」という呼称が定着した理由についても、「セミの命は1週間、という概念と『仰向け=死んだ』という勘違いのもと、急に飛び立つ姿を目撃して『最後の一幕』(ファイナル)と憶測し、こうした呼び名が生まれたと推測します」とコメントしている。
ちなみにセミの成虫の寿命は、1週間どころか3週間から4週間になるそうだ。
セミファイナルの回避法を聞いた
セミの特攻に関するロジックが判明したところで、具体的な対抗策について尋ねたところ「仰向けの体勢になっているセミを観察して、足が開いている=生きている可能性がある、足が閉じている=死んでいる可能性がある、と推測できます」という回答が。
道端でセミを発見した際は、真っ先に足の状態をチェックしておこう。
と、ここまで「対抗策」などという表現を使ってしまったが、突然の特攻や大きな鳴き声に驚かされるケースはあるものの、個人的に「セミ」という存在は、日本の夏を味わい深くするのに欠かせない、重要なピースの一つと感じている。

三好さんも、「夏の夕暮れにカナカナ...と鳴くヒグラシは人々に涼しさと安堵を届け、8月下旬に最盛期を迎えるツクツクボウシは、夏休みもそろそろ終わりであることを子どもたちに知らせる...など、セミは鳴き声によって人々に季節の豊かさを感じさせてくれる、身近で欠かせない存在だと思っています」「人と寄り添いながら生きる一つの昆虫として、ともに季節を送り、親しむ間柄であってほしいと願います」と、セミならではの魅力や風情についてしみじみ語ってくれた。
「セミファイナル」という言葉からセミに対して悪い印象を抱いていた人も、一度セミたちの鳴き声にのんびり耳を傾けてみてはいかがだろうか。
※本記事は2021年8月12日に公開された記事を再編集して公開しています。
執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ)
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