藤田シオンが33歳で選んだ“終わりの場所” バンド『大大嬢』に懸ける「美しく生きて、美しく死ぬ」
アイドル卒業からわずか1年で、体重は30キロ以上増加。ところが、開き直って投稿した“自虐写真”が大バズりし、フォロワーは10万人以上増えた。現在はインフルエンサーとして活動しながら、今夏にはバンド「大大嬢」の始動も控える藤田シオン。アイドル時代には「青たぬき」「ブルーぽんぽこ」と呼ばれた彼女は、30キロ以上の体重増加をどのように受け止め、人生をどう変えていったのか。“祝福された肉体”とともに生きる現在地を聞いた。(前後編の後編)
――いよいよ今夏、バンド「大大嬢」の活動がスタートします。現在はどんな毎日を過ごしているのでしょうか?
藤田 夏中には活動がスタートするので、今はその準備と楽曲制作を進めています。それと並行して、インフルエンサーとしての活動や、ファンの方とのイベントもやらせていただいています。
――バンドのコンセプトを改めて教えてください。
藤田 大大嬢は、「美しく生きて、美しく死ぬ」ことを目標にしているバンドなんです。「大往生」という言葉がありますけど、まさにそれがコンセプトになっています。メンバーは、このバンドで売れなければ、バンドを辞めることになってしまう。私も33歳ですし、全員にとっての「終わりの場所」として選んだのが大大嬢なんです。かっこよく生きて、かっこよく終える。その目標に向かって、ファンの方と一緒に「美しく生きる」という哲学を追求していきたいと思っています。
――アイドルでもインフルエンサーでもなく、バンドを選んだ理由は?
藤田 もともと私が芸能活動を始めたきっかけは、エッセイを書くような文化的な活動も視野に入れたタレントになりたい、と思ったことだったんです。アイドル活動は2023年に終わったんですけど、その後も活動者として、ただ消費されて終わってしまうことが、自分の中でどうしても消化しきれなくて。ずっとくすぶっている思いがありました。
そんな中で、今プロデューサーとしてお世話になっている方から、「シオンちゃんがやりたいことを全部叶えるためには、バンド活動をやったほうがいい」と言っていただいて。「ぜひやらせてください」と。それで大大嬢の活動がスタートしました。
――「やりたいことすべて」には、どんなことが含まれるのでしょうか?
藤田 エッセイのような文化的な活動をする場合って、何かしら肩書きがないと難しかったりするじゃないですか。私はどちらかというと成長型のコンテンツなので、まずバンドという基盤があったほうが動きやすいんです。歌という商品があって、そのおまけでトークも聞きに来てもらって、そこから私のことを好きになってくれたらいいな、という狙いもあります。そういうことを総合的に考えて、もう一度、音楽や芸能の道に戻ろうと思いました。
――作詞はどのように進めるんですか?
藤田 結構くねくねしていますよ(笑)。音源をいただいてから、しばらく「どんな感じにしようかな」と考え続けて、あるとき突然、覚醒するんです。スーパーからの帰り道に歌詞がバーッと思いついて、止まらなくなるんですよ。家に帰りながらiPhoneにずっとメモして、お風呂でドライヤーをかけながら、またメモして。そうやって曲ができました。本当に自己流なんですけどね。
――その言葉たちは、どこから生まれてくるのでしょう?
藤田 私、結構メモ魔なんですよね。思いついたフレーズとか、「こういうことって共感されそうだな」ということを書き留めておいて、あとで見返して「これは何かになるかも」と考えるんです。「生きることすべてがコンテンツ」が藤田シオンなので、日常のどこに何が散らばっているかわからない。だからこそ、常にアンテナは張っていますね。
――エッセイの作風についても聞かせてください。
藤田 藤田シオンのエッセイは、ファンタジーではなくて、写実主義というか。実際にあったことを、そのまま書いているような作風なんです。普段思っていることを、クッキー生地みたいに引き伸ばして、引き伸ばして、作品にしている感じですかね。ただ、思想ばかりだと読む方も疲れてしまうので、ちょっとアホっぽいエッセイも時々書いています。
たとえば、うちのパパが家族団らんの時間に、「僕たちは質素な生活を心がけていて、ゆで太郎のクーポンをこんなに持っている。ホテルも安いときに予約する。でも、お得に過ごした分、パチンコ屋に行って負ける」みたいなことを言っていて。それがおもしろすぎて、エッセイにしたり。「つまんないのがおもしろい」というか、「何か起きそうで、何も起きない」ことを大切にした作品も生み出していますね。
――大大嬢では、どんな景色を見たいですか?
藤田 大大嬢はロックバンドではあるんですけど、「志」をすごく大切にしているバンドなんです。真面目な人や、いい人って損をするとか、今って本当に冷笑の時代だと思うんですよ。そんな中で、大大嬢と一緒に「自分の美学を貫き通すことのかっこよさ」を体感してもらって、「自分も美しく生きよう」と思っていただけたらいいなと思っています。もちろん、大きな会場でライブをしたいという思いもあります。でも、一番の目標は、リスナーさんが新しい自分に出会える、「人生を変えるバンド」になることですね。
――では最後に、5年後はどんな自分でいたいですか?
藤田 何歳になっても応援していただける活動者でありたいと思っています。5年後は38歳ですけど、「38歳だからどう」と年齢に負い目を感じるのは、私が一番やりたくないことなんです。「今が人生で一番輝いている日よ」と、何歳になっても言い続けたい。それで、ファンの方にずっと元気を与えられたらいいなと思っています。
▽藤田シオン(ふじた・しおん)2021年にレッスン生として芸能活動を開始し、2022年にアイドルグループの一員としてデビュー。2023年の卒業後はインフルエンサーに転身し、体型の変化を前向きに発信するスタイルで国内外から支持を集める。今夏、バンド「大大嬢」のメンバーとして音楽活動を本格始動する。
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