イコラブ最終審査で落選…蒼乃爽が見つけた「演じることが得意なコスプレイヤー」の道
コスプレイヤー、舞台役者、被写体モデルと、多方面で活動する蒼乃爽。その表現の原点は、3歳から20年近く続けてきたバレエにあった。アイドルグループ「=LOVE」のオーディション最終審査での落選、某テーマパークでのキャスト経験──。さまざまな挑戦を重ねながら、泣き虫だった少女が"表現者"として歩み始めるまでを聞いた。(前後編の後編)
――コスプレや舞台など、さまざまな表現活動をされていますが、その原点はどこにあるのでしょうか。
蒼乃 3歳の頃からずっとバレエを続けていて、気づけばもう20年くらいになります。物心がついた頃には舞台に立つことが当たり前だったので、「表現する」ということは特別なものではなく、ずっと生活の一部でした。「これがやりたい」と強く思ったというより、自然とそこにあったものですね。
――バレエの経験は、現在の活動にも生きていますか。
蒼乃 すごく生きています。バレエって、一言もしゃべらないんですよ。悲しいとか嬉しいとか、全部を指先や体の動きだけで表現します。それってコスプレにも通じる部分がありますよね。今お話しながら、「あ、だからなんだ」って腑に落ちました(笑)。体で表現することに抵抗がないのは、バレエが原点だからかもしれません。
――昔から人前に立つことは得意だったんですか。
蒼乃 全然です(笑)。子どもの頃は泣き虫で、おとなしくて、少人数でゲームをしているようなタイプでした。どちらかというと、内向的な子だったと思います。
――そこから変わるきっかけはあったのでしょうか。
蒼乃 小学校5、6年生のときに出会った先生の存在が大きかったですね。1クラス20人ほどの少人数だったんですが、「やりたいことがあるならやってみよう」と背中を押してくれる先生だったんです。それで思い切って学級委員に立候補してみたら、自分でも驚くくらい性格が変わっていって。内側に向いていた気持ちが、一気に外へ向くようになりました。
――その経験が、表現の世界を目指すことにもつながったのでしょうか。
蒼乃 そうですね。高校生のときには人生の転機になる挑戦もしました。「=LOVE」さんのオーディションを受けて、最終審査まで進んだんです。
――最終審査まで! メンバーになっていた可能性もあったんですね。
蒼乃 そうですね(笑)。当時は声優を目指していて、「声優アイドル募集」という言葉に惹かれて応募しました。軽い気持ちで受けたんですが、書類、配信審査と進んで、気づいたら最終審査まで残っていて。でも、最後は落ちてしまいました。
――その悔しさは大きかったですか。
蒼乃 一緒に受けていた子たちが今も第一線で活躍している姿を見ると、「私ももっと頑張りたい」と思うんです。その悔しさが、「もっと演じたい」という気持ちにつながりました。それが今でも一番の原動力ですね。だから大学には進学せず、声優の養成所で演技を学ぶ道を選びました。それと同時に、「やりたいことは全部やろう」と決めて、高校卒業後は養成所へ通いながら、某テーマパークでアトラクションキャストとしても働いていました。
――行動力がありますね。テーマパークではどんなことを学びましたか。
蒼乃 一番学んだのは、「一人でも多くのお客さんに楽しんでもらいたい」という気持ちです。毎日、本当にたくさんの人が目の前を通るんですが、中にはテーマパークが苦手な方もいるかもしれません。それでも少しでも笑顔になって帰ってほしい。その思いがダイレクトに伝わって、反応も返ってくる環境だったので、本当に貴重な経験でした。
――では、辞めることになった理由は?
蒼乃 本当はずっと続けたかったんです。でも1日8時間ずっとしゃべる仕事だったので、喉を壊してしまって。声優の勉強にも支障が出始めたので、泣く泣く辞めました。
――さまざまな経験をされてきましたが、今一番自分に合っていると感じる活動は何ですか。
蒼乃 難しいですね……。でも、今は被写体モデルかもしれません。撮影会って1対1や1対2でお話する時間が多いので、テーマパークで培った「相手に楽しんでもらいたい」という気持ちがすごく生きるんです。自分の表現が、そのまま相手の楽しさにつながる。それが分かりやすくて好きですね。
――しっかり者という印象を持たれることも多いのでは?
蒼乃 すごく言われます(笑)。でも実際はかなりポンコツで、特にスケジュール管理が苦手なんです。疲れやすいって分かっているのに、「この日も撮影、この日も撮影」と予定を詰め込んでしまって、結局パンクして熱を出す、ということを繰り返していました。
――それは心配になりますね。
蒼乃 今年の3月くらいまでは、本当に月に1回くらい熱を出していました(笑)。さすがに反省して、「ちゃんと休める大人になろう」と思って、今は少しずつ改善できています。
――落ち込んだときは、どうやって気持ちを切り替えるのでしょうか。
蒼乃 ベッドの中で思い切り泣きます(笑)。オーディションに落ちたときも、SNSが思うように伸びないときも、とにかく泣く。翌朝、目が腫れていることもよくあります。
――そうやって乗り越えてきたんですね。最後に、これからどんな表現者になりたいですか。
蒼乃 まだ「何者になりたいか」は模索中なんですが、コスプレイヤーはたくさんいるので、私は"掛け算"で勝負したいです。舞台もできる、演じることも得意、モデルもやっている。その全部を持った表現者になりたい。「演じることが得意な蒼乃爽」と言ってもらえるようになりたいですね。
――今後の目標も教えてください。
蒼乃 海外のイベントが本当に楽しかったので、海外のお仕事はもっと増やしていきたいです。それから、もっと大きな舞台にも立ちたい。これからもいろいろな場所で表現を続けていきたいと思っているので、ぜひ応援していただけたらうれしいです。
プロフィール▽蒼乃爽(あおの・そう)7月31日生まれ、神奈川県出身。身長163センチ。コスプレイヤー、舞台役者、被写体モデルとして活動。3歳から続けるバレエで培った表現力を武器に、国内外のイベントに出演する。特技はバレエと「どこでも寝られること」。アスリートフードマイスターの資格も持つ。
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