荷物配達の3分で「駐車違反」貼られた配送業者に「不憫すぎる」の声 警視庁に「道交法の認識」聞いた
マンションへの置き配で車を2〜3分ほど駐めた運送業者が駐車違反と認定され、「おかしくない?」と話題に。警視庁は「配送業に特化した、荷物の積み下ろしに関する停車ルールの具体的法令は存在しない」と、説明する。
オンラインでの買い物が主流となった現代では、配送業は重要なインフラのひとつ。
しかし以前X上では、こうした運送業者の置かれた状況に「おかしくない?」と、疑問の声が多数上がっていたのだ。
「駐車違反」扱い受けた業者が「見直しを求めます」
注目を集めていたのは、東京23区、横浜、千葉を中心に展開する運送会社「ハコビトグループ」のXアカウントが投稿したポスト。
「嘘でしょ」「今日の日当飛びました」という書き出しから始まる投稿には、「駐車違反」の黄色い用紙(放置車両確認標章)が貼られた車のフロントガラスの写真が添えられている。
https://twitter.com/hakobitogroup/status/2042469903907897472?s=46&t=SCGX5W8iJ2iZQmbToEGxTQ
警察官の説明や当時の様子については、「5分以内の積みおろしは配送には適用しないと言われました。マンションに置き配していた2〜3分の出来事です」「駐車監視員がまだ居たので、説明しても無駄でした。こんな事が続くと、配送自体が難しくなります。見直しを求めます」と、説明されていた。
「もっと取り締まることあるだろ」と疑問の声

当該のポストは瞬く間に話題となり、Xユーザーからは「これ、法律を変えてほしいですね。宅配業者は、最低でも10分まで駐車違反にならないとか」「真面目に働いている配送業者が不憫すぎる」「こうなると、もう配送を断るケースも出てきそう」といった同情の声が多数寄せられていた。
また、「インフラを潰してまで小遣いを稼ぎたいのか」「こんなことより、もっと取り締まるべきことがあるだろ」「物流を壊したいんだろうか」など、監視員に対する疑問の声も多数確認できている。
そこで今回は、配送業者が置かれている現状について、警視庁に詳しい話を聞いてみることに。
「5分以内であれば停車」は誤り?
今回の取材に際し、警視庁 広報課は「道路交通法第2条第1項第19号において、『停車』の定義として『車両等が停止することで駐車以外のものをいう』と規定されています」と、説明する。
「荷物の積み下ろし」に関する停車については、道交法第2条(定義)第1項第18号の「駐車」に関する定義規定の中に要件として、「貨物の積卸しのための停止で五分を超えない時間内のもの(中略)を除く。」と規定されており、貨物の積卸しのための停止が5分を超えない場合には「停車」の該当性を検討することになるという。
つまり平たく言えば、荷物の積み下ろしの時間が5分未満であれば「停車」が検討され、5分を超えた場合は「駐車」と定義されるワケである。
恐らく今回、そして今この瞬間も全国各地で配送業者が不満を感じているのが「荷物の積み下ろしの時間が5分未満であれば『停車』が検討される」という部分だろう。
5分以上の積み下ろしは問答無用で「駐車」だが、5分未満の積み下ろしはあくまで「停車が検討される」に過ぎず、確定事項ではない。そして、たとえ1分であっても車から離れて「すぐ運転できない状態」であれば、これは「駐車」扱いとなる。
また、読者諸君の中にも「明らかに5分を超過しているが持ち主がイカつそうな車」をスルーし、大人しそうなドライバーや運送会社の車に優先して放置車両確認標章を貼っている...といった監視員の裁量を感じたり、実際に目撃した経験がある人がいるのではないだろうか。
警視庁「配送業の積み下ろしに特化したルール無い」
道路上の「停車」に関するルール・禁止事項は、主に道路交通法第3章第9節「停車及び駐車」(同法第44条~第50条)、および第9の2「違法停車及び違法駐車に対する措置」(同法第50条の2~第51条の15)に定められているという。
こちらを踏まえ、警視庁の担当者は「これらのルール・禁止事項は、配送業者の車両であるか、他の一般車両であるか、によって変わるものではありません。このため、配送業に特化した『荷物の積み下ろし』に関する停車のルールの具体的該当箇所はございません」と、説明していた。
配送業者が文字通り、24時間365日稼働している現代。果たして、道交法が配送業者に寄り添う日は来るのだろうか。
執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。
(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)
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