小瀧望「うま-馬に乗ってこの世の外へ-」メインビジュアル(提供写真)

WEST.小瀧望主演舞台「うま-馬に乗ってこの世の外へ-」日本初演決定 原作は井上ひさし氏【コメント】

2026.03.23 04:00

WEST.小瀧望が主演を務める舞台「PARCO PRODUCE 2026『うま-馬に乗ってこの世の外へ-』」の上演が決定。7月8日~28日に東京・PARCO劇場、8月6日~12日に大阪・SkyシアターMBSにて上演される。


「うま-馬に乗ってこの世の外へ-」日本初演決定

「うま-馬に乗ってこの世の外へ-」出演キャスト(提供写真)
「うま-馬に乗ってこの世の外へ-」出演キャスト(提供写真)
2022年3月、人気番組「開運!なんでも鑑定団」(テレビ東京系列)を通して発見された戯曲『うま-馬に乗ってこの世の外へ-』は、井上ひさし氏が、「井上ひさし」を名乗る前、1959年、24歳の時に執筆した作品。東北の民話「馬喰八十八」をベースにし構築された本戯曲は、後の井上氏の名作群にもつながる創意に満ち、若々しい筆の勢いと生命力に溢れている。

マレビトである主人公・太郎は、病身の母親と馬を一頭連れて村にやってくる。太郎は、馬地主をはじめとする村の男たちを騙し、彼らの金をとことん巻き上げていく。そして出会う女は全て虜にして捨てる。自らの弁舌と才覚だけを信じ、信仰も否定し、胸がすくほどの極悪ぶりで、閉鎖的なムラ社会と常識を破壊していく。演出は、パルコ・プロデュース『ラビット・ホール』と東宝ミュージカル『ラグタイム』で23年度読売演劇大賞の最優秀演出家賞と大賞に輝いた藤田俊太郎氏。戯曲の本質と構造を的確に捉えて演出を組み立てる藤田氏が、井上氏の原点とも言える本戯曲を、現代的な視点から大胆に創作する。

小瀧望、戯曲に挑戦

悪の魅力がきらめく主人公・太郎は、人気グループWEST.として活動する小瀧が演じる。『エレファント・マン』で20年度読売演劇大賞・杉村春子賞を受賞、2025年の『梨泰院クラス』でも高い評価を得た小瀧が、初めて井上戯曲に挑戦する。出演にあたり、小瀧は「初めての井上ひさしさんの作品が、まさか日本初演のものになるとは思ってもおらず、本当に人生なにがあるか分からないなと感じております。そして、いつかご一緒したいと思っていた藤田さんとご一緒できることも、僕にとってこの時点で感無量です」と喜びをコメントしている。

太郎に翻弄される村人たちにも個性豊かな実力派俳優が集結。峠の茶屋のおかみ・お京には、凛とした佇まいと繊細な感情表現で観客を引き込む音月桂。太郎に言い寄られているうちに、いつしか慕うようになる世間知らずの村娘・ちかには、ミュージカルに加え、ストレートプレイでもしなやかな存在感を示す加藤梨里香。ちかの養父であり、太郎を目の敵にする村の権力者・松左エ門は、人間の悲哀をにじませる演技を持ち味に、舞台・映像を横断して活躍する安井順平がPARCO劇場初登場で務める。太郎の盲目の母役には、井上氏の作品に数多く出演し、確かな説得力で作品世界に奥行きを与える梅沢昌代。さらに、大鶴佐助、小松利昌、小林きな子、小柳心、尾倉ケント、森加織が可笑しくも哀しい人間模様を繰り広げる。

半世紀前、井上氏はPARCO劇場(当時の名称は西武劇場)に『藪原検校』(1973)、『天保十二年のシェイクスピア』(1974)、『雨』(1976)といった大傑作を書き下ろした。2026年、パルコ・プロデュース公演として、『うま-馬に乗ってこの世の外へ-』が初演を果たす。(modelpress編集部)

小瀧望コメント

この度、太郎役を務めさせていただきます。初めての井上ひさしさんの作品が、まさか日本初演のものになるとは思ってもおらず、本当に人生なにがあるか分からないなと感じております。そして、いつかご一緒したいと思っていた藤田さんとご一緒できることも、僕にとってこの時点で感無量です。太郎という役は、徹底的に強情で薄情で、気持ちいいくらい自分中心に生きているひどい人なのですが、その迷いのない生き方に、最後にはなぜか憧れすら感じてしまいました。自分自身も全く知らない自分に出会えると確信しています。午年に、「うま」という舞台に挑戦できるという奇跡そして運命も感じています。ぜひ劇場で体感してください。

音月桂コメント

初めて戯曲に触れたとき、どの登場人物にもすぐには感情移入できなかったのを覚えています。けれど、だからこそ真正面から向き合ってみたくなったのが本心です。作品のこと、演じる役のことに想いを巡らせれば巡らせるほど怖さもありますが、演出の藤田さんや共演する皆さま、お客さまを信じて、この生命力あふれる戯曲の中に全身全霊で身を投じたいと思っています。劇場でお待ちしております。

加藤梨里香コメント

井上ひさしさんの作品に出演すること、パルコ劇場に立つこと、演出の藤田俊太郎さんとご一緒すること。全て、いつかは…と願っていた目標でした。しかも自分が井上作品の初演に出演できるだなんて。あまりにも私の夢叶えたろかスペシャルです。この舞い上がる気持ちと有難い気持ちを忘れず、気が強くて可愛らしいちかを魅力的に生きられるよう、力を尽くしたいと思います。そしてなんといっても、今年はうま年。この作品を上演するには、観るには、うってつけの年です。劇場でお待ちしております!

大鶴佐助コメント

井上作品に出たいと常々思っておりましたが、初上演作品に出られるとは考えたことすらありませんでした。作品が紙面から自分達の身体を通して初めて具現化される。産声なのか、馬のいななきなのか、今からとても楽しみです。

小松利昌コメント

転校が苦手だった。知らない場所知らない人の中でイチから関係を築くのに毎度辟易していた幼少期。対して本作の主人公は、機転と巧みな言葉と度胸で新天地を逆に引っ掻き回し、先住の民を思うままに誘導する。私とは真逆の彼に憧れを抱く。そして他の登場人物も全員、ずるがしこい我々が普段蓋をして隠しているものをそのまま表に出している。自分では決して辿らない思考を巡らせ、更に「性格悪い奴」に合法的になれるのが演劇の面白さで、本作品はまさにそれ。まもなく新たな演劇の現場に転校する。でも全員が転入生だから不安はない。楽しみ、とても楽しみ。

小林きな子コメント

井上ひさしさんの作品が大好きです。この戯曲が見つかって、テレビ番組でお宝として鑑定された時も、とびきり心が躍りました。まさか自分がそのお宝作品に参加できる日がくるなんて、夢のようです。あの手この手でみんなを翻弄する主人公と、あれやこれやと振り回されっぱなしの村人たち。人間ってさぁ、そうなんだよねぇ…わかる!わかる!と何度も頷きました。皆さんと是非とも劇場で、この気持ちを分かち合えたら嬉しいです。

小柳心コメント

マレビトとして現れた主人公が、“金を生む馬”という人々の欲望を刺激する存在を携えて共同体に入り込み、その欲望そのものをあぶり出していく。この構図に強く現代性を感じました。1959年に書かれた作品でありながら、いまの社会や世界に置き換えても十分に響く作品はやはり名作であると藤田さんが言っていたのを思い出します。この本がどうやって立体化するのか。楽しみです。

安井順平コメント

井上ひさしさんの未発表戯曲で演劇をつくれる喜びを噛み締めています。なにしろ「初めて」というのがいい。長年上演され続けている名作の再演や古典ももちろん素晴らしいのだろうが、0から雛形をつくれる自由さや、無限の可能性から創作できる楽しみには敵わない。作品を真ん中に置いて、あーでもないこーでもないと現場で思いっきりつくるのを楽しみたいと思います。

梅沢昌代コメント

タイムスリップして、 24歳の井上(ひさし)さんとお会いしているようで、すごく不思議な感じがします。井上さんはお亡くなりになりましたが、また新作に久しぶりに出られるなという気持ちになっています。演出の藤田(俊太郎)さんとは長い付き合いなのですが、きっと面白いことを発想してくれると思うので楽しみにしてます。残酷なシーンがたくさん出てきますけれども、見終わったお客様がむしろ元気になってくれるような作品になればなと思っています。楽しみにしていてください。頑張ります。

演出:藤田俊太郎氏コメント

『うま』との奇跡的な出会い、この作品を演出できる喜びで胸がいっぱいです。私に流れる東北人の血を漲らせ、言葉のうつくしさ、言葉のこわさに魂を込めて向き合っていきたいと思います。作品のベースとなる佐々木喜善さん著『聴耳草紙』馬喰八十八を始め、東北地方の民話には忘れられない日本人の原郷があり、井上ひさしさんの戯曲はいつも新しく、時をこえ私たちに今を生きるあらたな光を与えてくれます。小瀧望さんの輝きと悲哀あふれる稀代のピカレスク。音月桂さんのおそろしいうつくしさ、加藤梨里香さんの純真と叙情、大鶴佐助さんの聖と猥雑、小松利昌さんの人間の営みの情感、小林きな子さんの滑稽さと可愛らしさ、 小柳心さんの愉快とパッション、尾倉ケントさんの力強さ、森加織さんのゆたかさ、安井順平さんの疾走する業とユーモア、梅沢昌代さんの母性とやさしさと芝居の深さ。そしてスタッフ、カンパニー一丸となり、懐かしく愛おしくあたらしい趣向を凝らした演劇を大切なお客様にお届け致します。

公演概要

【東京公演】
日程:2026年7月8日(水)~7月28日(火)
会場:PARCO劇場(渋谷PARCO 8F)

【大阪公演】
日程:2026年8月6日(木)~8月12日(水)
会場:SkyシアターMBS
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