「じぞ恋」心掴まれた“無言シーン”3つ 上野樹里・田中圭・磯村勇斗らの表現力&時間の贅沢使いで成立した名場面
2022.05.25 12:12
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女優の上野樹里が主演を務めるTBS系ドラマ「持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~」(毎週火曜よる10時~)。今回は、視聴者の心を掴む理由の1つとなっている“無言シーン”を3つ紹介する。<※ネタバレあり>
上野樹里主演「持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~」
本作は、上野演じるヨガインストラクターの主人公・沢田杏花が、松重豊演じる妻に先立たれた父・林太郎と共に、父娘2人で婚活にチャレンジする物語。バツイチのシングルファーザーで7歳の息子と2人暮らしをしている会社員・東村晴太を田中圭、晴太の息子・虹朗も通う民間英語学童保育の指導員で、杏花と18年ぶりの再会をした幼馴染・不破颯を磯村勇斗が演じており、杏花を取り巻く三角関係にも反響が寄せられている。
モデルプレスの「今期最もハマっているドラマ」ランキングでも3位にランクインするなど、視聴者の心を確かに掴んでいる同作。登場人物の繊細な心の機微をしっかりと描いており、心温まるストーリーに癒されている人が多い。
夕日に照らされる杏花&晴太…ピアノ劇伴が視聴者を癒す
第3話では、自宅の水漏れのため一時的に沢田家に住むことになった颯の引っ越しを晴太も手伝うことに。ひと段落ついた後、自宅に2人きりになった杏花と晴太。杏花が紅茶を入れると、晴太は「正直毎日しんどいことの方が多くて。時間も体力も虹朗に奪われるばっかりで」と吐露。続けて「ただときどき、心がふわっとする瞬間があって。奪われているようで、何かもらっているみたいな…」と虹朗の存在の大きさに触れると、杏花はそんな晴太に微笑みかけるのみで何か言葉を返すことはなかった。
目を合わせた2人は同じタイミングでティーカップを手に取り、無言で紅茶を飲む。穏やかなピアノベースの劇伴が流れる中、夕日に照らされるリビングでの2人の無言シーンは約40秒続いた。
その後、「虹朗が幸せならそれでいいって決めたのに、結局自分なんですよ僕。自分を捨てきれない」と漏らす晴太に、杏花は「良いお父さんなんですね」と1日ともに過ごして思ったことを正直に伝え、2人の間には温かい時間が流れるのだった。
杏花&颯、1分間背中固定アングルの大胆演出
第4話では、颯が母親からの着信を無視し続けていたことが明らかに。母親は颯が高校生の時に出て行ったが、颯が帰国後に会ってからしつこく連絡が来ていた。颯は杏花に「話したくなかったんだ、お母さんと」と本音を明かす。その後ソファーで杏花の隣に座った颯は彼女に感謝を伝え、約20秒間の無言の後「一緒にダラーンってしてもいい?」と尋ねる。「いいよ」と返す杏花を抱きしめるのを躊躇し、ポスンと杏花の肩に頭を埋めるのだった。
ソファーに座る2人はほとんど背中のみの固定アングルで表情が映ることはなく、この大胆な演出をしたシーンは約1分間にも及んだ。
晴太、杏花に告白 焚火の音だけが鳴り響く
第6話では、学童のキャンプイベントが開催。夜に焚き火の前で杏花と2人きりになった晴太は、ついに「結婚を前提とせず僕とお付き合いしてもらえませんか?」と告白。躊躇する杏花に、虹朗のことは自分でなんとかするといい、「無責任になるってことじゃなくて結婚から自由になったお付き合いしていただけませんか?」と説得。「ただ好きっていうだけで付き合うのはダメですか」「手を繋ぎたいんです、杏花さんと。繋がれたくないんです、他の人に」と素直な嫉妬心をむき出しにすると、杏花も「私も…」と頷き、マグカップを握りしめていた手を差し出した。
晴太の本音から杏花が手を差し出すまでは約40秒間沈黙が続き、その間は焚火のパチパチという音だけが響いていた。
「じぞ恋」キャスト&制作陣の信頼関係で成り立つ名場面
連続ドラマでは視聴者を逃さないためにも、限られた放送時間内でのカット割りや1秒1秒がとても重要となるが、あえて無言の時間を作ることでキャラクターの心情を丁寧に描いている制作陣。さらにそれをキャストたちが言葉を発さずとも気持ちが伝わってくる高い表現力で演じ切り、より魅力的に仕上がっている。制作陣が上野らの演技を信頼し、また彼女たちが見事にその期待に応えるからこそ完成した名場面だ。第6話のラストでは、杏花と晴太が結ばれたことを知った颯が「お世話になりました」と書き置きを残し沢田家を後に。今後の三角関係はもちろんのこと、細やかに描かれたシーン1つ1つに注目したい。(modelpress編集部)
情報:TBS
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