A.B.C-Z戸塚祥太、過酷な“拷問”稽古中のバレンタインチョコにほっこり「2個ゲットできました」【真夜中に起こった出来事】

戸塚祥太、過酷な“拷問”稽古中のバレンタインチョコにほっこり

若きユダヤ人弁護士ハンス・リッテンを演じる戸塚は、その母、イルムガルド・リッテンを演じる高橋と初共演。拷問シーンもあり、舞台鑑賞をするファンは胸が痛くなるのではと聞かれると、戸塚は「ファンの方と僕たちの関係性はそれだけ深い絆で結ばれていることにもなる」と答え、高橋は「それでもハンスは屈しない。どんな拷問を受けても自分の意志を通すというところが私の誇り」と“母”目線でコメントした。

西岡いわく、劇中は「笑顔が生まれない」ため、「稽古場は明るくやらせてもらいました」といい、戸塚は「2月いっぱいが稽古だったので、2月14日の前日に、『明日も稽古があるぞ』とちょっとドキドキしていたんですね。チョコをもらえるかな、と（笑）。プライベートではもらえる確率が低かったので、せめてここで！と思ってちょっとドキドキしながら稽古場に行ったところ、チョコの中でも一番豪華なチョコがあって。恵子さんから」と高橋からバレンタインチョコをもらったエピソードを紹介。

高橋は「食べるものも食べられず…という過酷な芝居をやっていますので、ちょっとでもと思って」と気遣いを明かすと、戸塚は高橋のほかにヘアメイクからもバレンタインチョコをもらったようで、「今年は2個ゲットできました！ありがとうございます」とにっこり。高橋は「それを写真におさめているのを見て、そんなに喜んでくれるなんて…」と戸塚が喜ぶ姿に感激。当日は別仕事だった西岡は「だからあんなにチョコがあったんだ」と謎がとけた様子で、戸塚は「チョコパーティーでした」と微笑んでいた。

また、「恵子さんはセリフ量もやることも多いので、恵子さんにかかる負荷がとんでもない作品。だけどいつどんな時でも恵子さんは元気で『大丈夫、大丈夫』と前向きにすべてを持っていってくれる、母の大きな愛をくださって、僕の1ヶ月はそれで育ちました」と振り返った戸塚。そんな高橋は、“息子”の戸塚に対して「センスが良くて、最初と今ではまったく違うくらい成長がすごい」と評価し、西岡も「成長していく姿を見ているのはすごく楽しい。彼はセンスが良いし、ビビッドだし、頭の中もスマートだからとても理解力も早いし、それだけの俳優さんだなと思っています」と絶賛。2人からの言葉を受けた戸塚は、「…恐縮です！」と感謝していた。

高橋恵子＆戸塚祥太W主演「真夜中に起こった出来事」

イギリスの劇作家マーク・ヘイハーストによる本作は、2014年にイギリス・ミネルヴァ劇場で初演。開幕と同時に絶賛と反響を呼び、のちにウエストエンド入りを果たした。同年のオリヴィエ賞では主演のペネロープ・ウィルトンが主演女優賞を受賞、ジョン・ライトが助演男優賞にノミネートされるなど、高い評価を得た。

実在したドイツの弁護士ハンス・リッテンが1931年にヒトラーを証言者として裁判台に立たせたことが原因で、ヒトラーの逆鱗に触れ、彼がホロコーストに収容されるところから始まる。ものがたりはハンスを救い出そうと単身で乗り込んでいく母親イルムガルトの視点で描かれている。本作は家族側とゲシュタポ側の異なる世界を二重構成にすることで、環境が異なっても我々はみな同じ人間であるという視点を描きつつ、ホロコーストで現実に起きた悲惨な出来事が現代を生きている我々が直面している問題であることに気づかせる。

演出は気鋭の演出家・深作健太。ほか共演にはモロ師岡、畠中洋、松井工、生津徹、小日向春平らが名を連ね、ウエストエンドで話題をさらった人間の尊厳と善悪を描いた壮大な人間ドラマを描く。3月7日～3月17日まで東京・よみうり大手町ホール、3月22日～3月23日まで大阪・サンケイホールブリーゼにて上演。（modelpress編集部）

「真夜中に起こった出来事」ものがたり

1931年のベルリン。アドルフ・ヒトラー率いるナチ党は躍進中でした。そんな中、若きユダヤ人弁護士ハンス・リッテン（戸塚祥太）はある殺人事件の証人として、ヒトラーを約3時間の尋問で窮地に追い込み、反ファシズムの旗手としてその名を轟かせます。しかし2年後、ヒトラー内閣が成立。権力を握ったナチスはある夜、ハンスを「保護拘留」の名のもと、強制収容所に投獄します。ヒトラーは2年前の証言台での屈辱を忘れてはいませんでした。

そしてハンスの母親・イルムガルト（高橋恵子）は彼の逮捕を知った瞬間から、息子の釈放のため、すぐに行動に移します。ハンスは拷問され、侮辱されても決して屈しません。そしてイルムガルトもナチスの強大な力から息子を救うため、不屈の精神と情熱をもってヒトラーに立ち向かうのでした。