ジャニーズ関連営業利益を全額寄付 origami PRODUCTIONS対馬芳昭氏が声明
2023.09.12 16:40
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音楽レーベル・origami PRODUCTIONS、ASTERI ENTERTAINMENTを運営する株式会社FRAGMENTのCEO・対馬芳昭氏が12日、ジャニーズ事務所の性加害問題について声明を発表。ジャニーズ事務所から得た営業利益全額を寄付すると明かした。
origami PRODUCTIONS対馬芳昭氏、ジャニーズ会見受け声明
対馬氏はSNSを通して発表した声明にて「ジャニー喜多川氏による性加害、そしてジャニーズ事務所による隠蔽の問題が明るみになりました。取引先であり同じ音楽業界にいる私もこの件に向き合い、反省する必要があると強く感じております」と表明。ジャニーズ事務所とは、不定期であるものの「2014年から約9年間に渡り」取引があったことを説明し「弊社に残った営業利益は過去を遡ったところ、約86万円になります」と明らかにした。利益の内訳については「テレビ、ラジオの共演もありますが、ツアーバンドや楽曲アレンジに対する対価が主になります。(作詞、作曲、プロデューサー印税はありません)」としている。対馬芳昭氏「全く把握していなかったと言ってしまうと嘘になる」
対馬氏はジャニー氏による性加害問題について「『この件を知っていながら仕事をしたのですか?』という問いに対し、嘘偽りなく答えるのであれば『知っておりました』と言わざるを得ません」と告白。「生前ジャニー喜多川氏に会った事はありませんし、もちろん性加害の現場を見た事はありません。しかし、ネットなどを通じて過去に沢山の方々が被害を訴えている事は把握しておりました。取引先という近い距離だからこそ細かい部分まで把握していたという事はありませんが『全く把握していなかった』と言ってしまうとそれは完全な嘘になります」と打ち明けた。その上で対馬氏は、7日のジャニーズ事務所の記者会見を受け「『性加害の上に成り立っていた会社の繁栄の一端を担った』という事。そして逆に『弊社の繁栄の一部もジャニーズ事務所からの売上である』という事。また『被害を訴えている方々がいるのにも関わらず気を止める事なく利益を優先した』という事」という事実に「向き合う必要があります」と内省。
「クラスにいじめがある噂を聞いているが、それを誰にも報告する事なく静観する事は結果として加担している事になります」「大人である私は加担した側にいたという事を認識すべきだと考えております」とし「自分の利益や立場よりも抵抗できない子供達を守る事を最優先に考える、そして盲目的に強者の側に付き弱者の声を潰すという構造を改善する、日本がそういった社会へとアップデートしていくために必要なのは、一人一人が当事者意識を持つ事だと考えております」と付け加えた。
86万円全額を寄付へ
さらに「そのような考えから、私個人としてはこれまでの利益をそのままにしておく事はできない、という結論に至りました」とし、86万円全額を「子供の虐待や貧困に支援をおこなっている団体に寄付する事に決めました」と報告。最後には「長きに渡り被害に遭った方々の声を無視し、利益を優先した事に関してここで謝罪いたします。自分の身を守る事を優先した過去の自分を大変恥ずかしく思います。子供に対する性的搾取、性的虐待、マインドコントロール、グルーミングによって繁栄するような構造を問題として認識し、然るべき対応を取るよう自分自身に言い聞かせる必要があると感じております。また、自身の行動も省みて加害者にならないよう肝に銘じていこうと思います」と反省の弁を述べている。ジャニーズ性加害問題
ジャニーズ事務所は5月14日、元ジャニーズJr.で歌手のカウアン・オカモト氏がジャニー氏からの性加害を訴えていたことを受け、「当社創業者である故ジャニー喜多川による性加害問題につき、大きな失望とご不安を与えてしまい、心よりお詫び申し上げます」と謝罪。ジュリー氏による動画と文書を公開した。そして26日には、書面にて「心のケア相談窓口の開設」「外部専門家による再発防止特別チームの設置」「社外取締役」の3つの対策を発表。6月12日には事務所が新たに設置した「外部専門家による再発防止特別チーム」が会見を行い、その後8月29日に特別チームが調査報告書を公表。ジャニー氏のジャニーズJr.に対する性加害問題が事実だと認められたことを明らかにし、再発防止策として代表取締役社長である藤島ジュリーK.社長の辞任を提言していた。
その後、9月7日の会見で、ジャニーズ事務所は初めてジャニー氏の性加害があったことを認め謝罪。藤島ジュリー景子現社長の引責辞任、東山紀之の新社長就任を発表した。(modelpress編集部)
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