草なぎ剛、“職人魂”から刺激「やっぱり諦めちゃいけない」 MC番組「最後の○○」第4弾放送
2022.08.05 18:44
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草なぎ剛がMCを務めるNHK BSプレミアム・BS4K「最後の○○~日本のレッドデータ~『草なぎ剛が迫る最後の技術 第4弾』」が12日による10時より放送される。
草なぎ剛MC「最後の○○」第4弾放送
唯一無二の職人の技、その地域だけにつたわる伝統の味。いま、日本には人知れず消えつつある数多くの「最後の○○」がある。今回登場するのは、土俵、大銀杏、のぼりなど、国技を陰で支える職人、伝統工芸に輝きを与える炭職人。同番組では、MCの草なぎが「最後の○○」に光を当て、不屈の信念や生きざま、知られざる価値に迫る。
最後の「大相撲の道具職人」 彼らがいなければ国技が土俵際に?
いま、大相撲を陰で支えるさまざまな道具が絶滅の危機に瀕している。力士のまげを結うために使う「すき油」。独特のツヤと粘りは島田陽次さん(49)しか生み出すことができない。「土俵のわら」を作る職人・酒井裕司さん(47)は、自ら開発した技術とこだわりで神聖な舞台を守る。のぼり職人の吉田稔さん(82)は手書きの文字に力士への思いを込める。第69代横綱・白鵬の宮城野親方のインタビューを交えながら、大相撲の伝統を守る職人たちの信念に迫る。
最後の「駿河炭職人」“輝き”を生み出す職人が歩んだ苦節人生
伝統工芸・輪島塗をはじめ、工業用品、アート作品に輝きを与える研磨用の炭「駿河炭」。木の繊維がミクロのレベルで天然のおろし金となり、素材を傷めずに磨き上げる。最高品質で駿河炭を作る唯一の職人、木戸口武夫さん(62)。山奥に分け入り、希少な原木を切り出すことから始め、3日3晩泊まり込みで炭を焼く。30代で脱サラし、炭焼きの道へ。認められる駿河炭を作るまでには、苦難の道のりがあった。
ミニコーナー:絶滅危機にある飯「ゼツメシ」
いま日本各地に絶滅の危機にある郷土料理、ご当地料理が存在する。バタバタ茶(富山県朝日町)、重箱うどん(愛知県津島市)、潮かつお(静岡県西伊豆町)など、その知られざる食文化に迫る。(modelpress編集部)草なぎ剛コメント
今回の職人さんたちもすごく刺激的でした。自然の中で逆らわず、黙々と自分の作業を突き詰めている職人の方々に会うと、僕自身も前向きになれます。すぐに結果が現れるものではないところでコツコツやってる職人さんの姿は、番組を見てくださる方々の人生にも何かヒントになるんじゃないかなと思います。「職人魂」を皆さんも受け取ってください。― 「最後の○○」の収録も4回目ですが、いかがでしたか?
4回目は東京での収録でしたが、今回の職人さんたちもすごく刺激的でした。こんな方がいるんだと、楽しかったです。
― 相撲のお話はいかがでしたか?
日本の国技である相撲に関わる、あるモノがなくなってしまうのかと。もう職人の方がいなくなってしまい、今残っているものでやっていることも知らず、ちょっと考えさせられる部分がありましたね。お相撲さんは土俵に上がるまでさまざまな準備をして土俵に立っているんですね。これから相撲の見方も変わるんじゃないかな。びっくりしました。
― 相撲にちなみ、草なぎさんは「土俵際に立たされた」経験はおありですか?
今ですね(笑)。上手にコメントを言わなくちゃいけないというプレッシャーが。「最後の○○」の面白くて深い感じを分かりやすくどう伝えるか、土俵際に立たされている感じです(笑)。改めてすごい番組だなと思っています。
― 炭焼き職人の方のお話では、印象に残った言葉はありましたか?
職人の方は感謝の気持ちを忘れずに、すごいモノを作られています。もっと天狗になっていいのではないかと思うんですが、誰一人そういう人がいない。そういうところも職人さんに憧れます。皆さんの根底に流れている感謝の気持ちが共通している気がします。だから僕は職人になれないんだなと。全部つながって自分がその仕事に就けていると口にされるんですよね。自然の中で逆らわず、黙々と自分の作業を突き詰めている。そんなコメントを聞けたのが印象的ですね。
― 炭焼き職人の木戸口さんは、第二の人生を炭焼きに懸けたという方でした。草なぎさんが第二の人生を送れるとしたら、やりたいことはありますか?
デニムを作ってみたいですね。デニム職人としてオリジナルデニムを作り、ビンテージのような風合いが出せるよう作ってみたいなと思いますが。
― 今からでもできるのでは?
いや、無理ですね。モノづくりって関係性を築かなくてはいけないと思うんです。今からやるとしたら10年くらいかかりそうです。デニムの世界も厳しいと思うので、急に僕が行っても門前払いですよ。すぐに結果が現れるものじゃない。そういうところでコツコツやってる職人さんの姿が、皆さんにも何かヒントになるんじゃないかな。「最後の〇〇」は、人生のヒントになる番組だと思います。毎回そう思いますね。
― 今回から新しいミニコーナーが始まりました。ゼツメシという郷土料理はいかがでしたか?
ナレーションのトーンがポップで、これまでと雰囲気がちょっと変わる感じですね。ああいうナレーションの入れ方もあるんだなと勉強になりました。職人というと、かたくななイメージがありますが、軽い感じも出ていいですね。地方を訪れた時に思い出して皆さんにも立ち寄ってもらいたいです。僕も新しい楽しみが一つ増えました。
― 草なぎさんは、地方に行ったら必ず食べるものはありますか?
名古屋ですから手羽先、味噌カツ。これは絶対マストです。やっぱり名古屋といえば名古屋めしです。また名古屋に向かいたいと思いますので、職人魂を皆さんも受け取ってください。
― 草なぎさんは普段から相撲をご覧になりますか?
相撲好きな友達がいて、興味があります。今日はよく知っている舞の海さんにもお会いできました。日本の国技で常に話題性もあり、身近なものという感じです。
― 相撲にも実は「最後の○○」になるものがたくさんあることを知り、いかがでしたか?
ちょうどそういう時代なんだなと思いました。古き良きものがどんどんなくなり、職人さんの世代的にも転換期。そこに僕らはいるんですね。だからこそ大切にしなくてはいけない時であり、新しく構築する時代なのかなと思わせてくれるVTRでした。
― 研磨炭のお話はいかがでしたか?
生活の中であまり研磨するという経験はないんですが、職人さんがいなくなると、伝統のある漆塗りなどにも多大な影響が出てくるという。一人の職人の方が作っているものにより、現代アートや日本の伝統的なものも支えられているんですね。
― 漆器など伝統的なものを普段からお使いになっていますか?
漆の食器は持っていますが、そんなに高級なものではないです(笑)。これからはそういうものを見てみようかなと思います。履いているブーツやジーンズ、ギターなどもやっぱり職人さんが作っているので「最後の○○」は好きな番組なんですよね。基本的にモノが好きなので、テンションが高くなります。そこにストーリーがあり、どうやって作っているのか、モノを作る人の思考にもすごく興味がありますね。
― 草なぎさんの質問に、職人の方も嬉しそうにお話されていましたね。
そうですね。好きだからできるんだと思います。大変なことを乗り越えてきた人の顔ですね。職人の方に会うと僕自身も前向きになれて、やっぱり諦めちゃいけないんだなと思います。最初からうまくいくことなんてない。失敗することもありますが、失敗があるからこそ成功できる。番組を見る皆さんも励まされるのではないかと思います。
― 周りに支えられたという職人さんのお話もありました。
一生懸命やっているから周りも助けてくれる。炭に懸ける思いも伝わるんでしょうね。日頃から真摯に炭と向き合っているからこそ、そういうことが起こるんじゃないかと思います。
― 草なぎさんは、長い芸能活動の中で試練はどのように乗り越えてこられたのでしょう?
「何とかなるんじゃないかな」と前向きに考えます。立ち止まってもいいし、振り返ってもいい。でもまた必ず歩み続けることが大事なのかなと思います。ゆっくり一歩一歩という気持ちでやっていますね。職人さんを見ていてもそう思います。焦らず、2歩進んで1歩下がるくらいの気持ち。後退している時もあるかもしれないけど、それでも地道にコツコツと歩き続けるのが人生じゃないかなと思います。
― 番組に登場したさまざまな道具の中で、興味をそそられたものはありましたか?
以前の回ではオイルランプや砥石、今回は炭にも興味が湧きました。やっぱり自然が作るものはすごいなと思います。砥石も炭も自然の材料を生かして職人さんが手を加える感じで、職人の方々が「そのもの自体の良さを引き出すための手伝いをしているんだ」というようなことをおっしゃるのがグッと来ます。自然が作り出すものをお借りし、少しだけ手を加えるような感謝の意識が共通していると思います。すごいですよね。自分は一つの円につながっていく自然の中の流れの一部という考え方がすばらしいなと思いました。その意識はすごくすてきで大事なことだと、番組を通して改めて思っています。
ゲスト:舞の海秀平コメント
大相撲を陰で支えるいくつかの道具の継承が危機的な状況にあり、大相撲の伝統が綱渡りでつながってきていることが分かりました。番組を見ながら、先人たちがどのようなこだわりを持って伝統を守ってきたのか、そういうところに思いをはせて欲しいなと思いますし、過去と現代は伝統でつながっているんだということも感じて欲しいなと思います。― 大相撲のさまざまな道具が、最後の職人の技術で支えられていると知りいかがでしたか。
これまでは毎場所、淡々と過ごしてきましたが、今回の収録で大相撲の伝統というのも実は綱渡りでつながってきているのではないかなと思いました。
― これから実際に大相撲を解説されるときに見方が変わりそうですか。
ガラッと変わりそうですね。力士の勝負だけではなく、目に入ってくるものすべて、この道具は、この先も変わらず存在し続けられるのだろうかとか、そういったことを意識してしまうと思います。
― 関取の皆さんにも知って欲しいと思いますか。
絶対に知るべきですし、私も含めて伝えなければならないですね。伝えていくことで、改めて自分たちが伝統の世界にいて、その継承者だという思いを持つべきだと思います。単にアスリートというだけではなく、伝統の継承者だと意識してもらうためにも、こういった一つ一つの道具が、実は危機的な状況にあり、それをどうやって作っているか、職人さんたちの思いも知ってもらったほうがいいと思いました。
― 力士の勝ちたいという気持ちに応えるために、台風でも倒れず土がついていない稲わらのみを使用しているという、「土俵のわら」職人・酒井さんの思いを聞いていかがでしたか。
そこまでの思いで土俵のわらを作られていることを知り、心打たれました。稲の一本一本に、酒井さんの思いがつまっているわけですから、土俵のわらも見方が変わると思います。さらに神聖なものなんだなと感じます。
― 番組の視聴者にどのような視点でみてほしいと思われましたか。
伝統ということばは、いろんなところで使われますけれども、大昔から大切にしてきたものや先人たちのこだわりが現代まで脈々と継承されているということだと思います。この番組を見ながら、相撲に携わっている人だけではなく、大昔の1000年も1500年も前の人がどういう気持ちで生活していたのか、そういうところまで思いをはせてほしいなと。そして過去と現代は伝統によってすべてつながっているんだと感じてほしいなと思います。
― 番組を見て、伝統を守りたい、受け継いでいきたいと思う人が現れるといいですね。
そうですね。温故知新ではないですが、ふるきをたずねて新しきを知る、というような。古いってことは新しいことなんだ。という感覚も芽ばえてほしいなと思います。
【Not Sponsored 記事】