中山咲月、トランスジェンダー&無性愛者について告白 フォトエッセイ「無性愛」発表
2021.08.16 10:00
「仮面ライダー ゼロワン」で亡役を演じた俳優の中山咲月が、フォトエッセイ「無性愛」をワニブックスから9月17日に発売することが決定。トランスジェンダーであり、「無性愛者」というセクシュアリティについて初めて告白する。
中山咲月、トランスジェンダー&無性愛について初告白
中山は1998年9月17日生まれ、東京都出身。モデル・俳優。13歳でモデルデビュー、雑誌や広告で活躍。俳優として初出演した「中学聖日記」のジェンダーレスな役が話題に。2020年には「仮面ライダー ゼロワン」亡役に抜擢。2021年、日本の結婚観に一石を投じたオンライン演劇「スーパーフラットライフ」に出演した。中山は「自分、中山咲月は、トランスジェンダーです。今まで女性役を演じたこともありますが、女性として認識されることは辛く、性別という枠を越えて俳優業をやらせていただきたいと心に決めました」とトランスジェンダーであることを告白。
さらに自身の性的指向について「トランスジェンダーというと、『じゃあ女性が好きなの?』と聞かれることがありますが、自分はこれにプラスして無性愛者(asexual)の特性も持っています」と明かした。“無性愛”は他者に対して、恋愛感情や性的欲求を感じないセクシュアリティのこと。
「自分ですら扱いにくい性別ですが、無性愛者のセカイを、人に伝え、知ってもらいたい。そんなふうに思い、このフォトエッセイを出版させていただく運びになりました。性別の枠を越え、人間・中山咲月としてご覧いただけたら、こんな幸せなことはありません」と込めた想いを語っている。
また、「共感してほしい、理解してほしいのではなく、知ってほしい。周りに伝えていくことが『自分の理想』を押し付けてしまうようで、ずっと怖かったんだと思います。でも、自分の気持ちにフタをせず、自分らしく生きてみようと、やっと踏ん切りがつきました」とメッセージを送った。(modelpress編集部)
本文より抜粋
嘘をついた。メンズっぽいのは服が好きだからで、そのほかは「普通です」と。<中略>
自分で刺した嘘の鍼はそこからどんどん腐食が進み、中性的な役を演じることでさえ、痛みを伴うようになった。
中性的を突き詰めればベースは「女性」。周りが求めるジェンダーレス像は自分を消した上でしか成り立たないものにいつしかなっていた。
「……女の子なのに、男の子みたいにカッコいい」という付加価値。「もとは女性」というチャームポイントの違和感。気づいた時には、もう息ができなかった。
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