井ノ原快彦「みんなのうた60」キービジュアル (C)NHK

「みんなのうた60」アンバサダーのV6井ノ原快彦「グループで良かった」と感じた瞬間とは

2021.04.04 12:42

NHK「みんなのうた」の放送開始60年を記念した「みんなのうた60」プロジェクトのアンバサダーを務めるV6井ノ原快彦が3日、取材に応じ、プロジェクトや歌手活動への思いを語った。

  

井ノ原快彦「みんなのうた60」アンバサダー

「みんなのうた」は60年に渡り、それぞれの時代に寄り添った歌をおよそ1500曲放送。60年を迎える今年、「みんなのうた60」プロジェクトとして、1年間番組やイベントなど様々な形で「みんなのうた」の魅力を伝えていく。

アンバサダーの井ノ原は、V6のメンバーとして、1997年に「みんなのうた」でおなじみの『WAになっておどろう』をカバーし、大ヒットを記録。そして2017年には、「みんなのうた」がきっかけで、気になるクリエイターに楽曲制作をお願いし、その楽曲が「みんなのうた」で採用され、V6として『太陽と月のこどもたち』を歌唱。

4月3日19時よりNHK Eテレで放送された「『みんなのうた60』生放送 ~バースデースペシャル!~」では司会を務めた。

アンバサダー就任について「60年も続いた番組に呼んでくださったことに感謝しかありません」と感謝した井ノ原。「今まで感じてきた『みんなのうた』への、子供の頃から育ててくれた歌たちへの“好き”という気持ちを思い切りぶつけていきたい」と意気込みを語った。

井ノ原快彦「みんなのうた60」プロジェクトでやってみたいことは?

プロジェクトでやってみたいことを聞かれると「今はみなさんが集まることができなかったりするので、小さなところで、おじいちゃんおばあちゃんとお母さんと子供が同じ歌を歌っているところを見てみたいなとか思います」と提案。

さらに「家族の人たちに『みんなのうた』の思い出を聞いてみたい。個人個人の思い出を話したいという方が多くいらっしゃるそうなので、何かしら、みんな曲にまつわる思い出があるのだなと。いろんな人のいろんな思い出を聞いたら、その人の思い出もプラスされて聞こえてきたりすると思う」と語った。

井ノ原快彦「みんなのうた」のパワーを語る

自身にとっての「みんなのうた」の存在について聞かれると、「子供番組というわけではないし、むしろ大人が刺さる曲が多いなと思う」と井ノ原。

「色々な温まり方がありますが、『みんなのうた』という番組のフィルターを通すとこたつの温もりのような温もりが生まれるような気がする。自分たちが『太陽と月のこどもたち』という曲を歌わせていただいたときも、完成した曲を聞いたときと、『みんなのうた』から聞こえてきた曲がまた違って感じた。どんどんいい曲になっていると感じた」と振り返った。

音楽の力を感じる時は?

また、「どんな時に歌の力を感じますか?」という質問では、「先日読んだ本には、現代人のストレスをとるには音楽を聴くことと歌うことだと書いてあった。それを昔の人は知っていたんだと思う。台風や地震とか悲しいことも、歌で乗り越えて来たんだと思う。その人がそのつもりで歌っていなくても、聴き手によって“こういう歌だ”という解釈になると思う。そう人たちのことを思って作られた曲が『みんなのうた』には多いと思う」と考えを巡らせ「僕らもずっと歌を歌ってきましたけど、やっぱりいい仕事ですよね。疲れたなと思って歌ったことはなくて、早く本番で歌わせて欲しいという気持ちになる」と、歌手という立場からも感じる音楽の力を語った。

「WAになっておどろう」は自分にとってどんな曲?

自身にとって「WAになっておどろう」はどのような曲かを聞かれると、「考えたこともなかったですね。代表曲というのが一番しっくりくるのでしょうけど…」と井ノ原。

「当時のエピソードを思い出していたのですが、なぜそうなったのかよくわからない。何でスタッフがそれを紛れ込ませてきたのか。なんかみんな『これだ』ってなったんです。それこそ『みんなのうた』みたいにスーッと来てくれて、ずっといてくれる感じ。歌っても歌ってなくても流れているような曲」と自然に自身の近くにある曲だと明かした。

さらに「なかなかコンサートでできていなかったりもするのですが、どこか『WAになって踊ろう』は心の中で鳴っている感じがする。6人だから輪になりやすいですし、今は『Full Circle』という曲を歌っていて“輪になる”ということをすごく意識して活動しているので、その原点になるものが『WAになって踊ろう』にあるのかなと思う」と言葉に。

井ノ原快彦にとってV6の楽曲とは?

自身にとって「V6の楽曲はどのような存在か」という質問では、「この間みんなで話していて、調べたら400曲あるんです」と明かし、「どの曲も聴くとそのときのレコーディングの様子や振り付け、どんな演出でステージで踊ったかが浮かんでくるような曲たちばかり」と思いを馳せた井ノ原。

続けて「最近は海外の方に曲を作っていただく事が多いのですが、最初はイメージができなくても大体どんな曲でも歌えばなんとかなる」と紹介。「スタッフさんとかに『V6っぽくないんじゃない?』と言われても、歌うと大体V6になってしまう。そういう力には僕らにはあるなと、改めて今だから言える。だから僕らの心に残る曲になっていくのだろうなと思います」と語った。

井ノ原快彦、グループで音楽活動をしていてよかったこととは

そして「グループで音楽活動をしていてよかったと思うこと」を聞かれると、「苦しくなったり、歌詞を忘れても誰かが歌ってくれること。とりあえずなんとかなる(笑)。これは半分冗談で半分本当(笑)」と回答。

「俺が歌わなくても、歌えなくても、誰かが歌ってくれるのがグループの強みで、それでもいいと思うんです」と言い、「20年くらい前にステージ上で頚椎捻挫してしまって、病院に運ばれて」と、ステージを途中で抜けなければいけなくなったアクシデントを回顧。

「外から初めて5人のステージを見た時に、『すごい良いグループだな』『あそこにいたんだ俺は』と誇らしくなったと同時に、早くあそこに行きたいという気持ちになった。でもちゃんと僕のことも背負って歌ってくれているから、僕がいなくてもV6になっている。気持ちをつなげてそこまでやってくれていたのは、グループで良かったなと思いました」と言葉にした。

なお5月8日には、NHK総合特番「みんなのうた60フェス」が神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場から公開生放送される。(modelpress編集部)
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