AAA宇野実彩子、山田裕貴とMV初共演「あんな辛い喧嘩はない」印象的なシーン明かす

宇野実彩子のバラード曲「最低な君にさっきフラれました」

今作は、本気で愛したがゆえに生まれる気持ち、ぶつけあったからこそ傷ついた心、向き合ったからこそ崩れてしまう瞬間、日常から生まれる様々な感情が積み重なって別れを選択した男女の物語を女性の目線からリアルな本音の気持ちを描いたバラード曲。

ミュージックビデオは日本アカデミー賞受賞経験のある監督・藤井道人氏を迎え、出逢いから別れまでを逆再生で遡る映像になっている。

宇野実彩子「心をえぐられるようなラブバラード」に

― まずは楽曲の紹介や手応えを教えてください。

宇野：本当にフラれた直後の傷ついた乙女心を、言葉を選ばずに、本音を吐き出すような歌詞にしました。私の中では今までにない、だいぶ切ない心をえぐられるようなラブバラードができたなと思いました。

― 生々しい描写もありますが…

宇野：失恋した後って、思い出になるにつれてきれいな言葉になるけれど、別れた直後の本当に彼がこの部屋からいなくなってしまったときの女性の心って、そんなにきれいなものじゃなくて、ものすごく痛くて、毒が混じってて…。人間だからこそ、どうしても出てきてしまう言葉というか本音を、難しかったんですけど歌詞にしました。

― MVは宇野さんから藤井監督にオファーしたそうですが、その理由も教えてください。

宇野：藤井監督は、以前ドラマ「会社は学校じゃねぇんだよ」（AbemaTV）でご一緒して、そのときの映像の雰囲気がどこか優しくて、冷たいというか…ちょっと闇があって…それが人間っぽいなと思いました。この歌をMVで表現するにあたって、きれいすぎず、人間の表と裏を絶妙に表現したかったときに、藤井監督の持っている振れ幅が、MVになったときに一つのアートとして素敵になりそうだなと思い、オファーさせて頂きました。

あと、私、藤井監督と同い年なんです。そういうところで共感するもの、見てきた共通言語も多いのかなと思って。この曲は私にとって一つの挑戦でもあったので、ゼロからご一緒したいなと思って、お願いしました。

宇野実彩子＆山田裕貴、お互いの印象を語る

― 山田さんはオファーを受けたとき、どのような気持ちでしたか？

山田：すごく嬉しかったです。宇野さんのことはAAAのデビュー曲から知っていて、僕が出演しているドラマの主題歌を歌ってくださったこともありました。僕自身MVにガッツリ出演するのが久々だったので、しかも男女のリアルなドラマだと聞いて、ちょっと自分の恋愛などを思い返しながら、撮影に参加できたらいいなと思いました。2日間で一気に撮影したのですが、「宇野さん明るそうな方だから、大丈夫かな」と、オファーを受けたときに率直に思いました。

― お互いの印象を教えてください。

宇野：これまでいろんな作品を見させていただいた中で変幻自在というか、いろいろな役をやられている柔軟な方だなと思ったので、私にとっての“最高であり最低の彼氏”を演じてもらえるのは山田さんだなと思って、撮影をすごく楽しみにしていました。実際に会ってみたら、すごく気さくな方で、私は人見知りしてしまうタイプですが、すごく話しやすくて、とても素敵な時間を過ごせました。

山田：初日に初めてカットがかかったときに、宇野さんが「緊張するー」って言っていて、「ドラマ仕立てのMVって、よくやっているんじゃないんですか？」と聞いたら、「こういうドラマ仕立てでセリフがあるのはなかなかない」とおっしゃっていて、これは引っ張らないと思ったのですが、やってみたら自然とそこに居させてくれる空気感があり、とてもやりやすかったです。自分は俳優をやっているので、自分がリードしていかなくちゃいけないのかなと思ったんですけど、そんな心配もなかったです。

宇野実彩子＆山田裕貴、喧嘩シーンを振り返る「あんな辛い喧嘩はない」

― 喧嘩のシーンもすごかったですね。

宇野：喧嘩のシーンは壮絶でしたね。設定はあったのですが、どうやって壊れていくのかは私たち2人もやってみないとわからなかったので、事前に監督含めて話し合っていたのですが、喧嘩が始まったら別れにもっていかなきゃいけない、それだけは決まっていたので、それを2人で見合いながら、感じ合いながらやりました。心がリアルなので、ものすごくきつかったです。

― そのシーンはアドリブだったということでしょうか？

山田：結構というか全部です（笑）。15分くらい回していたのですが、あれはセッションでしたね。

宇野：うん、セッションでしたね。あのときにしか出せないシーンになっていたと思います。

山田：あの声はリアル。リアルな喧嘩のトーンというか。

宇野：ちょっと震えながら、やっていたかもしれません。

山田：お芝居とは思えなかったです。設定はありましたが、自然に出てくる言葉を相手の声と言葉をちゃんと受け取りながらやりました。4回ぐらいやりましたね。

宇野：4回ぐらいリアルな喧嘩をして、あれは人生史上1番の喧嘩でした。あんな辛い喧嘩はない。

― ほかに印象的なシーンはありますか？

山田：喧嘩のところもそうですが、海だったり、歯磨きをしていたり、いちゃいちゃというか、距離が近いところは普通にドキドキしますし、楽しかったです。こうやったら素敵なカップルに見えるかなという距離の近さを見せたいと思っていました。歯磨きをしているときって、横並びが普通じゃないですか。（彼女の）頭にあごを乗せて歯磨きするっていうのをやりたいんですけど、いいですか？って聞いて、あのシーンを撮影しました（笑）

宇野：あれはカップルにやってほしいですね。楽しいから（笑）。やっている姿を鏡で見ているのがいいんです。（呼び方は）“あご乗せ歯ブラシ”ってどうですか？（笑）

山田：そのまんまじゃん（笑）

宇野実彩子、バラード曲を制作したきっかけ

― 今回はすごく切ないバラードを歌っていますが、苦労したことはありますか？

宇野：私は今までたくさんレコーディングをしてきましたが、今回初めてやり直しをしましたし、アレンジを変えていただきました。繊細なバラードを作りたかったからこそ、自分が納得いくまでに、やりたいなと思って…。本来なら1回で終わりにしなくちゃいけない、もう1回こじ開けて録り直すなんてタブーなことだとは思っていたのですが、今、世界的にいろんなことが起こってて、いろんなことが変わってて、音楽の聴き方やエンタメの楽しみ方も変わっている。そんな難しい状況の中で、この曲を自分の中で後悔することなく、自分の伝えたいことを作品に残したいと思って、レコーディングをやり直しました。（歌詞を）書きながら思っていたのは、別れた直後って声にならないし、泣き疲れるし、震える声で独り言みたいなため息がこぼれてくる。それを歌うときって、すごく繊細で歌にもならない、それを歌で表現するのはどういうことなんだろうと。そう考えたとき、自分の心をもう1回振り返るような感じで、MVを撮り終わった後に、MVを見ながら、声にならない声で歌いました。

― ほかに入れてみたかった歌詞はありますか？

宇野：「先が見えないんだよね」みたいなことかな。「なんかわからなくなっちゃったんだよね」とか、好きな人から漠然と“わかんない”と言われるのはとても辛いなと思うんです。そういう言葉を入れてみたかったです。

ここまで最低って言えるのは、最高に愛したからで、言わないと終わりにできない。自分も終わらせたくて、喧嘩を始めたわけじゃなくて、始めたらあんな風になっちゃって、自分から手放した恋でもある。そのリアルな感じを出すために、言われた言葉も書かなくちゃ毒にならないと思いました。私も書きながらめちゃくちゃ苦しいなと、書くことを何度もやめました。

― バラードを歌おうと思ったきっかけを教えてください。

宇野：ファンの方のいろいろな声を拾っている中で、ラブソングやバラード曲を好きでいてくれているという声が聞こえて…。来年の1月からツアーが始まるんですけど、それに向けて楽曲制作をしていく中で、会場で歌ったときにみんなの心が切なくキュッと一つになるようなバラードを極めたいなと思って。特に女性は失恋していないときでも、バラード曲を聴くと酔いしれたりするので、季節問わず、タイミング問わず、バラードってみんながみんな酔いしれるし、心に寄り添える曲でもあるのかなと思いました。今のタイミングだからこそ、きれいな言葉じゃなくて、隠していない言葉だからこそ、余計に共感する、そういうパワーのあるバラードを作りたくて、作ってみました。

― 今回、逆再生にした理由も教えてください。

宇野：監督と話してて、幸せの部分をより引き立たせて、切なさをぐっとさせるためには逆再生で、この幸せはもう終わっちゃうんだよねと思いながら、料理や海のシーンを見ると、すごく切なくて悲しくなります。そういう狙いがあります。

― 撮り順は？

宇野：最初はオフィスのシーンで、最後がテレビ電話をしたシーンです。

山田：だから感情はぐちゃぐちゃでしたね。

山田裕貴、女性目線の歌詞に共感…恋愛観を赤裸々に語る

― 「『覚悟できてない』って 今更よく言えたね」という歌詞を見たときに山田さんはどう思いましたか？

山田：僕は特殊かもしれないのですが、僕の経験上、女性の方が覚悟がないなと思っていることが多かったですね。

― では、この歌詞を見て共感したのでしょうか？

山田：そうだと思います。よりこの曲が好きなんだなと思いました。簡単にお付き合いって始まるわけじゃないじゃないですか。特にこういう仕事をしていたら。僕はそういう覚悟でいくわけですよ。お互いの生活やタイミングの中での感情って気持ちが変わるのは仕方がないと思うんです。価値観は違って当たり前だから、話し合えばいいと思っているので、価値観が合わないと言われるのが苦手です。そういうのは、歩み寄って変えていこうという覚悟があるので、すごく赤裸々になっちゃっているんですけど（笑）、共感できるということです。

宇野実彩子＆山田裕貴、恋愛観を語り合う

― 異性にしてしまった最低なことはありますか？

山田：男女数人の友人とご飯に行ったとき、「今日俺が払うよ」と言っていたのに財布を忘れてしまって（笑）。男性側は俺にご馳走してもらえると思っていたからお金を持ってなくて、女性に払わせてしまったことがあります（笑）。すごく焦りました…。すごく仲のいい女友達なので「全然いいよ！今度倍でおごって」と言ってくれたのに、まだお返しできていなくて、すみません…。

宇野：今でこそ、失恋して切ないとか言っていますが、若い頃の自分って本当にすごいわがままだったなと思います（笑）。その頃の私は“最低な君”だったなと。わがままで世間知らずで勝手な恋愛をしていたなと思います。

― 譲れない異性の好みを教えてください。

山田：僕は男性でも女性でもですが、明るくいてほしいな、楽しそうにいてほしいなと思います。もちろん悲しいときがあれば、支えようと思います。でも毎日暗かったら、さすがに自分も（その暗さを）貰っちゃいそうだなと思うから、明るく前向きな感じでいてくれたらそれだけでいいんです。

あとは2人でちょっとズレが生じたときにもういいやってなる人が苦手で、逃げずにちゃんと向き合おうとしてくれる人がいいなと。僕に対しての愛情を感じられたり、僕が楽しみを与えたいと思える人がいいですね。

宇野：私は誠実な人ですかね。このMVみたいに仕事に一生懸命で連絡が取れなくても彼は誠実だったし、そこに嘘はなかったと思います。だから信じられる人がいいなと思います。

― このMVではキャンプ場が出会いの場となっていますが、理想の出会いやデートはありますか？

宇野：キャンプとかはしたいなって思いました。友達とみんなであんな風に外に出たいです。なかなかやったことがないので、アクティブなデートは夢です。私、単純なので、優しくリードしてくれたり、楽しそうに目立っている人はいいなと思っちゃいます。

山田：料理中にちょっかいをかけてくるとかは僕好きなので、いいなと思います（笑）。あと、今回カットされてしまったのですが、家で2人でソファーに座りながら、ポップコーンを食べながら映画を観るとかも憧れているシチュエーションです。なに食べる？みたいな掛け合いが自然にできる人がいいですね。あとは海に行きたいです！

― いやなことを忘れるためにはどうしますか？

山田：過去は変えられないから、その先の1分1秒を変えればいいじゃんって思っちゃうかもしれない。終わったことは変えられないから、その先を変えようという感覚です。どんなことがあっても、それはずっと思っているかもしれないです。

宇野：私は人に話すようにしています。友達とかに話して、共有してもらって、1回自分の言葉で吐き出して終わらせるようにしています。

― このMVの2人のようにならないためには？

宇野：あの喧嘩中ずっと言っていたのは、「こっちのことなんで気づいてくれなかったの？」「なんでわかってくれないの？」って思っていたので、言いたいことを溜めないことですかね。忙しくても聞いてくれる姿勢が彼にもあってほしいし、彼女も（言いたいことが）積もる前にちょっとずつ言って、すぐに解決できることから解決する、2人で話す、向き合って話して解消することを怠らないことだと思います。

山田：好きなわけじゃないですか。だから2人で乗り越えようとするためには逃げるのではなくて、ちゃんと話し合ったり、向き合ったりすること。忙しいかもしれないけれど、それは1回置いておいて、よし話し合おうという、真正面から向き合って、言いたいことを言おうというのができればいいのかなと思います。

宇野実彩子＆山田裕貴「本当に感激」「寄り添えるMV」MVを見た感想

― この曲をカラオケで歌うときのアドバイスをお願いします。

宇野：リアルな描写が並んでいるので、そこにリアルな失恋経験を思い出しながら、それを歌に乗せたら意外とスッキリするかもしれません。1回自分の失恋に思いっきり浸かって酔いしれて、歌にしてみると、気持ちいいし、楽しめるのかなと思います。

― 山田さんはどのようなときにこの曲を歌いたいですか？

山田：友達が失恋しちゃったときとか。励ますというより寄り添える曲だなと思うので。あとは完全に自分が失恋したときに歌いますね（笑）

― 改めてになりますが、出来上がった作品を見ての感想を教えてください。

宇野：今（新型コロナウイルスの影響により）撮影の制限がある中で、自分のソロ曲でこんなにもたくさんの方たちの力を借りてできた作品なので、感激はものすごいですし、改めて感謝しています。自分にとっても挑戦であったバラード曲だったので、すごく向き合って、言葉を選んで、レコーディングにも挑みました。この曲がMVになってさらに切なくなって、女性の傷ついた心とか、楽しかった幸せとか、素敵って言葉だけじゃ足りないんですけど、素晴らしいストーリーになって、私の1曲を表現していただいて、本当に感激です。これを見てもらって、自分の今までの失恋を乗り越えるきっかけになってくれたら嬉しいし、最高に愛した人を思い出してくれたら嬉しいです。

山田：本当に素敵なMVになったし、僕は曲ももちろん好きで、しっとり系のバラードが好きなんです。人を好きになったことがない人なんていないじゃないですか。誰もが感じたことのある苦しさや悲しさに寄り添える曲だし、寄り添えるMVだと思います。俺もこんなことあったなという風に思えた作品なので、僕も見てて切なくなって、だから多くの人に共感できるMVであり、曲であるので、そこに参加させてもらって嬉しいなと思います。本当にたくさんの人に広まったらいいなと、僕も絶対に見ます（笑）

― ありがとうございました。

（modelpress編集部）