(左上から時計回り)「おっさんずラブ」、「中学聖日記」、「義母と娘のブルース」、「アンナチュラル」/各制作発表会見より(C)モデルプレス

「おっさんずラブ」「中学聖日記」「アンナチュラル」「義母と娘のブルース」…2018年“ロス”を起こしたドラマはここが凄かった【2018年末特集】

2018.12.21 07:30

2018年、社会現象となったドラマといえば「おっさんずラブ」(テレビ朝日系)。主演の田中圭、共演の林遣都もブレイクを果たし、ドラマの“その後”を描く続編の映画化が決定するなど、勢いは衰えることを知らない。今回は、いまだ“おっさんずロス”の声が止まぬ同作をはじめ、今年ロス現象を起こしたドラマの人気の秘密を振り返る。

  

爆発的人気で社会現象に 映画化も決定の「おっさんずラブ」

林遣都、田中圭、吉田鋼太郎/「おっさんずラブ」より(C)テレビ朝日
主人公のモテない独身男・春田創一(田中)をピュアな乙女心を持つ部長・黒澤武蔵(吉田鋼太郎)とイケメンでドSな後輩・牧凌太(林)が取り合うという“全員男”のカオスなコメディーが爆発的人気を集めた「おっさんずラブ」。特にSNSでの盛り上がりは凄まじく、6話と最終回となった7話の二週連続でTwitterトレンド“世界一”を記録。最終回から数日が経過してもトレンド入りを果たすなど、圧倒的なSNS力を見せた。

その反響は多方面に及び、今年流行した新語・流行語を決める「2018ユーキャン新語・流行語大賞」(『現代用語の基礎知識』選)に“おっさんずラブ”がトップテン入り、「東京ドラマアウォード2018」で作品賞<連続ドラマ部門>グランプリ、田中が主演男優賞、吉田が助演男優賞を受賞、漫画化され女性漫画誌「BE・LOVE」(講談社/月2回刊)にて連載スタート、田中の写真集や林が表紙を飾った雑誌が重版…と放送後も話題が尽きなかった。

吉田鋼太郎、田中圭/「おっさんずラブ」より(C)テレビ朝日
LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字を取った総称の1つ)を題材とした作品はこれまでにも多く存在したが、「おっさんずラブ」はジャンル分けをするのであればあくまで“恋愛ドラマ”。春田・部長・牧の恋愛に対する葛藤は描かれているものの、LGBTだからと周りに差別されることはなく、ライバルが卑怯な手を使うといった過激な描写・他者への攻撃性もない、“温かい”ドラマだったことが支持を得たひとつの要因だろう。

現実世界に生きていればそうはいかない場合もあるかもしれないが、春田の幼馴染・ちず(内田理央)や部長の妻・蝶子(大塚寧々)、会社の同僚たちまでもが戸惑いながらも受け入れてくれるその世界観はファンタジーとも言え、少女漫画のようなときめきと実力派キャストが演技で醸すリアリティが見事に融合し、OL民(=「おっさんずラブ」ファン)を増やし続けた。

田中圭、林遣都/「おっさんずラブ」より(C)テレビ朝日
さらに、カップリングの相性の良さも社会現象を起こした大きな要因で、紆余曲折を経て春田と牧が結ばれるという“裏切らないラスト”で最終回を迎えた同作は、設定はカオスではあるがやはり王道を貫いた恋愛ドラマ。モデルプレスが実施した「2018年最もハマったドラマ」ランキングでも2位に1000票以上の差をつけ堂々の1位に輝くなど、人気と話題性は今年ピカイチだったと言える。


緻密な脚本でドラマファンを唸らせた「アンナチュラル」

石原さとみ/「アンナチュラル」より(C)TBS
10話で最終回を迎えながら、架空の11話で実況が盛り上がるほどの“ロス”を起こしたのは石原さとみ主演「アンナチュラル」(TBS系)。「逃げるは恥だが役に立つ」「重版出来!」などを手がけてきた野木亜紀子氏が脚本を担当した同作は、日本に新設された死因究明専門のスペシャリストが集まる「不自然死究明研究所(UDIラボ)」が舞台。湊かなえ作品「リバース」「Nのために」「夜行観覧車」(いずれもTBS)のドラマ化を手がけた新井順子プロデューサー、同じく湊作品のドラマで演出を担当した塚原あゆ子氏など今ノリに乗っている女性スタッフたちが手がけるとあって、放送開始前より期待値が高かったが、その期待を超える緻密なストーリー展開で毎話視聴者を唸らせた。

井浦新/「アンナチュラル」より(C)TBS
キャスト陣の熱演も素晴らしく、主人公“法医解剖医”三澄ミコトを演じた石原は、これまでのイメージとは異なる役柄に挑戦し、「東京ドラマアウォード2018」で主演女優賞を受賞するなど、新境地を開拓。法医解剖医・中堂系を演じた井浦新については、「(ドラマ公式Twitterで)中堂さんのスーツ姿をアップしたらすごい反響だった」と新井プロデューサーが取材会にて明かしており、Instagramのフォロワー数が1ヵ月で2万人増とのこと。ほか、記録員・久部六郎を演じる窪田正孝ら各キャストもはまり役となり、芸達者な彼らの会話劇でも視聴者を楽しませた。

また、現実とリンクする事件がドラマ内で描かれたことも話題に。第2話は「座間の事件」、第6話は世間を騒がせた仮想通貨の流出事件とリンクさせる人も多かったが、どちらも脚本が書かれたのは事件発生前。野木氏が各分野のエキスパートへの取材を徹底的に行い、新井プロデューサーらと納得のいく物語を作り上げたからこそ、現代に“起こり得る”事件が必然的に描かれたのかもしれない。

石原さとみ、井浦新/「アンナチュラル」より(C)TBS
多くの声に惜しまれながら迎えた最終回を締めくくったのは、“Their journy will continue.”の文字。この英文は、直訳すると「彼らの旅は続く」という意味だが、“journey”という単語の“e”だけが抜けていることから、スペルミスなのか、なにか隠された意味があるのか…放送後もネット上では議論が繰り広げられていた。モデルプレスが取材したところ、TBSは英文について「ご想像にお任せします」と回答。様々な憶測を呼んでいるが、この程、年末年始にドラマの一挙放送が決定したこともあり、続編希望の声が再燃している。


最終回視聴率19.2% 魅力的なキャラが人気「義母と娘のブルース」

綾瀬はるか/「義母と娘のブルース」より(C)TBS
日本中を感動の渦に巻き込んだ綾瀬はるか主演「義母と娘のブルース」(TBS系)は、桜沢鈴氏による同名4コマ漫画を原作にした笑って泣けるハートフルストーリーがじわじわと注目を集め、右肩上がりの視聴率を記録。最終回は、自己最高の19.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で有終の美を飾った。

竹野内豊、佐藤健/「義母と娘のブルース」より(C)TBS
物語は、綾瀬演じたキャリアウーマンの主人公・亜希子が、娘を持つ男性・良一(竹野内豊)からプロポーズをされ結婚し、娘・みゆき(横溝菜帆)に反対されながらも母親になろうと畑違いの家事や育児に奔走する姿を描いた前半と、良一がスキルス性胃がんのため亡くなり、高校3年生に成長したみゆき(上白石萌歌)と亜希子、亜希子が働くことになった「ベーカリー麦田」の店長・麦田(佐藤健)との物語を描いた後半の二部構成。

綾瀬はるか、上白石萌歌/「義母と娘のブルース」より(C)TBS
家族の絆を描いたストーリーはもちろん、人気の要因は魅力的なキャラクターたち。真っ直ぐすぎるほどに真っ直ぐで、深い愛情を持った亜希子を魅力的に演じきった綾瀬はじめ、竹野内、佐藤、物語の要となるみゆきを演じた横溝と上白石など、それぞれ好演。特に、第1部で横溝がみゆきを見事に演じていたことから、上白石への期待も膨らんでいたが、そちらも綾瀬との掛け合いが抜群で変わらぬ支持を得た。

最終回後には、「この家族に会えなくなるのは寂しい」という声が上がる一方で、「感動した」という声が続出。亜希子とみゆきの“10年間”を見守り、ともに過ごしてきたかのような気持ちで見届けた視聴者も多いのではないだろうか。

“黒岩くん”フィーバー続く 禁断の恋に反響「中学聖日記」

岡田健史、有村架純/「中学聖日記」より(C)TBS
そして、“黒岩くん”フィーバーを起こした有村架純主演の「中学聖日記」(TBS系)も18日に最終回が放送されたばかりとあって視聴者は“ロス”真っ只中。

女性向けマンガ雑誌「FEEL YOUNG」(祥伝社)で連載中の漫画家・かわかみじゅんこ氏による同名漫画が原作の同作は、中学生・黒岩晶と女教師・末永聖(有村)の“禁断の恋”を、儚くも美しく描いた物語。“黒岩くん”を演じたのは、これまでテレビの出演経験も演技経験もなく、事務所に所属して間もない新人・岡田健史。異例の抜てきを受け突如現れた彼は、初々しくも切ない演技で繊細な恋心を表現し、この冬の話題をさらった。

有村架純、岡田健史/「中学聖日記」(C)TBS
物語は“黒岩くん”が15歳の中学生だったところからスタートし、第6話からは18歳・高校生に。晶の母・愛子(夏川結衣)からの反対、世間の目…様々な障害を乗り越え、さらに5年後、2人が結ばれるというハッピーエンドで最終回を迎えた。

岡田健史、有村架純/「中学聖日記」より(C)TBS
最終回では関連ワードがトレンド入りするなど盛り上がり、平均視聴率も自己最高の9.6%を記録。岡田が最終回放送後に開設した公式Instagramアカウントは約半日でフォロワー32万人越え…とその後の反響も大きく、彼に対する注目度の高さを証明。“平成最後のスーパールーキー”として多くの女性を虜にし、「中学聖日記」人気に一役買った。

ネット社会の昨今、視聴率だけがヒットの指標ではなくなり、SNSでの盛り上がりも重要な要素のひとつに。ここで挙げた4作品もSNS上での人気が高く、ネットでは今も“ロス”の声が溢れている。2019年はどんなドラマが“ロス”を起こすのか…各ドラマに注目だ。(modelpress編集部)
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