「真昼の悪魔」クランクアップで涙を流した田中麗奈(C)東海テレビ

田中麗奈が涙「お別れするのは寂しい」「幸せな2ヶ月間」

2017.03.25 08:00

女優の田中麗奈が主演をつとめる東海テレビ制作・フジテレビ系連続ドラマ、オトナの土ドラ「真昼の悪魔」(毎週土曜 午後11時40分~)の最終回が25日に放送される。先日、クランクアップを迎え、スタッフの大きな拍手に包まれた田中からは大粒の涙が溢れた。

  

田中麗奈がクランクアップ「とても強烈な役だった」

同作は、昭和55年に発表された遠藤周作氏の医療ミステリーが原作。優秀な美人外科医の主人公・大河内葉子(田中)は、社交的で明るく患者からの評判もいいが、幼い頃からあらゆる出来事に対して心が動かず、無感動かつ無道徳な裏の顔を持つ。ターゲットとなる人物が現れると衝動的に悪事を犯す心理サスペンスを描く。

大河内葉子を演じた田中は「とても強烈な役だったので、葉子にお別れするのは寂しいです。葉子の人生に夢中になった、幸せな2ヶ月間でした」とコメント。「彼女が自分の人格に疑問を持って苦しんでいるという人生だった。彼女を通じてその人生を体験できることができ、自分自身の人生も深くさせてくれたような感じがします」と感慨深く語った。

撮影最終日のラストシーンは、気持ちの入った演技で終了。「今までピンと張った何かが解れた瞬間だと思いました」と葉子の感情を引きずりながら涙を流し、葉子として生きた2ヶ月間はとても充実していたと語った。

中村蒼「僕自身も振り回された」

中村蒼(C)東海テレビ
悪魔の医師・葉子に苦しめられる、葉子の患者で小説家志望の難波役を演じた中村蒼は、「難波は葉子と出会って振り回されてから、性格的に波のある人間になったので、僕自身も(演じるうえで)いろいろと振り回されました(笑)」と振り返り、ドラマの撮影時に自身の誕生日を迎えたことについて「ドラマの現場でお祝いをして頂きました。3月4日という僕の誕生日をこういう場で祝ってもらえることがとても嬉しかったです」と語った。

また、葉子が感情を吐露する場所として通った教会の神父役を演じた伊武雅刀は、「神父役はとてもおもしろかったです。ただ、(原作の)遠藤周作先生の当時の文体を生かしたセリフの難しさというのはありました。そして神父さんは品行方正といいますか、神の僕(しもべ)みたいな所もあるので、神聖な人格をベースにして演じるのが難しかったですが、終わってみると、とても充実感のある役でしたね」と神父役を振り返っていた。

最終回は…

伊武雅刀(C)東海テレビ
最終回では、大塚(大倉孝二)と結婚し、娘を産んだ葉子(田中)の3年後の姿から始まる。そして難波(中村)は小説家として活躍し、次作を『白衣の悪魔』という題材で練り、葉子に関わった人々を訪ねていた…。贖罪の日々を送る葉子からは、もはや悪魔の心は消え去ったと思われた。しかし彼女は自分の罪の償いとして、ある恐ろしい計画を進めていた…。と、最後まで普通には終わらない、『真昼の悪魔』の醍醐味を見せている。

田中麗奈らが見どころを語る

最終回に向けての見どころを中村は、「見てくださっている方の今までのもやもやが、きっとすっきりすると思います。でも、最終回だからといって穏やかには終わらない、最後もちゃんと『真昼の悪魔』らしい衝撃的なシーンもあるので、楽しんでもらえたらいいなと思います」とアピール。伊武は、「やっぱり注目は、悪魔と言われた葉子がどうなるかですよね。葉子だって人間です。その葉子が最終回で本当に改心するのか?という所のミステリアスな部分がお楽しみですね。ちなみに僕の姿は最終回ではちょっぴり情けなくて、見て欲しくないような気もします(笑)」と語った。

最後に田中は、「今まで作品を見続けてくれた方が最終話を見てどういう感想を持ってくださるかというのがとても興味深いです。やはり葉子は最後に痛い目にあったらいいと思う人もいると思いますし、葉子という独特な人物を自分にはない何かということで、ずっと惹かれてくださった方もいるかと思います。時が経った彼女を視聴者の方はどう思うのか私にも想像がつきませんが、自分が彼女の人生を最後まで映像に刻むことができ、そして皆さんの心に届く作品になれたのなら、本当に嬉しいという願いはあります」と話した。

なお、最終話終了後のLINE LIVE「東海テレビLIVE」内で配信されている「真昼の悪魔 生反省会」のゲストに急遽、田中が出演することが決定した。(modelpress編集部)

最終話あらすじ

「贖罪」

葉子(田中麗奈)は大塚(大倉孝二)と結婚し、一人娘をもうけ、富士山のふもとの町で小さな診療所を開き、医師を続けていた。葉子は3年前、難波(中村蒼)が吉田(鈴木省吾)に託したICレコーダーが病院内で公になり、解雇されていた。

一方、小説家として頭角を現していた難波は、次回作に葉子を主人公とした物語を書こうと思い立つ。3年ぶりに神父(伊武雅刀)を訪ねた難波は、神父の退院後に葉子が教会に来たことを聞く。難波が葉子に会いにいくことを知った神父は、「おそらく今は眠っているであろう悪魔が覚醒していないか、慎重に見定めてほしい」と忠告する。

そのころ葉子の診療所には、思いがけない人物が訪れていた。それは以前病院で葉子に散々な目にあったあの女だった。娘を盾に葉子を脅し、土下座をさせて金を取り、「またすぐに来る」と言い去っていった。

難波は葉子の病院の同僚だった医師たちに話を聞いていく。すると葉子が以前そそのかした女児が病院で悲惨な事件を起こしていたことがわかる。その女児の父・竹居道明(坂上忍)と葉子が話をしていたと聞いた難波は、贖罪で病院を訪れていた竹居を訪ねた。一方、刑務所に服役している芳賀(篠原篤)は、葉子の悪魔としての第二章が始まったと嬉々として話す。葉子が考えているのは、常人には理解できない悪魔的贖罪だと…。葉子に関わってきた人々に会い、考えを巡らせた難波は、葉子の診療所へと向かうのだった。
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