「逃げ恥」“社会派ラブコメ”の真骨頂発揮 みくりの問題提起「愛情の搾取」発言に視聴者激論
2016.12.14 16:44
女優の新垣結衣が主演をつとめるTBS系ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(毎週火曜よる10時 通称:逃げ恥)の第10話が13日、放送された。同回で新垣演じるヒロイン・森山みくりが展開した持論に視聴者から様々な意見が飛び交っている。
新垣結衣&星野源が“契約夫婦”に
同作は、月刊「Kiss」(講談社)で連載中の海野つなみ氏の同名漫画が原作。彼氏なし、院卒なのに内定ゼロ、さらには派遣切りにあい誰からも必要とされない辛さ、居場所の無さを強く感じている25歳の主人公・森山みくり(新垣)が、あることがきっかけで恋愛経験の無い独身サラリーマン・津崎平匡(星野源)と「仕事としての結婚」をすることになる、“夫=雇用主、妻=従業員”という契約結婚を描いた社会派ラブコメディ。
恋愛感情を持たないはずが、同じ屋根の下で暮らすうち、徐々にお互いを意識し出す妄想女子とウブ男の契約結婚の行方を描いていく。
みくり、平匡さんのプロポーズを拒否「愛情の搾取に断固として反対」
第10話では、ついに両思いとなった2人の恋人同士の甘い生活がスタートし、ラストに津崎がみくりへプロポーズ。しかし、津崎が真っ先に提示した入籍したい理由は、リストラにあったため、みくりと正式に結婚すれば無償で家事をしてもらえることになり、生活費に余裕が出るという経済的側面だった。「結婚がもっとも合理的かと」と悪びれもせず明かす。怒るみくりを理解できない津崎は「僕のことが、好きではないということでしょうか?」とキョトン。みくりが「それは…“好きの搾取”です!愛があればなんだって出来るだろうってそんなことでいいんでしょうか?わたくし森山みくりは“愛情の搾取”に断固として反対します!」と宣言するシーンで終わった。
みくりの発言に余韻収まらず
元々正社員を目指していたが職につけず、「家事=労働」と捉え、給料という「対価」を引き換えに津崎と契約結婚をしたみくり。家事手伝いとして働く内に「主婦」という職業への考え方も変化し、第9話ではみくりがアンケートの職業欄に「はたから見れば私は無職なんだろうか」と悩み、「主婦」と記入する場面も。シングルマザーの親友・安恵(真野恵里菜)からは過去に安恵が結婚を報告した際「やっさんの人生それで良いんだ」と上から目線でみくりから言われたことを指摘される場面も。「今なら分かる、主婦の有り難み」とみくりはしみじみと語っており、もちろん「愛情の搾取」はみくりが専業主婦を軽視した発言ではない。
しかし、契約結婚から始まった2人の関係を、労働から切り離して決着をつけることは出来ない。現代の夫婦関係に問題提起をしたこのセリフに、視聴者からは「みくりよく言った!」「きっと『好きだから結婚しましょう』の一言があったら違ったはず」「最後にぶっ込んできた」など共感のほか、「さすがにあのひどいプロポーズでも搾取は言いすぎなんじゃ?と思ってしまう」「小賢しいみくりさん出てしまった」といったコメントも。
また、「ずっと好きの搾取について考えているけど結論が出ない」「愛情の搾取ってワードすごい」「色んな人が好きの搾取について色んな考えを語っている。深イイ」「愛情の搾取って夫婦関係だけでなく親子関係とか友情関係にも言える」「愛情を当たり前に捉えちゃダメなんだよね」などネット上には、セリフの持つ重みを感慨深く受け止める声が溢れている。
“社会派ラブコメディ”としての「逃げ恥」
これまでも、ラブストーリー的側面とともに「就職難」「派遣切り」「事実婚」「高齢童貞」「晩婚化」など現代社会のあらゆる問題に斬り込みを入れてきた同ドラマ。「さすが一筋縄ではいかない」「ただのラブコメじゃないところが逃げ恥の魅力」「ものすごく新しいドラマを見ている」と称賛も多く、最終回を目前に“社会派ラブコメディ”の真骨頂を発揮したと言えよう。次週、最終話は15分拡大で20日放送。予告では、「せっかくのプロポーズを台無しにしたこんな小賢しい女、見捨てられて当然なのだ。一度出てしまった言葉はなかったことにはできない…」というみくりの切ないモノローグもあり、2人が最後にどんな決断を下すのか、目が離せない。(modelpress編集部)
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