「Periscope」創業者兼CEOのKayvon Beykpour氏(C)モデルプレス

生中継サービス「ペリスコープ」、Twitterと連携で進化&新機能開始 創業者が初来日

2016.10.17 18:57

ライブストリーミングスマートフォンアプリ「Periscope(ペリスコープ)」創業者兼CEOが初来日。17日に都内でメディア向けの説明会を行った。

  

「Periscope」とは?

「Periscope」はスマートフォンのカメラで、ユーザーの目の前の出来事を生中継できるアプリ。ボタンひとつでライブ放送を始めることができ、世界中に向けて公開することができるほか、友人や知人に向けて送ることも可能。ライブ放送中、ユーザーは放送主にコメントを送ったり、スクリーンをタップすることでハートのスタンプを散らしてサポートすることもできる、遊び心豊かな仕組みとなっている。

モデルプレスでも過去にPeriscopeを使い、浜崎あゆみや倖田來未、AAAなどのライブ会場周辺からグッズの状況、来場者の様子などを生中継した。

創業秘話・セレブも活用

CEOのKayvon Beykpour氏は、2013年にトルコのイスタンブール起こった反政府運動を現地で目の当たりにし、「世界で起こっていることをそのままテレポートさせる、移動させてしまう技術を作ろう」と思いついたことがアイデアの発端だったと回顧。

その後、アイデアを実現し2015年3月にアプリをリリース。全世界で利用者を伸ばし、様々なニュース現場の現場映像の発信に役立つほか、海外ではプロテニス選手のロジャー・フェデラーなどを始め、セレブがファンとの交流に使うケースも多いという。

「Periscope」の事例/世界各地からニュースを中継(C)モデルプレス
「Periscope」の事例/著名人が使用(C)モデルプレス

Twitterと連携で進化

Periscopeは、2015年3月にTwitter社に吸収合併。2016年1月からはTwitterのタイムライン上でアカウントを持たない人もライブ動画を楽しめるようになった。

Twitterの投稿部分に「Periscope」ボタンが存在/Kayvon Beykpour氏(C)モデルプレス
「様々なライブ配信サービスが存在する中で、Periscopeの優れている点は何か」という質問には、「Twitterとの連携がスムースにあること」とコメント。世界で何か大きな事故や事件、災害などが起こった場合にまず最初にTwitterを開く人が多いとし、連携の重要性を強調した。

また、視聴者と放送主が相互にコミュニケーションをとることが出来るため、視聴者のコメントによって放送内容が変わることも。「コンテンツの中身が変わることで自分も制作に関係すると感じることが出来る」と利点を話した。

さらに、検索機能も優れているといい、アプリ上のマップからコンテンツを検索することが可能と紹介。「例えば東京で何が起こっているか、大阪で何が起こっているかなど位置情報を元にして自分の見たい情報を発見することが出来る」とした。

なお、配信されたコンテンツは放送主が設定しない限り、デフォルトで無期限に保存される。

「Periscope」からスターは?

動画サービス「YouTube」や6秒ループ動画アプリ「Vine(バイン)」などでは一般の投稿者が人気を集め、スターになることも多いが、そういった事例を尋ねてみると、「実際何人もいます」と回答。

彼らは「ペリスコーパー」という愛称で、海外では絵を描く様子を配信したところ芸能事務所からスカウトを受けアーティストになった人や、ミュージシャンになった人などが存在。日本では大阪の街を歩き回って紹介する投稿者が世界的に人気を集めているという。

新機能を開始

また、タブレットや携帯だけなく、通常のカメラから配信できる新機能「Periscope Producer」も開始。ファッションブランド「ルイ・ヴィトン」や「ディズニー」などの大手企業がすでに使用を開始し、前者はファッションショーを生中継した。

日本でも、13日から16日まで京都府で開催された「京都国際映画祭2016」のオープニングセレモニーの中継に使用。ARのゲーム映像の配信や、事前に設定した広告を映像の前につけることなども可能。

マネタイズは?

マネタイズについては、「小さな会社が利益を作る体制を構築するには長い時間がかかる」とし、現在はプラットフォームとして基本機能を充実させることに集中している期間であることを説明。

「Twitterというエコシステムの中でPeriscopeを熟成させていくことにまず注力したい」と語った。(modelpress編集部)

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