新雑誌「着回し100BOOK」創刊/ミューズに抜擢された(左から)知花くらら、紗栄子(画像提供:小学館)【モデルプレス】

“ワンアイテム・ワンモデル”新雑誌創刊 知花くらら&紗栄子を創刊ミューズに抜擢<編集長インタビュー>

2015.10.16 00:00

小学館から新たなファッション誌「着回し100BOOK」が10月16日、23日の2週連続で創刊される。手掛けるのは同社「CanCam」前編集長の井亀真紀氏。“ワンアイテム・ワンモデル・ワンコイン”という新たな切り口でのファッション提案について、編集長に話を聞いた。

  
「around30~around40」をターゲットとした同誌は「ひとりのモデル」が「ひとつのベーシックアイテム」の着回しを100体見せていくというもの。モデル、アイテムは毎号替わり、#01(16日発売)では知花くららがユニクロのニット、#02(23日発売)では紗栄子がリーバイスのデニムを着回す。100日分の着回しスタイリングは「たとえば一枚の黒ニットと旅に出るなら…」「パリ・ミラノ・ロンドン・NY黒ニット四都物語」など、ストーリー性を持たせたロマンチック&スタイリッシュなヴィジュアルで展開。“ワンアイテム・ワンモデル・ワンコイン”でベーシックを追求した、“ノンエイジファッションストーリーマガジン”をキャッチコピーに掲げる。

100回着られる服を持ちたい時代

「知花くらら×ニット着回し100」(小学館 、2015年10月16日発売)
「知花くらら×ニット着回し100」より(画像提供:小学館)
ユニクロやリーバイスといった、誰でもすぐに手に入るアイテムを着回すという実用性と、ファッション誌に欠かせない“憧れ感”を兼ね備えた誌面展開。さらに定価500円という、学生から主婦層まで、幅広いターゲットを想定した“ワンコイン”の価格設定も特徴だ。

ファッション誌編集で25年以上のキャリアを持つ井亀編集長は「今、つくづく思うのは、ものすごくファッションセンスがいいわけでも、特別スタイルがいいわけでもなくても、誰でもきれいに、おしゃれに見える服って、すごく『普通の』『だれでも持ってる』服なんじゃないかということ」と語る。ネットショッピングやファストファッションの普及でトレンド服が溢れているからこそ「むしろ『服』に殺される時代だと思うんです」。ベーシック服を毎日の「白いごはん」にたとえ、「『白いごはん』がおいしくないと、結局、何を食べても、常に飢餓感があると思うんです。ファッションも同じ。普通の、ベーシックを自分のものにしていないかぎり、何を着ても、何を買っても、なんか、パッとしない自分がいて、また、無目的にただ買い物をして、お金を使ってタンスのこやしを増やし、またパッとしなくて自己嫌悪になるだけ。今回、1枚の黒いニット、1本のごく普通のデニムを使って、それぞれ100回、着回しているのですが、まさにこのニットやデニムが『白いごはん』。おいしい白いごはんがあれば、そこにたとえば梅干しひとつでも、ちりめんじゃこでも、そんなものが少しあれば、満足できるのは、ファッションもまったく一緒なんです」と企画意図を語る。

ひとりのミューズを徹底的に真似る

「紗栄子×デニム着回し100」(小学館 、2015年10月23日発売)
「紗栄子×デニム着回し100」より(画像提供:小学館)
1枚のニット、1本のデニムを、靴やバッグ、アクセサリーといった少しのアイテムで味付けしていく。当たり前で見過ごしがちな“ベーシック”に立ち返るため、あえて“着回し”に徹底的にこだわった。そしてもう1つの大きな特徴は“ワンモデル”。これについて編集長は「たったひとりのミューズがいれば、多くのモデルはいらない時代」と話す。

「くららさんと紗栄子さんを起用したのは、ただただ、自分が、このおふたりのことが好きだから。ファンだから。世の中には、星の数ほど美しいモデルさんたちがいるけれど、読者である私たちが『この人のこのコーディネートみたいな着こなしがしたい!』と思う人って、自分にとってのナンバーワンモデルがひとりいれば、十分だと思うんです。あの人も素敵、このモデルさんも素敵。とか思っても、自分のファッションがブレまくるだけ。この人が好き!素敵!かっこいいと思ったら、そのたったひとりのスタイルを、徹底的に真似るほうが、おしゃれに近づけると思います」。

「知花くらら×ニット着回し100」より(画像提供:小学館)
「知花くらら×ニット着回し100」より(画像提供:小学館)
編集長がこれまでのキャリアの中で「ワン&オンリーな人」と確信した、数少ない存在であるというモデル2人。「さっき、服に殺されると言いましたが、このふたりは、自分自身の魅力が強すぎて、どんな服もさっさとねじ伏せて、自分のものにしてしまうんです。KO勝ちですね」。その魅力について「くららさんは、上品で知的に見えるけど、私の中は、ヒップでモードで自由で、ある意味、つかみどころのない、パリジェンヌみたいな人。比較的長くおつきあいをさせていただいていますが、簡単に知花くららというものをわかろうとしても、無理です(笑)。紗栄子さんは、とにかく自分自身が彼女の大ファン。今回の撮影を含めて、何回かしかまだお会いしたことはないですが、好きすぎて、ガチで緊張しました。あの子猫みたいな小悪魔なルックスと、息をのむほどの頭のよさは、ずるいの一言。賢くてセクシーな人です」と賛辞を送り、「この企画はずっと前から温めていて、ずっと前からこのおふたりじゃなきゃやりたくないと、決めていました」と譲れないこだわりを明かした。

今後の展開は

2週連続創刊以降は、12月、来年2月と続けて発行予定。今後の展開については「まだあんまり何も決まっていないんですが、この着回し100を、もっともっと極めていきたいです」と編集長。ユニクロ、リーバイスに続くアイテムも気になるところだが「広告も必要なので、うちの服を100回着回してほしいというクライアントの方の声を待ってみようと思います。いや、ほんとに真面目に、クライアントのみなさま、お願いいたします」と熱を込めて呼びかけた。(modelpress編集部)

情報提供:「着回し100BOOK」(小学館)

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