韓国で「大食い」YouTube収益化停止の波紋、日本でも警戒…いま考える"大食い番組"のあり方
韓国で大食い(モッパン)系YouTuberの収益化停止が相次ぎ、波紋が広がっている。日本の大食い系YouTuberの間でも、「収益化を停止されるのではないか」と警戒する声が上がっている。
大食いだけでなくダイエット系YouTuberの収益化停止なども話題になっており、その背景にあるとみられているのが、YouTubeの摂食障害に関するガイドラインだ。YouTubeでは、摂食障害を助長する内容を規制しており、過食や嘔吐などを扱うコンテンツは広告収益の対象外となる可能性がある。韓国では、収益化再開のために過去動画を削除する配信者も現れた。
今回の騒動をきっかけに、改めて注目されているのが、日本でも長年人気を集めてきた「大食い」というジャンルの是非だ。その源流はテレビにあり、今も鉄板の人気企画の一つとなっている。しかし、不幸な事故をきっかけに番組が相次いで自粛された歴史があり、近年は摂食障害や子どもへの影響、食べ物の扱い方など、新たな問題も指摘されている。
日本のテレビで大食い企画が広く知られるようになったのは、テレビ東京系『日曜ビッグスペシャル』で1989年に放送された「全国大食い選手権」がきっかけとされる。1992年にスタートした同局系『TVチャンピオン』に引き継がれ、赤阪尊子、小林尊、ジャイアント白田ら大食いスターが誕生。大食いに競技性が付加されたことで、一大エンタメへと成長していった。
人気は他局にも波及し、2000年代初頭にはTBS系『フードバトルクラブ』などの大食い番組が登場。「フードファイター」という呼び名も浸透した。2000年には草彅剛主演の日本テレビ系ドラマ『フードファイト』まで制作され、「俺の胃袋は宇宙だ!」という決めぜりふが話題に。大食いはゴールデンタイムをにぎわせる人気ジャンルとなった。
しかし、ブームは2002年に大きな転機を迎える。愛知県の中学生が給食の時間に同級生とパンの早食い競争をし、喉に詰まらせて亡くなる事故が発生。大食い番組をまねた行為だったとされ、各局は相次いで大食い・早食い企画を自粛した。
テレビ東京が大食い企画を復活させたのは2005年。早食いにならないよう制限時間を十分に取り、医師を収録に立ち会わせるなど安全対策を強化した上で、『元祖!大食い王決定戦』をスタートさせた。その後はギャル曽根、もえのあずき、MAX鈴木ら新たな人気者が生まれ、大食いは再びテレビの定番企画として根付いていった。2010年代に入ると、大食いジャンルはYouTubeへと広がった。木下ゆうか、ロシアン佐藤、はらぺこツインズらYouTubeを中心に活躍する大食いスターが人気を集め、単なる大食いだけでなく、巨大料理や新商品の大量実食など企画の幅も広がった。
テレビでも人気は根強く、2026年4月にはテレビ東京系『最強大食い王決定戦2026春』が放送され、9月28日には同局系で『最強大食い王決定戦2026秋 世界王座編』が放送される。
不幸な事故を経て、安全面への配慮を意識しながら「大食い」ジャンルは復活したが、近年は別の角度からも厳しい目が向けられている。過食や摂食障害との関係、子どもへの影響などが危惧されており、さらにSDGsへの関心が高まる中、大量の食べ物を娯楽として消費することにも賛否がある。
実際、摂食障害については、大食い番組などに出演した元フードファイターの女性が2010年に自身のブログで告白している。過食嘔吐に悩みながら、大食いを続けていたという。
女性は試合後に選手が嘔吐しているとのうわさについて、「嘔吐タイプの選手間ではそういう行為はお互い暗黙の了解。一緒にトイレに行きますし、スタッフの方もその辺のケアはしっかりと行ってくださいました」と明かし、一部ではあるものの、複数の選手が大食い後に吐いていたことを示唆した。
また、2025年12月には韓国在住の日本人YouTuberが、韓国風アメリカンドッグ「ハットグ」を食べる動画で、口にしたものを机の下に吐き出したように見える場面が映り込み、物議を醸した。「本当に食べているのか」「食べ物を無駄にしていないか」といった部分にも厳しい目が向けられるようになっている。
テレビからYouTubeへと舞台を広げ、時代に合わせて形を変えてきた大食いコンテンツ。人気ジャンルだけに影響は大きく、韓国で起きた収益化停止の動きをきっかけとして、そのあり方を改めて考える必要がありそうだ。
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