SUPER EIGHT、公演時間4時間越えの“成人式”で涙 京セラドームで熱狂の「超DOME TOUR 二十祭」完走
2025.01.14 13:00
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SUPER EIGHTが1月13日、京セラドーム大阪にてドームツアー「SUPER EIGHT 超 DOME TOUR 二十祭」ファイナル公演を開催。公演時間4時間越えとなるライブで感謝の思いを伝えた。
SUPER EIGHT「二十祭」完走
2025年1月13日。成人の日にSUPER EIGHTは自らの20周年を祝うかのように、ドームツアー「SUPER EIGHT 超 DOME TOUR 二十祭」を完走した。道の途中、ともに歩んできた仲間と別々の道を選ぶという経験もした。それも1度ではない。どんなに強く見えても、苦しくないなんてことはなかったはずだ。さらには20周年のアニバーサリーイヤーの冒頭に、「この名前を大きくするんだ」と背負ってきたグループ名を手放すという衝撃的なニュースが流れた。彼らにとって、体の一部を失うような痛みがあったはずだ。メンバーだけでなく、その名を愛してきたファンを思うと、相当な覚悟と勇気が必要だっただろう。けれど、彼らは歩みを止めなかった。「SUPER」というもっと大きな看板に、自分たちの思いも歴史も全部詰め込んで、20周年の瞬間を迎える決意をしたのだ。“最強の5人さえいれば、大切なファンと、大切な仲間と紡いできた過去は、何ひとつ消えない”。それを「二十祭」という舞台で彼らは証明した。
SUPER EIGHT、過去のライブ演出も復活
京セラドーム大阪で行われた「二十祭」ファイナルは、グループの原点でもある「浪花いろは節」でスタート。袴姿のSUPER EIGHTがステージにそびえ立つビル群の上に登場すると、ビル屋上で行われたデビュー会見を彷彿させる演出にEIGHTER(SUPER EIGHTのファン名称)から大きな歓声が上がる。「NOROSHI」「キング オブ 男!」など、SUPER EIGHTらしい泥臭く熱い楽曲とド派手な炎の特攻で会場のボルテージを一気に上げると、「無責任ヒーロー」へ。最新曲であろうと、懐かしいナンバーであろうと、イントロが流れれば会場のペンライトが同じ動きをする。ライブ中、何度も広がったその光景に5人とファンが積み重ねてきた時間と絆を見た。
村上信五が「男EIGHTER!」と呼びかけると、男性ファンの野太い声が響く。キャリアを重ねるごとに幅広い層からの支持を得て、年々増え続けてきた男EIGHTERの声も彼らの歴史を物語っているようだった。そして、ライブ定番曲の「ズッコケ男道」へと続く。2007年の47都道府県ツアーで着用した特攻服に身を包み、当時のドーム公演でも使用したポケバイにまたがって会場中を駆け回る、懐かしい演出の再現に会場も大いに盛り上がった。
約14年ぶりに、2010年のLIVE TOUR「8UPPERS」の演出も復活。メンバーがタイトな黒スーツをまとう映像が映し出されると、会場にざわめきが起こる。そして「Jackhammer」で横山裕がたばこに火をつけ、床に叩きつけるように投げた瞬間、ステージに炎が上がり、ドームが揺れるほどの歓声が響いた。「夢列車」では、センチメンタルなメロディーを感情たっぷりに歌い上げる5人。“最高の仲間たち”とアイコンタクトを取りながら、昔と変わらずわちゃわちゃする姿をEIGHTERが見守る光景は、何とも言えない温かさに満ちていた。
ファンにとって、うれしいサプライズとなったのがユニット曲&ソロ曲。横山作詞、安田章大作曲の「Kicyu」は、当時の衣装をオマージュした新衣装をまとい、昔のままの振付で再現。一方、大倉忠義は16年ぶりに、ソロ曲「だってアイドルだもん!!」を披露。当時グッズとして生まれたクマのぬいぐるみ“オオクマ”のビッグサイズとパジャマ姿の大倉がステージに登場し、チャーミングなパフォーマンスで沸かせる。ライブ後半には村上と丸山隆平が、しっとり色っぽく歌い踊るユニット曲「YOU CAN SEE」を。今だからこその、大人の余裕で魅了した。
SUPER EIGHT、著名人に自らオファーでコラボ実現
SUPER EIGHTのライブはバンドがないと始まらない。ライブ中盤ではバックステージ上に大倉のドラムが置かれ、安田と横山はギターを、丸山はベースを、村上はショルダーキーボードを抱え、花道を歩きながらアグレッシブに演奏。「Do you agree?」や「強情にGO!」など、近年のバンド定番曲とは、またひと味違う選曲で楽しませる。楽器についた傷と擦れた跡は、表には出さない彼らの努力の痕跡だ。後半戦はダイナミックにポップアップで登場し、グループ唯一のメンバー紹介曲「SUPER ∞ o’clock 」でスタート。「“超”前向きスクリーム!」では笑福亭鶴瓶や古田新太、南原清隆、東京スカパラダイスオーケストラ、マツコ・デラックス、Perfumeら(敬称略)も映像でダンスに参加。お世話になってきた著名人にメンバー自らオファーし、実現したスペシャルな映像に会場も大興奮だった。
EIGHTからのサプライズは、まだまだ終わらない。2014年-2015年のツアーで人気を博した楽曲「三十路少年」が、約10年のときを経て復活。大倉以外が40代となったこのタイミングで、リアレンジした「四十路少年」に会場が沸く。四十路アイドルの決意を込めた全力のパフォーマンスは、”これぞSUPER EIGHT”という魅力にあふれていた。
一転、「Water Drop」では、初の5大ドームツアー『EIGHT×EIGHTER おもんなかったらドームすいません』の演出を13年ぶりによみがえらせた。花道にかかった噴水のアーチをくぐり抜けながら、歌い踊るメンバーたち。懐かしくも美しい、幻想的な世界に観客もグッと引き込まれた。
静まり返った会場にピアノの音色が響く。現れたのはスポットライトに照らされ、グランドピアノで繊細なメロディーを紡ぐ村上。やがて「大阪ロマネスク」のフレーズへとつながり、メンバーがピアノの周りに集まってくる。SUPER EIGHTとEIGHTERの大切なラブソングが、しっとりとドームに響き渡った。
さらに、あふれ出しそうな涙をこらえるように「ツブサニコイ」を感情たっぷりに歌ったあとは、10周年に「10年後またここで会おうよ」と歌った「象」を、まさに“10年後”のこのタイミングで熱く届けた。「LIFE 〜目の前の向こうへ〜」の全身全霊の演奏は、会場中のEIGHTERの心を震わせた。
SUPER EIGHT、涙で語った思い
興奮冷めやらぬドームに、やさしいまなざしを向けるメンバーたち。1人ひとりが真っ直ぐな言葉で、EIGHTERに思いを届けた。村上は「根拠のない自信だけがずっと自分を支えてて…それが、今日確信に変わりました。これから20年って想像もつかないし、待ち受けてのは難しいことの方が多いんでしょうけど、それでも過去の20年、乗り越えられないことがなかったのがSUPER EIGHTですから。今までは(ファンに)連れてきてくれてありがとうって言ってきましたけど、これからは安心して引っ張っていける5人でいたいと思います」と涙しながら語った。
安田は「(ファンが)立ち止まりそうになったとき、支えてあげられるのが僕たちでありたいなって思うんです。これまで支えてもらってきたし、連れてきてもらったから、あなたたちの背中をさすりたいし、松葉杖になりたい。骨折してないときも、松葉杖使ってください(笑)」と温かい中にも笑いを届ける。
そして「ここ数年、試練かなって思うくらい辛いことが続いて。でも、くじけてしまうと一歩を踏み出せないような気がして。それが…1人で飲んでるとき、ポロっと泣けたんですよね。“俺、辛かったんや”って。それでも走らなと思ってやってきたけど、このライブで清算されたような気がします」と大倉。「4万5千人って言葉にすると1つの画に聞こえるけど、4万5千通りの人生があると思ってます。その中に俺らを参加させてくれて、自分のことだけでも大変なのに俺らの活動を1コ1コ応援してくれて。その1人ひとりの声が、ここまで連れてきてくれた気がします」と続けた。
また、丸山は今までのメンバー1人ひとりとの出会いを語りながら「同じ時代で、(それぞれの)人生は続いてますから。いろんな形があっていいと思うし、それぞれが力強く生きてる。(出会いを語りたくなるような)そんな気持ちにさせてくれる、セットリストのライブでした。みんなが思い切り声を上げて楽しんでくれて、本当に感謝しています。これからも…SUPER EIGHTに刮目せよ!」と丸山らしく明るく締めた。
最後に「20年前の自分に、頑張ったらこんなすごい景色見られんねんでって言ってあげたい」と話し始めた横山は、「月日が流れる中で、いろんな気持ちが整理されて、浄化されて。(過去のことが話せるようになったのは)5人のSUPER EIGHTが、今めちゃくちゃカッコいいって思えるからやと思います」と。「当たり前なんてないんです。永遠なんてないんです。でも、僕はこのメンバーやったら信じてもいいかなって思ってます」と語る。さらに、照れながらも「こういうときじゃないと、あんまり感謝のきもちなんていわれへんから」とメンバー5人それぞれへ素直な気持ちでいっぱいの感謝の想いを伝えた。
ラストソングは「二十祭」のために書き下ろされた新たなバラード「LIFE GOES ON」。5人は肩を組み、ときに目を合わせながら、共に歩んできたEIGHTERへの感謝、これからも無限大∞に続いていく未来に思いを馳せた。
Wアンコールも実施「無限大」会場中で合唱
アンコールでは、トロッコに乗るメンバーが登場すると、松竹座時代から歌ってきた懐かしい楽曲など12曲を詰め込んだメドレーで会場を盛り上げた。さらに、SUPER EIGHTが紡いで来た楽曲達を歌詞やメロディーに散りばめた「軌跡とキセキ」を披露。ここでライブは終演かと思われたが、流石は地元・大阪。鳴り止まない「EIGHTコール」に応えた5人が再登場し、Wアンコールとして、「無限大」を会場中で合唱した。
過去をただ振り返るのみならず、出会いと別れすらも力に変え、絆を深めたグループの軌跡が詰め込まれたライブは、まるで壮大な映画のよう。そして、原点を忘れることなく、全てを前進する力に変えてきた5人は、やがて最高のSUPER EIGHTというグループを作り上げ、20年経った今も最強を更新し続けている。まさに、“最高で最強”のSUPER EIGHTがそこにいた。(modelpress編集部)
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