手越祐也、全国ツアー完走でサプライズ 初2マンツアー&シンフォニックコンサートも発表<ライブレポート>
2023.06.02 18:00
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アーティストの手越祐也が5月31日、KT Zepp Yokohama(神奈川)にて2ndアルバムを引っ提げた全国ツアー「手越祐也 LIVE TOUR 2023『CHECKMATE』」のファイナル公演を迎えた。
手越祐也、全国ツアー完走
2021年7月7日にソロデビューし、精力的に音楽活動を行っている手越。2022年後半に開催した全国ツアー「手越祐也 LIVE TOUR 2022『Music Connect』」はその名の通り、音楽を通じて出会った仲間やスタッフ、オーディエンスも含めて作り上げた“アーティスト・手越祐也”の第一章として、いわば完成形ともいえるステージとなった。つねにサプライズを提供する手越に対し、「次に彼は何を見せてくれるのだろう?」と期待するなか、4月5日にリリースされた2ndアルバムのタイトルは「CHECKMATE」。これまで以上に挑戦的かつ実験的に、さまざまなアプローチを用いてヴォーカリストとしての表現力を示す渾身の一枚は、まさに手越からチェックメイトを突きつけられたかのような圧倒的なパワーにみなぎっていた。そんな2ndアルバムを引っ提げ、4月12日のZepp Hanedaを皮切りに5都市をまわった。
手越祐也、磨き上げたパフォーマンス披露
ファイナル公演のオープニング曲は「MAZE WORLD」。2ndアルバムに収録されている曲ではあるが、2022年5月の「スペプラ手越 FES.2022」で初披露されたのち、ツアーのたびに熟成を重ねてきただけあって、オーディエンスの反応も抜群。重低音が響くダンスナンバーに会場のボルテージが一気に上昇する。続く「Just Right」では軽やかなダンスと流れるようなラップを披露し、「OVER YOU」ではオーディエンスを鼓舞しながらコーラスをうながす。「Comfort Zone」は曲調がクルクルと変わる難曲だが、ツアーを回るなかでパフォーマンスを磨き上げてきたのだろう、セクシーでムーディーな手越の“全部詰め”ともいえるステージに仕上がった。
「ラヴァゲラ」では一転して、一人ひとりに優しく語り掛けるように歌う姿が印象的だ。サビの部分では会場がひとつになって、ひらりと手を揺らす光景が美しい。英詞の「HOTEL」は軽快なメロディと手越のキュートなダンスに加えて、オーディエンスのコーラスが光るピースフルな楽曲だ。あたたかい空気に包まれた会場を嬉しそうに見渡す手越の表情が印象的となった。
手越祐也、ファンに対する些細な気遣いも
オープニングから6曲続けて2ndアルバムの楽曲を披露したわけだが、改めて振り返ると、ジャンルも発声方法も異なるバラエティに富んだラインナップに驚かされる。しかも手越はステージ上で得たインスピレーションに従いライブ毎に表現や発声を細かく変えていくため、同じ楽曲でもまったく違う印象を受ける場合もあり得るのが面白い。続く「サイダー」は2022年から何度もステージ上で披露された楽曲で、しっとりと丁寧に歌い上げる手越の声がすっと心に染み入る印象が強い。だが、この日の歌声はこれまで以上に甘く響いたためであろうか、言葉の一つひとつがより艶やかに感じられ、心に絡みつくような印象のほうが強かった。こういった多彩な表現を可能にするのが、ヴォーカリスト・手越の魅力のひとつといえよう。
もちろん、それは一朝一夕で会得したものではない。MCではソロデビュー以降、ステージに立ち続けてきたからこそ見えた景色について語り、自らの成長を実感していることを明かした。ライブ生配信を観ているHONEYYY(=手越のファン)からのコメントを拾い、返答する一幕も。「HONEYYYを幸せにする」と日頃から豪語している手越らしい気遣いだった。
ライブも中盤に差しかかったところで、手越からHONEYYYにスペシャルなプレゼントが贈られる。2ndアルバムに収録されている「この手とその手」を歌うにあたり、ファイナル公演のみのサプライズ演出として、アルバムにも参加した16人のコーラス隊が登場。音大生の彼らは「スペシャルゲストとして、ファイナル公演に出演してほしい」という手越のオファーに驚いたそうだが、みな堂々とその美しく瑞々しい歌声を会場に響かせた。
続く「Peaceful for you」でもこの日限定のコーラスを披露。オーディエンスからは大きな拍手が送られ、「こういう仲間がたくさんいるのも素敵でしょ?」と嬉しそうに語る手越の笑顔が印象的となった。
手越祐也、YOASOBIの「アイドル」をカバー
サプライズはさらに続く。「俺ら(HONEYYYと手越)のラブラブを、まだライブを見たことがない人たちに見せつけてやろう!」とのことで、YouTubeに公開するためのライブ撮影が急遽行われる。披露された楽曲は、HONEYYYからのリクエストが多かったYOASOBIの「アイドル」だ。粋な提案に大きな歓声が沸いたのち、HONEYYYと手越による“歌ってみた動画”が完成。後日手越のチャンネルにて公開予定だ。「この勢いで言っちゃうよ?」と続いて告知されたのが、手越初となる2マンツアー「2ぺプラ手越-TWO MAN ZEPP TOUR-」(8月31日~9月27日)と2度目のシンフォニックコンサート「手越祐也 Symphonic Concert 2023 Vol.2」(8月12日)の開催。「今年の夏もHONEYYYは忙しくなるよ~」との言葉に、会場からは嬉しい悲鳴があがった。
“新しい手越祐也”見せつける「現状維持は退化と同じ」
シックな衣装で登場したライブ後半は「MAKE ME ALIVE」から始まり、「ウインク」「ドラキュラ」「御どれ踊れや己が苑」と一筋縄ではいかない楽曲が続く。パワフルなシャウトや拳を突き上げるパフォーマンス、ガサついた発声、息をつく間もないほど速いBPMといった難題に果敢に挑むアーティスト・手越に振り落とされないように、オーディエンスも一層ステージに集中する。ザクザクと体力が削られていきそうなセットリストをものともせず、ときに力強く、ときに軽やかに、感じたままを自由に表現する手越の姿に圧倒されつつ、一瞬も目を離せない求心力に心地良さを感じる時間となった。ライブ本編ラストは「Ready Steady」。聞く者に「過去ではなく未来に向かって歩んでいこう」とエールを贈る楽曲だ。自らの思いを乗せながら、その瞬間出し得る最大のパフォーマンスでオーディエンスと向き合う手越は、HONEYYYにとってとびきりかっこいいダーリンなのだろう。MCでこぼれ出た「ライブでは一瞬一瞬が(HONEYYYとの)愛の飛ばし合い勝負」との言葉はたしかに、客席での声出しが解禁された今だからできる歌声の掛け合いからもうかがえる。メロディラインをオーディエンスが歌い、手越がコーラスをつけ、ライブが終わってからもしばらく耳に残って離れないあたたかい歌声となった。
もうひとつ、「目に焼き付いた」のは全編を通じての照明と演出だ。ときに優しく、ときに心を侵してくるかのような攻撃的な照明は、これもまた「新しい手越祐也」をしっかりと認識させていた。
HONEYYYたちの「ダーリン」コールで再度登場した手越は、自身の在り様を強く示す楽曲でもある「ONE LIFE」をしっとりと聞かせたのち、「運命共同体」と断言するHONEYYYたちへ捧げるラブソング「HONEYYY」を軽快なダンスとともに披露する。ステージと客席が一体となって大きく手を振る「モガケ!」で再び会場には多幸感があふれ、ラストの「LOVE SENSATION」ではHONEYYYたちを挑発するかのようにセクシーな歌声を轟かせた。
アンコールの4曲だけでも物語性に富んだステージを披露する手越。「現状維持は退化と同じ」と語る彼は次に何を見せるのか。(modelpress編集部)
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