<ニュー・ホープ・クラブ インタビュー>期待のUKポップ・バンドがデビュー 世界で熱狂的なファンを集める魅力とは
2020.02.14 19:00
2020年のバレンタインデーに待望のデビュー・アルバム『ニュー・ホープ・クラブ』をリリースしたニュー・ホープ・クラブ。2015年に結成してから地道なツアー活動を行い、世界中で熱狂的なファンを獲得してきた。今回インタビューに応えてくれたのはブレイク・リチャードソン(ボーカル・ギター)。メンバーのジョージ・スミス(ボーカル・ギター)とリース・ビビィ(ボーカル・ベース・ドラムス)の3人が鳴らすポップでカラフルな世界に迫る。
目次
UKのポップ・バンドが日本デビュー
イギリス出身の3人組で結成されたニュー・ホープ・クラブ。全員がソングライターでボーカルを担当し、複数の楽器を演奏する。メロディを大切にした明るく爽やかなポップ・ソングを、エレクトロニックやR&Bの要素を持ち合わせた様々なサウンドで届ける。2016年、UKを代表するポップ・バンドのザ・ヴァンプスのツアーに参加し、10,000人以上の観客の前で初ライブを行った。2019年11月、初の単独来日公演が完売。日本限定CD「ウェルカム・トゥ・ザ・クラブ - EP」もリリースされた。
シングル「レット・ミー・ダウン・スロウ(with R3HAB)」は、オランダのプロデューサー/DJのR3HABをゲストに迎え、ニュー・ホープ・クラブの持ち味であるポップ・サウンドがEDMビートで彩られている。MVはフランク・ボリンとジョーダン・ウォージーによって、東京で撮影された。
ニュー・ホープ・クラブの結成秘話
― デビュー・アルバムのリリースおめでとうございます!まずは結成のきっかけを教えて頂けますか?ブレイク・リチャードソン(以下、ブレイク):メンバー3人は元々ソロで活動していたんだ。でも僕はずっとバンドをやりたいと思っていて、それが夢だった。YouTubeで色んなバンドが一緒にプレイしている映像をチェックしていると、ものすごく楽しそうに見えたんだよね。友達と一緒にわちゃわちゃ楽しんでいる感じがして。それは決して、ソロのシンガー・ソングライターがつまらないってことじゃないんだけど、やっぱり一人で活動するのは孤独なんだ。
― そこからニュー・ホープ・クラブを結成されるんですね。
ブレイク:ニュー・ホープ・クラブを結成し、仲間と一緒に音楽を作って一緒に旅をするっていうのは本当に楽しいよ。この3人で一緒にプレイし始めてみると、気が合うことに気付いた。すぐに仲良くなって、親友になっちゃったんだ。それも素晴らしかった。3年間毎日一緒に同じ部屋で過ごしたから、お互いのことなら何もかも知り尽くしているしね。音楽的な面については、ザ・ヴァンプスの前座を務めた時にツアー活動をスタートして、ステージで一緒にパフォーマンスをするようになってから相性を深めた感じだね。そして、だんだん自分たちがどういう音楽を作りたいのか見えてきた。出会ってすぐに親友になったけど、バンドとしての形が固まってきたのはツアーを始めてからだよ。
― メンバー全員がシンガー・ソングライターというユニークな成り立ちですが、他のバンドとは違う部分を意識したりも?
ブレイク:元々全員がバンドをやりたいと思っていたから、あまり変わらないと思うよ。それぞれにまずソロ・アーティストとしての体験があって、それがアーティストとしての自分たちを形作っている。その後にバンドを結成したっていう順番は間違いない。そうやって得た知識をニュー・ホープ・クラブとしての音楽作りに活かしているわけだから、ソロの体験があることは僕らにとってプラスに働いたんじゃないかな。とにかく、この3人が巡り合えたこと、そしてこんなにも仲良くなれて、一緒に音楽作りができているってこと自体が、素晴らしいと思うんだ。
― メンバー同士が本当に仲良しなんですね。良い人間関係を築く秘訣はありますか?
ブレイク:お互いをちゃんと理解するってことかな。例えば、誰だって時には気分がパッとしなくて、あまり人と喋りたくない日があったりする。毎日一緒にいると、そういうことも分かってくるんだ。そういう時に思いやれるかは重要だよね。手がふさがっていたら、荷物を代わりに運んであげるとか。ほんの些細なことであっても、人間関係を良好に保つためには意味があると思うよ。とはいえ、人間の相性って無理に作り出せるものじゃないから、合うのか合わないのかはあると思う。努力をして仲良くすることだって不可能じゃないんだけど、僕らの場合は音楽の趣味やスポーツの趣味も似ていて。そういう意味では本当にラッキーだと思う。
デビュー・アルバムはこだわり過ぎた?
― デビュー・アルバム『ニュー・ホープ・クラブ』は2月14日にリリースされました。バレンタインデーを選んだのはあえて?ブレイク:意図的に選んだわけじゃないんだ(笑)。でもLOVEが溢れるバレンタインデーにリリースすることで、ファンに対する僕らのLOVEを表現するのもいいのかなって思ったのは確かだよ。それに長い目でスケジュールを見た時にも、ちょうどいい時期だった。だからアルバムを保留してバレンタインデーにリリースしたとかではないよ(笑)。偶然にもタイミングが合ったんだ。
― 偶然ではありますが、バレンタインデーにぴったりなアルバムだと感じますか?
ブレイク:そうだね、間違いなくラヴソングも数曲入っているから。でも色んなタイプの曲が収められているから、リスナーのみんなが恋をしている恋をしていないに関わらず共感できる曲があると思うよ!
― 確かにバラエティ溢れるアルバムですね。「ノウ・ミー・トゥー・ウェル」はラテン、「メディシン」はディスコのスタイルで、「レット・ミー・ダウン・スロウ」は今っぽいダンス・ポップで。
ブレイク:今作のアルバムは、これまでに行なってきた様々なサウンドの実験を全て網羅しているんだ。「パーミッション」はダンサブルだし、「ラヴ・アゲイン」はインディ・ロック風のサウンドを取り入れていたりする。デビュー・アルバムってそういうものだと思っていて、バンドが始まってから3年半の試みを全部聴かせている。究極的には、みんなに聴いてもらって、共感してもらって、楽しんでもらえればそれだけで充分なんだけどね。
― 「ギヴ・ミー・タイム」は3人だけで全部の楽器をプレイし、ブレイク・リチャードソンさん自身がプロデュース。バンドとしてのエッセンスを見せる曲だと感じました。
ブレイク:うん、100%そう言えるよ。こういう曲が絶対に必要だった。「ギヴ・ミー・タイム」には僕らの色んなインスピレーションが反映されているからね。例えば僕とリースはマンチェスターで育ったんだけど、この曲からはマンチェスターらしいサウンドも感じられる。3人で集まって書いて、演奏して、僕がプロデュース。本当の意味で最高にピュアな形で僕らを表現した曲なんだよね。もちろん、才能豊かな外部のソングライターたちとコラボできるっていうのも本当に恵まれている。でも時には、3人だけで素晴らしい曲を作り出せるんだという実力を見せたかったんだ。
― タイトルはすごくシンプルですが、メンバー3人の意見が一致したんですか?
ブレイク:うん。以前から、デビュー・アルバムのタイトルはバンド名にしようって、みんなで話していたんだ。これまでの僕らのストーリーを語るアルバムだから、ストレートでシンプルなタイトルにしたかったんだよ。
― デビュー・アルバムを制作した際のエピソードがあれば教えてください。
ブレイク:時間をかけて慎重に作ったから、特に事件はなかったんだよね。じっくり学んで、アルバムに収めるべき曲を絞っていった感じなんだ。全員が完璧主義者だから、何をやるにしてもベストな形にしたいと思っていて、こだわり過ぎる傾向があった。“もうこの辺にしておこうよ”って、自分たち自身を止めなくちゃならないことがよくあったかもしれない。“これはまだデビュー・アルバムなんだから、また次のアルバムで頑張ればいい”ってね(笑)。
ブレイク・リチャードソン「とにかく日本のファンは素敵」
― アルバムにも収録されている最新シングル「レット・ミー・ダウン・スロウ」のMVは東京で撮影されたと聞きました。ブレイク:東京は2019年のツアーの最終公演地だったわけなんだけど、「レット・ミー・ダウン・スロウ」のMVは最終公演日の時期までに撮影しなければいけなかったんだ。だから「せっかく日本に行くんだから、日本でやりたいことに挑戦しよう」という話になった。“日本でやりたい”というのがMV撮影をすることだったんだ。日本が大好きだから、MV制作を通じて日本のカルチャーを掘り下げて、ファンにも出演してもらいたかった。結果的に以前からやりたかったことをたくさん実現できた。何しろ力士まで登場させちゃったからね(笑)。撮影はクールで本当に楽しかったよ。素晴らしい監督(ジョーダン・ウォージー)ともコラボもできた。彼はかなりビッグなアーティストのMVを手掛けているだけに、すごくエキサイティングだった。新しいことに挑戦するっていうのは、常に楽しいことだからね。
― 昨年のツアーは東京でのライブで終了したわけですが、いかがでしたか?
ブレイク:あれは最高の夜だった。ファンのみんなも絶好調で、声援がものすごくラウドだったしね(笑)。ずっと叫びっぱなしだった! 実を言うと僕はツアー最終日までの1週間ずっと体調を崩していて、声が出なかったんだ。回復して最初のライブだったんだけど、あんなにも僕らを熱狂的に支持してくれるファンの前で、無事にパフォーマンスを終えられたのも嬉しかったよ。
― 日本でのライブは他の国と比べて違いはありましたか?
ブレイク:日本のファンは礼儀正しくて、本当に素敵なんだ。ツアー最終日の後、大勢のファンと実際に会う機会があったんだ。その時もみんな素敵で優しくてね。短い時間だったけど、一緒に過ごせたのはいい体験だった。僕たちからも「ニュー・ホープ・クラブをどこで知ったの?」とか色んな質問をしたりして。とにかく日本のファンは素敵なんだ。
― 2020年5月にはまた来日するとお聞きしました。さらに進化したライブを期待していいでしょうか?
ブレイク:そうだね。アルバムがリリースされた後だから、どんどん新しい曲も披露したいしね。セットリストを入れ替えて、曲のアレンジも変えて、とにかく前回よりエキサイティングなライブにするよ。僕たちはライブ・パフォーマンスを向上させることを常に意識しているからね。前回のツアーもすごく満足していて、好評だった。何しろ丸1年ツアーに費やしたから、着実に前進した気がする。次は古い曲をいくつかカットして、新しい曲を加えるつもりだよ。まだあまりネタバレはしたくないけど、楽しみにしていて欲しいな。
ニュー・ホープ・クラブの夢を叶える秘訣
― 今夢を追いかけているモデルプレス読者へ、夢を叶える秘訣を教えて頂けますか?ブレイク:僕ら自身も今まさに夢を追いかけているところで、まだまだやりたいことがたくさんある。でもそんな僕が何か助言できるとしたら、とにかく自分を信じるってことなのかな。そして、目標に向かって突き進むしかない。今の時代はSNSのおかげで、自分の作品を人々と簡単に分かち合う手段がたくさんある。あと、ハードワークをいとわずに、時間をかけることも重要だと思う。運に恵まれてチャンスが巡ってきたとしても、時間をかけて努力しないことには成果は得られないと思うんだ。だから焦らないことが大切。ミュージシャンならちゃんと楽器を練習するとか、ソングライティングや歌についても、同じことが言えるね。そしてとにかく可能な限り多くの人に、自分がやっていることを伝えなくちゃ。
― 最後に日本のファンへメッセージをお願いします。
ブレイク:まずは、これまで応援してくれたことにお礼を言いたいな。ファンの中にはデビュー以来ずっと応援してくれてきた人もいるからね。とはいえ、長年のファンも新しいファンも関係なく、みんな僕らを応援してくれて、僕らのことを世界に伝えてくれて、本当にありがとう。このアルバムは君らのために作ったものだから、みんなで分かち合ってくれたら嬉しいな。みんなのことを愛しているよ!
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)[PR]提供元:ユニバーサルミュージック合同会社
ニュー・ホープ・クラブ プロフィール
イギリス出身の3人組。全員がソングライターでボーカルを担当し、複数の楽器を演奏する。アンセミックでアコースティック・ギターが主導するポップ・ミュージックを作ることを使命とし、明るく爽やかなポップにエレクトロニックやR&Bの要素を持ち込んだ曲は、世界各国で人気急上昇中。3人とも音楽的な家庭に育った。リースはベース、ギター、ドラムを演奏し、ジョージはギター他8種類の楽器をマスターしていて、ブレイクはギター、ピアノ、ウクレレを弾く。2015年夏に出会い、次第に3人で曲を書くようになった。2016年ザ・ヴァンプスのツアーに参加し、ザ・ヴァンプスのステージのゲストとして10,000人以上の観客の前で初ライブを行った。
2017年5月デビューEP「Welcome To The Club」リリース。2018年10月セカンドEP「Welcome To The Club Pt. 2」(UK、ドイツ他10カ国のiTunesで1位を獲得)、その前後にもシングルをコンスタントに配信リリース。2017年10月、ザ・ヴァンプス来日公演のスペシャル・ゲストとして初来日。2019年11月初の単独来日公演(ソールドアウト)に合わせて日本限定CD「ウェルカム・トゥ・ザ・クラブ – EP」がリリース。2020年2月デビュー・アルバム『ニュー・ホープ・クラブ』リリース。
デビュー・アルバム『ニュー・ホープ・クラブ』
■DVD付デラックス盤【CD+DVD】\3,500+税/各メンバー・ジャケット・カード封入■通常盤【CD Only】\2,200+税
※日本盤ボーナス・トラック6曲収録
※ミニ・ポスター封入
【CD】
1. Love Again ラヴ・アゲイン
2. Let Me Down Slow (with R3HAB) レット・ミー・ダウン・スロウ(with R3HAB) <シングル>
3. Know Me Too Well (with Danna Paola) ノウ・ミー・トゥー・ウェル(withダナ・パオラ)
4. Permission パーミッション
5. Fixed フィックスト
6. Medicine メディシン
7. Give Me Time ギヴ・ミー・タイム
8. Serious シリアス
9. Crazy クレイジー
10. Let Me Down Slow (Original Mix) レット・ミー・ダウン・スロウ(オリジナル・ミックス)
11. You And I ユー・アンド・アイ
12. Why Oh Why ホワイ・オー・ホワイ
13. Karma カーマ
14. Just To Find Love ジャスト・トゥ・ファインド・ラヴ
15. We Broke Up In A Dream ウィ・ブローク・アップ・イン・ア・ドリーム
16. Flight Away フライト・アウェイ
17. Remember リメンバー
18. How To Say I Love You ハウ・トゥ・セイ・アイ・ラヴ・ユー
19. Turning Red ターニング・レッド
14~19:日本盤ボーナス・トラック
<14、15:海外ブレイク盤アルバムより / 16、17:海外ジョージ盤アルバムより / 18、19:海外リース盤アルバムより>
【DVD】字幕付
・Film Documentary フィルム・ドキュメンタリー(ザ・ラヴ・アゲイン・ワールド・ツアー)<約59分>
・オーディオ・コンテンツ
Love Again ラヴ・アゲイン
Let Me Down Slow (with Rehab) レット・ミー・ダウン・スロウ(with R3HAB)
Know Me Too Well (with Danna Paola) ノウ・ミー・トゥー・ウェル(withダナ・パオラ)
Permission パーミッション
Fixed フィックスト
Medicine メディシン
Give Me Time ギヴ・ミー・タイム
Serious シリアス
Crazy クレイジー
You And I ユー・アンド・アイ
発売日:2020年2月14日(金)
<来日公演>
2020年5月19日(火)梅田クラブクアトロ
2020年5月20日(水)恵比寿ザ・ガーデンホール