「KICK THE CAN CREW 復活祭」/撮影:岸田哲平&中河原理英

KICK THE CAN CREW14年ぶり復活祭!「千%」で感動の渦に RHYMESTER、倖田來未らが競演<ライブレポート>

2017.09.09 21:42

約14年ぶりに新譜(アルバム「KICK!」8月30日)をリリースし、活動再開宣言したKICK THE CAN CREW(キック・ザ・カン・クルー)が9月7日、東京・日本武道館にて「KICK THE CAN CREW 復活祭」を開催。結成20周年を迎える2017年、鮮やかにカムバックを果たした。

  

<1000%の確率>キャラ立ち3本マイクが魅せた未来

KICK THE CAN CREW自身、約15年ぶりの日本武道館ライブ。その記念すべき日を飾った楽曲たち。会場に駆けつけたファンたちが待ちに待ったこの日、3人はあの頃の時代に想いを馳せるノスタルジックな会場の雰囲気を蹴飛ばすかのように、新しい未来のスタイルを見せてくれた。

「KICK THE CAN CREW 復活祭」全員集合/撮影:岸田哲平&中河原理英
・全員集合
・千%
・スーパーオリジナル
・SummerSpot
・イツナロウバ
・sayonara sayonara
・アンバランス
・神輿ロッカーズ
・地球ブルース~337~
・マルシェ
・I Hope You Miss Me a Little

<経て からの ここ>復活アンセムが会場を感動の渦に包む

「KICK THE CAN CREW 復活祭」 千%/撮影:岸田哲平&中河原理英

復活アンセムとなった新曲「千%」。今までで最高、そして今までで一番KICK THE CAN CREWらしい楽曲と呼び声が高い。

LITTLEが「熱いのやるか?」という掛け声で制作が始まった本作。以前同様にサビは3人でしっかり作った。MCUは自身のパートで過去の楽曲からリリックを散りばめた。「カンケリ01」「アンバランス」「LIFELINE」「sayonara sayonara」「ONEWAY」からのワンフレーズがファンにはグッとくるものになっていたのはもちろん、KREVA提案の大サビ<経て からの ここ>というリリックは、それぞれの14年間を経たメンバー及びファンたちの様々な想いをここ日本武道館で弾けさせた。

新曲の中でも3人のコンビネーションの掛け合いラップが難易度が高く、ライブでの成功確率1%という「SummerSpot」を完璧なライミングで見事成功させる。「失敗したらツアーで」とKREVAが自虐的に言うほど高難易度のハイスピードラップだったがさすがの貫禄で走りきった。夏ソングとして制作され、PVもプールリゾートでラグジュアリーなイメージの楽曲。この曲から「イツナロウバ」の流れは完全に夏ムード全開だった。

「sayonara sayonara」「アンバランス」とヒット曲の流れとなるが、特に「アンバランス」が印象的だった。<そのうちなんとかなるぜ将来は だから見守ってちょーだいな>まだ未熟で不安定な感情を胸に抱く主人公のリリックは、40代になった3人があらためてラップすると何か吹っ切れたものに聴こえ、時を経た今だからこそ感じる新鮮さがあった。

「神輿ロッカーズ feat. RHYMESTER」で復活祭は狂喜乱舞

KICK THE CAN CREW 、RHYMESTER/撮影:岸田哲平&中河原理英
「KICK THE CAN CREW 復活祭」/撮影:岸田哲平&中河原理英
「神輿ロッカーズ feat. RHYMESTER」ではRHYMESTERが参戦。かつて、渋谷Family、NUTSで開催されていたクラブイベント「FG NIGHT」でもおなじみのFUNKY GRAMMAR UNIT。幾度もの共演を果たしてきた盟友RHYMESTERが、今夜はフル稼働で3人の復活祭を支えた。

本編ラストは「地球ブルース~337~」と「マルシェ」というビッグヒットチューンで観衆を熱狂させた。この2曲はフジテレビ系「SMAP x SMAP」番組内で、KICK THE CAN CREWとSMAPのコラボが実現したこともあるナンバー。2002年、初出場した第53回NHK紅白歌合戦でも「マルシェ」を披露している。きっと会場はあの時代の記憶を蘇らせていたに違いないが、本当に彼らがカムバックを果たしたんだと実感する瞬間でもあった。

「KICK THE CAN CREW 復活祭」/撮影:岸田哲平&中河原理英
アンコールで再登場した3人は歓声に応えた。KREVAが「最近の(KICKの)ファンはいないと思うので、この後ツアーでつくっていけたらいいと思っています」。MCUは「本当にみんなありがとうございます。えー昨日いろいろ何を喋るか考えたけど、みんなの顔を見たら忘れちゃった(笑)」と照れ、メンバーと会場の大爆笑を誘った。LITTLEは「これからまた俺たち、がっつりやっていきたいと思っているんだけど、この3人だけじゃなくて、みんなとこれからがっつりやっていきたいと思ってるんで」と語ると、会場は大歓声になり、3人にエールを送った。

「KICK THE CAN CREW 復活祭」/撮影:岸田哲平&中河原理英
アンコールラストは新曲のメロウチューン「I Hope You Miss Me a Little」。8月30日に14年ぶりにドロップしたアルバム「KICK!」の制作で3人で最初に作ったKICK THE CAN CREWらしい楽曲。この日の振返りとなるスチール写真のスライドがバックスクリーンに映し出され、武道館周辺や会場内のファンの笑顔やステージでパフォーマンスしたKICK THE CAN CREW、RHYMESTER、いとうせいこう、藤井隆倖田來未らの熱狂をセンチメンタルに振返りながら最後のナンバーを締めくくった。

12月から「KICK THE CAN CREW CONCERT TOUR 2017」

今後の活動は、9月17日「氣志團万博2017」へ出演。そして、全国ツアー「KICK THE CAN CREW CONCERT TOUR 2017」12月1日の東京・Zepp DiverCity公演を皮切りに12月24日の福岡・サンパレス公演までのツアーとなる予定。

「KICK THE CAN CREW 復活祭」セットリスト

ACT-1 KICK THE CAN CREW

「KICK THE CAN CREW 復活祭」/撮影:岸田哲平&中河原理英
3人が復活祭の幕開けに選んだ気合のパフォーマンス。

1 全員集合

ACT-2 RHYMESTER

「KICK THE CAN CREW 復活祭」/撮影:岸田哲平&中河原理英
RHYMESTER自身も復活の狼煙をあげた楽曲「ONCE AGAIN」を捧げる心憎い演出で会場は感動の嵐に。

1 ONCE AGAIN
2 ライムスターインザハウス
3 Back & Forth
4 Future Is Born

ACT-3 藤井 隆

「KICK THE CAN CREW 復活祭」藤井隆/撮影:岸田哲平&中河原理英
3人とは番組で共演をしていた藤井をKREVAがリスペクト。極上のPOPSとエンターテイナーぶりはさすがだった。

1 ナンダカンダ [HyperJuice REMIX]
2 OH MY JULIET! [DJ KAORI REMIX]
わたしの青い空 [tofubeats REMIX]
Quiet Dance feat. 宇多丸 (RHYMESTER)
3 未確認飛行体 [ikkubaru REMIX]

ACT-4 いとうせいこう

「KICK THE CAN CREW 復活祭」MCU、いとうせいこう/撮影:岸田哲平&中河原理英
日本ヒップホップ界のレジェンド。「さわげー」というライブではおなじみのコールもいとうせいこう発案という。この日はMCとしてライブ全体をナビゲーションし、3人を支えてくれた。

1 東京ブロンクス
2 ヒップホップの初期衝動
3 マイク 2本

ACT-5 倖田來未

「KICK THE CAN CREW 復活祭」倖田來未/撮影:岸田哲平&中河原理英
2017年4月8日~10月28日まで自身最多60公演47都道府県ツアー「KODA KUMI LIVE TOUR 2017 ~W FACE~」真っ最中の倖田は、レギュラーダンサー陣を従え、いつものようにキレキレのダンスと歌唱力で会場を圧倒した。セットリストも攻めのナンバーを並べた。Twitterに目をやると「初めて倖田來未のライブを生で見たけど、本当にすごくて感動した。テレビでは伝わり切らない超一流のステージング」という類のツイートが男女問わず多数飛び交い、終演後関係者の間でも「やっぱりすごい」という声が聞かれた。

MCでは「デビュー時はKICK THE CAN CREWさんは雲の上の存在でしたね。確か2002年に北海道・キングムーというクラブで共演させてもらったのを覚えています。16年ぶりにこうした形で共演できて本当に嬉しいです。復活ほんまに願ってました!」と笑顔で語った。

1 Ultraviolet
2 UNIVERSE
3 XXX
4 Hurricane ~MONEY IN MY BAG
5 LIT
6 LOADED feat. Sean Paul
7 Poppin love cocktail feat. TEEDA

ACT-6 KICK THE CAN CREW

「KICK THE CAN CREW 復活祭」/撮影:岸田哲平&中河原理英
1 千%
2 スーパーオリジナル
3 SummerSpot
4 イツナロウバ
5 sayonara sayonara
6 アンバランス
7 神輿ロッカーズ
8 地球ブルース ~337~
9 マルシェ

EN1 I Hope You Miss Me a Little

(modelpress編集部)

KICK THE CAN CREWプロフィール

1997年、KREVA、LITTLE、MCUの3MCで結成されたヒップホップグループ。

2001年シングル「スーパーオリジナル」でデビュー。これまでにシングル15枚、オリジナルアルバム3枚「VITALIZER」「magic number」「GOOD MUSIC」をリリース。「イツナロウバ」「クリスマス・イブRap」「マルシェ」「アンバランス」「脳内VACATION」など数々のヒット曲を生み出し、2002年には紅白歌合戦に出場(マルシェを披露。対戦相手は華原朋美であった)。その目覚ましい活躍は、ジャパニーズヒップホップカルチャーをアンダーグラウンドからオーバーグラウンドへシフトさせ、シーンを牽引する原動力となった。

2004年6月、それぞれのソロ活動に専念するため人気絶調時に活動休止を発表。あまりのビッグヒットでスターになったこともあり、楽曲制作のペースや作りたい物に集中できなかったことも活動休止の理由となっていた。

2014年「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014」にKICK THE CAN CREW名義で出演し話題に。2017年がKICK THE CAN CREW結成20周年ということもあり、3人で復活の意思を固め、約1年前から楽曲の制作を積み重ねてきた。2017年8月30日に約14年ぶりに新曲10曲のニューアルバム「KICK!」をドロップ。12月からは全国ツアー「KICK THE CAN CREW CONCERT TOUR 2017」を開始。本格的な活動再開に注目が集まっている。
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