BTS、新アルバム1曲目「Born Singer」が“涙腺崩壊スイッチ”の理由<「Proof」トラックリスト>
2022.05.11 22:41
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BTSが6月10日にリリースするアンソロジーアルバム『Proof』のトラックリストが、今月9~11日にかけて発表された。3枚のCDで構成されるこのアルバムの中でも、最初のCDの1曲目が「Born Singer」であることが大いに話題となっている。同曲が涙なしでは聴けない曲と言われる理由とは。
「Born Singer」正式音源化にファン感涙
「Born Singer」は2013年7月、BTSのデビュー1ヵ月を記念して公開された曲だ。デビューから1ヶ月を共にしたファンへのプレゼントとして公開されたこの曲は、無料音源としてだけのリリースで、CD化はされていない。YouTube、SoundCloudのみで曲を聴くことができ、各ストリーミングサービスでも配信されていない知る人ぞ知る曲だ。
しかし、音源公開から約9年越しに正式曲としてリリースされることを知ったファンからは、感涙に咽ぶ声が多く見られた。「Born Singer」は“涙腺崩壊曲”“涙スイッチ”と称されるほど、BTSの歴史の中で重要な曲だからだ。
デビュー直後のBTSの告白「Born Singer」
「Born Singer」つまり「生まれながらの歌手」を意味するこの曲は、米ラッパーJ.COLEの「Born Sinner」(生まれながらの罪人)のサウンドに、メンバーのRM、SUGA、J-HOPEが歌詞をつけた曲だ。当時RMはこの曲について、公式ファンカフェで「僕の恐怖、恥ずかしい部分、身軽さ、喜び、怒り、悲しみ、つまり喜怒哀楽すべて込めて、純度100%の本心だけ」と告白した。その通り、綺麗に飾りたてたわけではない、荒削りで正直な思いが、デビュー当初BTSをほかのグループと差別化させていた本場アメリカのヒップホップビートに乗せて吐き出される。
涙腺崩壊曲となった2度のコンサート
この曲はこれまでに、たった2回のコンサートで披露され、 BTSとファンにとってより大きな意味を持った。1度目は2015年3月の「2015 BTS LIVE TRILOGY: EPISODE I. BTS BEGINS」だ。
BTSはこの曲を、アンコールの最後に、会場中央のステージで披露した。センターステージで輪を作り、観客に背を向ける様に内側を向いて立った7人。
回転式のこのステージで、メンバー同士が向かい合い、噛み締めるように「Born Singer」を歌う彼らの姿は鮮烈に記憶されている。曲の後半で外側を向いてファンと向き合うと、JUNG KOOKの目からは涙がこぼれていた。
そして2回目に披露されたのは、TRILOGY(三部作)として構成されたライブシリーズのラストを飾った「BTS LIVE TRILOGY EPISODE III THE WINGS TOUR THE FINAL」。
2017年12月、「BEGINS」から5倍ほどに広がった会場で、やはり彼らは回転式のセンターステージでこの曲を歌った。2年半前とは反対に、最初は外側を向いてファンの共に歌い、曲の後半で内側を向いてメンバー、そして自分自身と向き合った。
2017年はBTSが「ビルボード・ミュージック・アワード」、「アメリカン・ミュージック・アワード」とアメリカの音楽授賞式で初めて賞を受賞し、彼らを取り巻く環境が大きく変わった年だ。彼らの夢を追うエネルギーが、墜落の恐怖へと移行し始めた時期でもある。そんな過渡期に行われたこの公演は、ほとんどのメンバーが涙を流したことでも知られている。
BTSの歌手としての“初心”であり“本質”を歌う「Born Singer」。伝説的なコンサートを経て、グループの歴史になくてはならない曲となったこの曲は、『Proof』アルバム収録のためのリマスタリング作業を経て再誕生するという。
今年、グラミー賞を終えたあとにRMが、V LIVEの生配信でこう語っていた。「メンバーたちとも話をしたんですが、これから僕らは、僕らが本来いた地点に戻らなきゃいけないんじゃないか、最近そんなことをたくさん悩んで」と。未だ高く高く飛行し続ける彼らが、”本来いた場所”を思う、9年目の「Born Singer」にまた多くの人が涙するだろう。
BTSの過去、現在、未来を盛り込んだアンソロジーアルバム「Proof」
計3つのCDで構成される『Proof』は、BTSの過去と現在、未来に対するメンバーの考えを盛り込んだ曲が収録される。「Born Singer」で始まる最初のCDは、「No More Dream」、「N.O」、「Boy In Luv」、「Danger」、「I NEED U」、「RUN」、「FIRE」、「血、汗、涙」、「Spring Day」、「DNA」、「FAKE LOVE」、「IDOL」、「Boy With Luv (Feat. Halsey)」、「ON」、「Dynamite」、「Life Goes On」、「Butter」という歴代のタイトル曲が集結し、アルバムのリード曲となる新曲「Yet To Come」がラストを飾る。
2つ目のCDは7人のメンバーの異なる色と魅力、率直な話を盛り込んだソロ曲とユニット曲で構成された。新曲「RUN BTS」を皮切りに「Intro:Persona」、「Stay」、「Moon」、「Euphonia」、「Jamais Vu」、「Trivia 轉:Seesaw」、「BTS Cypher PT.3:KILLER」、「Outro:Ego」、「Her」、「Filter」、「Friends」、「Singularity」、「00:00(Zero O’Clock)」、「Euphoria」、「Dimple」など、7人のメンバーのソロ、そしてグループの合計15曲が収録されている。
3枚目のCDはBTSとファンが保管できる特別なプレゼントとして企画された。 過去、アルバムを準備しながら作業したが収録しなかった曲を含めアルバムとしては初めて公開される歌、臨場感が生きているデモバージョン、そしてファンに向けたメッセージを盛り込んだファンソング「For Youth」等で満たした。 ファンのための「スペシャルバージョン」であるだけに、「For Youth」の他に3枚目のCDに収録された曲はCDを通じてのみ聞くことができる。トラックリストには「JUMP(Demo Ver)」、「Young Love」、「Boy In Luv(Demo Ver.)」、「Quotation Mark」、「I NEED U(Demo Ver)」、「Boyz with Fun(Demo Ver)」、「Tony Montana(with Jimin)」、「Young Forever(RM Demo Ver)」、「Spring Day(V Demo Ver)」、「DNA(j-hope Demo Ver.)」、「Epiphany(Jin Demo Ver)」、「Seesaw(Demo Ver)」、「Still With You(Acapella)」、「For Youth」など計14曲が上がった。(modelpress編集部)
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