ITZY/Photo by Getty Images

“TWICEの妹分”と言われたITZYが「私は私」と歌い続ける力強さ 刺さる歌詞で振り返る歴代3曲

2020.04.22 20:10

ITZYが新曲「WANNABE」を発表し1ヶ月半が経つが、同曲は未だ主要音源チャートで上位にランクインし、根強い人気を見せている。ITZYの最大の特徴は“私は私の道を行く”と他人に干渉されない力強いガールズ像。デビューから1年の新人ながら、早くも“ヒット保証”グループとなった彼女たちの楽曲のパワーを歌詞から紐解く。

  

「可愛いだけの子たちと私は違う」『DALLA DALLA』で見せつけた鮮烈なデビュー

昨年2月、『DALLA DALLA』で鮮烈なデビューを飾ったITZY。デビューシングル『IT'z Different』のタイトル曲である同曲は、“違う”を意味する韓国語“ダルラ”にちなんだ曲名通り「私は他の子たちとは違う」と歌う。

もともと彼女たちは、JYPエンターテインメントがTWICEの次に送り出すガールズグループということもあり、世界中のメディアから「TWICEの妹分」として注目を集めていた。

そんな彼女らがデビューし、「キレイなだけで魅力がない子達と私は違うの あなたの基準に私を当てはめないで 私は今の私が好き 私は私よ」と自信満々に歌って踊る姿は「まさかこんなグループが出てくるとは!」というセンセーションを巻き起こした。

同曲で彼女たちは、「お姉さんたちが言うの『大人になるにはまだ遠いわね』って 悪いけど大人になるつもりはないわ」「お姉さんたちが言うの『大胆すぎる』って 悪いけど変えるつもりはないわ」と、“どんな新人グループが出てくるのだろうか”と待っていた私達からすれば、ドキリとするほどの頼もしさを表現する。

これまで「男に媚びない」というような“対男性”の強い女性像を打ち出すグループは多かったものの、対社会、対大人として自分を貫き通そうとする姿勢はガールズグループとしては新鮮だ。

それに加え「顔を上げて!私達がついてるわ!手を上げて!夢を見続けよう!」と若者たちを率いる求心力、また、ある意味 “反抗的”な歌詞でありながらポジティブさしか感じさせないフレッシュなパワー、“新人とは思えない”と語られる5人のパフォーマンス能力の高さも相まって、人気は急上昇。同曲は、女性グループとしてデビュー後最短記録で1位を獲得した。

2019年10月のパリコレ「ルイ・ヴィトン」のファッションショーに参加したITZY/Photo by Getty Images
また、「他人の視線は重要じゃない。私のスタイルが好き」という歌詞の通り、ブランドものを大胆にリメイクした斬新な衣装も話題となり、あっという間にファッションアイコンとしての熱視線も浴びることとなったのである。


「クールな私は気にしない」『ICY』で爽快感たっぷりに自信を表現

デビュー曲としては異例なほどのヒット曲となった『DALLA DALLA』が一世を風靡してから数ヶ月後、ITZYは灼熱の7月下旬に1stミニアルバム『IT'z ICY』で清涼感たっぷりにカムバックを果たす。

タイトル曲の『ICY』はまさに“氷のように冷たい”という意味で、「冷たく見えたってしかたない クールな私だから気にしないわ」というしびれる歌詞でスタートする。「あなたの枠に私を合わせる気はない」と言い放つ歌詞は、他人に惑わされて溶け出すことのない、きらめく氷の輝きが宿る。

ITZY(提供写真)
ICYの曲の主人公は、夢に向かって他人の戯言には耳を貸さず突き進んでいく。「私は自信があるわ」と自信満々に、サビでは「みんなあれこれうるさいわ 私は平気 みんながおしゃべりしてる間に進み続けるわ」とエネルギーを炸裂させパフォーマンスする様子は、まさに自分への確信に満ちた女子を体現する。

歌詞はもちろんのこと、やはりガールズグループとしての視覚的な魅力もITZYの強みだろう。同曲のミュージックビデオはニューヨークで撮影され、ポップアートのようなカラフルでオシャレな世界観は洋楽ポップスのMVのような華やかさがある。さらに、現地のエキストラがたくさん登場する中で、5人の韓国ガールズが大活躍する姿はまさに爽快である。

「私は私になりたい」『WANNABE』で強調される“自分自身”の追求

そして今年3月、2ndミニアルバム『IT'z ME』を引っさげ満を持してカムバックしたITZY。タイトル曲『WANNABE』のテーマはそのタイトル通り、“私がなりたいもの”。そしてその答えはずばり“私自身”だ。


5人が仁王立ちで拳を突き出す振り付けが「かっこいい」と真似する人が続出した冒頭部分、リュジンは「小言はやめて 私が何になるかは自分で決めるわ」と“ドヤ顔”でアピールする。

続くイェジのパートでは、「平凡に生きようと、そうじゃなかろうと、放っておいて どうせ私が生きていくの 私の人生は私のものだから」と歌い、何者でもない自分自身を目指す若者たちの思いが、同曲ではさらに強調されている。


同曲はデビュー曲『DALLA DALLA』の制作チームが手掛け、キャッチーなサビのリフレインも印象的だ。「誰がなんと言おうと私は私!私はただ“私”になりたいの」「何かになろうとする必要はない 私は私でいる時が完璧だから」というサビの歌詞には、メンバーの想いが反映されているという。

大手事務所に所属するアイドルという立場でもある彼女たちの、「I wanna be me, me, me(私がなりたいのは私!私!私!)」という訴えは、同年代の若者層だけでなく全世代をハッとさせるものではないだろうか。

また同曲では、「私は私のやるべきことをするから あなたはあなたのやるべきことをしなよ」「人々は他人の話をするのが好き 他人の人生をどうしてそんなに気にするの?」と、世間体を気にするあまり他人に干渉しがちな我々に警鐘を鳴らす。

MVではリュジンが長い髪を自分でバッサリとカットし、鏡に映る自分を満足に見つめるシーン、ランウェイで無数のカメラに囲まれたユナが、周りの視線も気にせず楽しそうに自撮りするシーンなどからも、“大切なのは外からのラベリングではない。自分が自分をどうしたいかだ”という思いに気付かされるのだ。

ITZYがもっとITZYになる未来が楽しみすぎる

ITZY(C)モデルプレス
3回のカムバックで“私は私の人生を生きるんだ”というメッセージを伝え続けたITZY。彼女たちの楽曲について「いつも同じような曲だ」「若いからそんな曲ばかりできて羨ましい」という声もあるようだ。しかし、これだけたくさんのグループがひしめき合う中で、「TWICEの妹分」という枕詞とともにデビューした少女たちが、1年を通し「私は私よ!」と自信満々に歌い続けたこと自体に大きな意味があるのではないだろうか。

振り返ればモデルプレスの記事でも、ITZYを「TWICEの妹分」として紹介してきた。それは日本でのTWICEの影響力によるものだったが、この1年でITZYは日本でも人気ガールズグループの位置を確立し始めている。ITZYは何者でもなくITZYであり、彼女たちの進む未来、乗り越えていくであろう道のりに期待せざるを得ないのである。(modelpress編集部)

ITZYメンバープロフィール

・イェジ(YEJI)
生年月日:2000年5月26日
出身:韓国

・リア(LIA)
青年月日:2000年7月21日
出身:韓国

・リュジン(RYUJIN)
生年月日:2001年4月17日
出身:韓国

・チェリョン(CHAERYEONG)
生年月日:2001年6月5日
出身:韓国

・ユナ(YUNA)
生年月日:2003年12月9日
出身:韓国
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