役者か就職か…オーディションに苦戦していた渡辺大の転機 「明日の君がもっと好き」では“悪い男”で新境地<モデルプレスインタビュー>
2018.02.01 18:00
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俳優の渡辺大(33)がモデルプレスのインタビューに応じた。硬派で爽やかなイメージが強い渡辺だが、現在放送中のドラマ「明日の君がもっと好き」(テレビ朝日系、毎週土曜よる11時5分~)では、婚約していた恋人の妹と結婚したという男性を演じている。
「明日の君がもっと好き」ストーリー&渡辺大の役どころ
市原隼人主演の同ドラマは、恋愛に冷めた男女が運命の出会いに翻弄され、想定外の恋に落ちていくヒューマンラブストーリーで、テーマは、“人生に一度だけの大切な恋”。「女は面倒くさい」と言ってはばからない、恋に冷めた造園デザイナー・松尾亮(市原隼人)。ダメ男とばかり関係を持ち、恋をあきらめかけている30代女性秘書・里川茜(伊藤歩)。人懐っこいキャラとは正反対のウラの顔を持つ新社会人の男・城崎遥飛(白洲迅)。自身の性的アイデンティティーに悩み、昼は工事現場、夜はガールズバーで働く丹野香(森川葵)。そんな一癖も二癖もあるの男女が、一筋縄ではいかない恋愛模様を繰り広げていく。
さらに、4人の恋路に首を突っ込む茜の妹・黒田梓(志田未来)も加わり、主人公たちはそれぞれにヒミツを抱えながら、結ばれたり、離れたり…を繰り返し、次に何が起こるかわからない“想定外”の物語を紡ぎ出す。
渡辺が演じる黒田智弘は、梓の夫で茜の元彼。茜と婚約まで交わしておきながら、茜より10歳年下の若い梓に迫られて心が揺れ、大騒動を起こした末に結婚した。現在、夫婦仲は冷え切っており、自身の過去の選択を後悔しているといった役どころだ。
視聴者に嫌われるのは覚悟?渡辺大が“悪い男”に
― まず、ドラマの見どころやアピールポイントをお願いします。登場人物のくせがすごいです(笑)。突拍子もない混沌としたことが淡々とドラマの中でフラットに流れていき、台本を読んでもどこに着地するのだろうかと。読めないストーリーがきっと視聴者の興味を誘うかと思います。どの登場人物もいろんな事情を抱えていて、いい味を出していますが、僕自身、自分が演じている智弘が好きで演じていて楽しいです。
― この役で出演が決まったとき、どんなことを思いましたか?
おそらく視聴者の方に嫌われるキャラクターだと思いますが(苦笑)、やってみたい役柄でした。これまで、まっすぐで何の穢のない役柄が多かったので、黒い部分を持った役をやれるのは役者としてすごく嬉しいです。
― 役作りで工夫していることはありますか?
どうやったら嫌われるじゃないけれど、どうやったら嫌なやつに見られるかなというのは考えていますね。共演者の皆さんが演じられる役もあくが強いですが、30代の男性のあくの強さを出していきたいです。
― 智弘は伊藤歩さん演じる茜と婚約していましたが、志田未来さん演じる妹・梓に迫られ、梓と結婚。渡辺さんは智弘をどのように受け止めていますか?
いろいろ考えましたよ(笑)。自分の人生で、もしそうだったらどうなんだろうって。普通の彼女だったら別れて終わりだけど、家族ぐるみの付き合いもあるし、ずっと付いて回る。とくに姉妹って結びつきが強いだろうし。考えるだけでしんどいですね。ただ、智弘はあまり気にしていないのだろうけれど(笑)。
渡辺大の新境地にかける思い
― 今作や智弘という役を演じることに、どのようなことを期待していますか?智弘という男に興味を持っていただけるとありがたいですね。それから僕に「こういった一面もあるんだ」と思っていただけたら嬉しいです。悪いヤツながら、その魅力を感じていただけるといいですね。
― 渡辺さんにとって新境地といった役になりそうですね。
そうですね。恋愛モノもそんなにやったことがなかったので、新鮮です。だいぶ振り切った作品ですが、今の年だからこそできるのかなと。楽しめればいいですね。
市原隼人ら共演者とのエピソード
― 共演者のみなさんとのエピソードをお聞かせください。みんなで和気あいあいとやっています。この前は、市原くんや伊藤さんたちと飲みに行ったことも。市原くんが音頭を取ってくれて、良い座長だなと思っています。市原くんもですが、初共演の方が多く、ほとんどの方と直接一緒に芝居をするのは今回が初めて。同世代だからこそできる話もありますし、ありがたいですね。
― 妻・梓役の志田未来とはどのようなやりとりがありましたか?
「どう思う?」とか「僕の役のどこが好きなの?」とかいろいろ聞いてみて、「この夫婦はどういった出来事を経て、今ここにいるんだろう」と話し合っています。2人で作り上げている部分もありますね。
芸能活動か就職か…渡辺大の転機
― ドラマのキャッチコピー「人生で一番面倒くさい恋はきっと、人生で一度だけの大切な恋になる。」にちなみまして、大変だった印象に残っているお仕事を教えてください。コピーのように大変でよく覚えているのは映画「彼岸島」の現場です。1週間から10日間、和歌山の無人島で撮影していたのですが、環境的にきつかったですね。無人島ですが、民泊があって夏場だけオーナーさんは来ているといった感じの場所で。オフシーズンに撮影したので関係者以外はいないという現場でした。寝泊まりする場所もあまりなく、4畳半に成人男性3人が一緒に寝るという(苦笑)。その状況が10日間くらい続き…
― 大変な現場だったことが想像できます。
風呂も1回沸かしたら終わり。電気やガスもいろいろと不便で…。ぐったりしたという意味ではよく覚えていますね。でも大変だったからこそ色濃く残っています。
― では、意識が変わったり、転機になったりした仕事は?
意識が変わった仕事だと映画「男たちの大和/YAMATO」。当時、学生で就活をしながらオーディションを受けてといった感じだったんです。俳優としてやっていくか、普通に就職するか悩んでいて、気持ちもどっちつかずだったんです。そんなときに、この映画のオーディションを受けたのですが、受からなかったら辞めようと思っていたんです。
― そんな思いがあったとは驚きです。
それまでオーディションに苦戦していたのですが、そこで気持ちや自分の仕事に対する向き合い方や変わりました。全力で邁進できるようになりましたね。
― 渡辺謙さんをお父さんに持つ渡辺さんですが、俳優を目指そうと思ったきっかけを教えてください。
17歳の頃、父がやっていたドラマの子ども時代をやってみないかと声をかけていただいたことがきっかけです。何にも経験がない中でやってみて、やってみたのはいいものの、やっぱり勝手がわからない状態…。しかも初めてにして時代劇。ですが、やってみたい、もっと勉強しないとダメだと思ったんです。それがスタートでした。
渡辺大のこれからと夢を叶える秘訣
― その後、様々な作品にご出演、今作でも注目を集めていますが、この先の目標は?今回、こういった役もできたので、いろんな渡辺大を知った上で、いろんな役柄を演じてみたいですね。たくさんの作品に出会っていきたいですし、やるからには同じような役柄だけでなく、いろんなものができる役者になりたいです。
― 最後に、渡辺さんが思う夢を叶える秘訣を教えてください。
とにかく続けることと、言い続けることかな。「これをやりたい」と思うことがあるなら、口にすることで、ご縁ができたり繋がりができたりすると思うので。そういう思いを伝えていけばいいかなと思います。
― ありがとうございました。
現在絶賛撮影中の「明日の君がもっと好き」。渡辺自身も「この先どうなっていくのか、どこに着地するのか…」とストーリーに魅入られている様子。新境地といえる役柄で視聴者にインパクトを与えているが「いろんなものができる役者になりたい」と語る渡辺がこの先どんな姿を見せてくれるのか楽しみだ。(modelpress編集部)
渡辺大(わたなべ・だい)プロフィール
生年月日:1984年8月1日血液型:A型
出身地:東京都
身長:185cm
特技:乗馬、殺陣
趣味:野球、ゴルフ
2002年にTXスペシャルドラマ「壬生義士伝~新撰組でいちばん強かった男~」で父である渡辺謙演じる吉村貫一郎の青年期役で俳優デビュー。主な出演作に映画「彼岸島」「サブイボマスク」ドラマではテレビ朝日「就活家族」などがある。今年は6月15日「空飛ぶタイヤ」、9月28日「散り椿」、10月には主演「ウスケボーイズ」が公開予定。
現在放送中のテレビ朝日系土曜ナイトドラマ「明日の君がもっと好き」に出演。
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