モデルプレスのインタビューに応じたチェ・ジョンヒョプ/独占カット(C)撮影:コウ ユウシエン

【チェ・ジョンヒョプ「バカンスの法則」インタビュー】「Eye Love You」ぶり日本ドラマカムバック 出演決めた理由&俳優として転機になった作品とは

2026.07.22 08:00

韓国俳優のチェ・ジョンヒョプ(33)が、日本ドラマにカムバックする。日本中を虜にした「Eye Love You」(TBS系/2024)での鮮烈な記憶。そのイメージから切り替えるべく、彼はほとんどが日本語のセリフという、高い壁に真正面から挑んでいた。

ABEMAにて7月27日にスタートする新ドラマ「バカンスの法則」(毎週月・水・金/1話15分・全18話)で彼が演じるのは、切ない想いを秘めるミステリアスな管理人。今回のインタビューでは、異国の地で進化し続ける彼の覚悟と素顔に迫った。

  

橋本環奈&チェ・ジョンヒョプ出演「バカンスの法則」

「バカンスの法則」キービジュアル(C)AbemaTV, Inc.
「海月姫」「東京タラレバ娘」「かくかくしかじか」など数々のヒット作を描く漫画家・東村アキコが連続ドラマの原作・脚本・監督に初挑戦した今作。人生にほんの少し疲れた主人公・星野緑(橋本環奈)が別荘で出会ったのは、ミステリアスな管理人・西上(ジョンヒョプ)。西上に助けられながら、緑は充実したバカンスの日々を過ごすも、時折、西上の眼差しには切ない影がよぎる。“非日常”のなかで動き出す、楽しい日々と、どこか切ない恋のゆくえ。橋本やジョンヒョプに加え、勝地涼、山下美月、加納(Aマッソ)、桜田通ら豪華キャストが、ひと夏の「デトックス・ロマンス」を鮮やかに彩る。

チェ・ジョンヒョプ、思い出に残る現場での日々

「バカンスの法則」(C)AbemaTV, Inc.
― まずは初めて台本を読んだときに抱いた印象をお聞かせください。

ジョンヒョプ:監督が漫画家の方ということもあり、キャラクターの個性が鮮明に描かれていて面白かったので楽しく読ませていただきました。読み進めるうちに、自分のキャラクターについてもすごく魅力的に感じるようになりました。

― ミステリアスな別荘の管理人という謎に包まれた役柄ですが、演じてみていかがでしたか?

ジョンヒョプ:ミステリアスなキャラクターを自分の中でどのように表現できるか深く考えていました。ほかのキャラクターを演じられた俳優の方々がとても個性的に演じてくださったおかげで、僕が演じたキャラクターがよりミステリアスな存在になっていたと思います。

― ご自身の役柄の面白いと感じたポイントを教えてください。

ジョンヒョプ:そもそも自分が思い描いていた管理人と、日本の一般的な管理人の姿に少し違いがあったんです。なので日本の管理人像を知っていくのも面白かったですし、そういう要素を取り入れながら、自分が何を表現できるかを考えて演技をしていくのもとても楽しかったです。

「バカンスの法則」場面写真(C)AbemaTV, Inc.
― 橋本環奈さんや勝地涼さんなど、キャストの方々との印象に残っているエピソードを教えてください。

ジョンヒョプ:みなさん優しくてすごく親切な方々でした。僕が演じているときにもたくさん配慮していただいたおかげで、比較的リラックスして演技をすることができたと思います。自分は管理人というキャラクターだったので、彼らを見守ることしかできないんです。でも、彼らが撮影しているのを見ていると面白くて笑いをこらえなければいけないことも多くて、それが少し大変でした(笑)。ピンポイントで「このエピソードが特に面白かった」というよりは、そういう思い出が今たくさん蘇ってきて、思い出すだけでも面白くて笑えてきます(笑)。管理人としてだけではなく視聴者の視点で見守る部分もあって、とても面白く、一瞬一瞬が本当に楽しかったです。

「Eye Love You」の鮮烈イメージから抜け出すために――

「バカンスの法則」場面写真(C)AbemaTV, Inc.
― 日本のドラマに出演するのは「Eye Love You」以来2回目となりますが、出演を決めた理由を教えてください。

ジョンヒョプ:2回目だからといって特別な理由があったわけではなく、キャラクターと作品を見て決めました。また、良い経験になると思ったからです。

― 「Eye Love You」のときと今回で、ご自身の取り組み方に変化はありましたか?

ジョンヒョプ:取り組む姿勢は同じでしたが、今回は日本の現場を一度経験していてどのような流れになるかを多少把握できていたので、その点では以前よりスムーズに進めることができたと思います。例えば現場で使われる専門用語については、正確な意味まではわからなくても雰囲気で何となく理解できましたし、現場ではさまざまな面で僕を気遣ってくださる方が多く、通訳をしてくださる方々もいらっしゃったのでリラックスして撮影に臨むことができました。

― 「Eye Love You」ではユン・テオという韓国人役だったのに対し、今回演じている西上役は日本語のセリフが多いとお聞きしています。役と向き合う上で異なる部分はありましたか?

ジョンヒョプ:まずはとても気が重かったです(笑)。それから(日本の視聴者は)ユン・テオのイメージがとても強いのではないかと思ったので、できるだけそのイメージから抜け出そうと努力していたと思います。できるだけ自然に演じられるように努力しました。

チェ・ジョンヒョプ、最近覚えた日本語は?

チェ・ジョンヒョプ/モデルプレス独占カット(C)撮影:コウ ユウシエン
― 日本ドラマと韓国ドラマで、雰囲気や作り方の違いを感じたことはありましたか?

ジョンヒョプ:脈絡は似ていますが、やり方は少し違うと思います。とはいえ、僕も日本の作品に出演するのは2回目ですし、韓国でもそれほど多くの作品に出演しているわけではないので「ここが違ってここが似ている」と明確にお話するのはとても難しいです。ただ今ふと頭に浮かんだのは、韓国でも日本でも、ドラマ制作において、全員が情熱を持ってその作品のために全力を尽くして取り組んでいるのは同じだということです。

― 日本語のセリフはどのように覚えているのでしょうか?

ジョンヒョプ:韓国語ではどの部分で区切るか、スペースを空けるか、一呼吸置いて読むべきかなどが台本を読めばすぐにわかるのに対し、日本語だとそれがよくわからないので、その部分をまずマークして、それから覚えるようにしています。韓国語にはそもそも存在しない単語もかなり多いので、ひたすら暗記して口に出して練習するのを繰り返しています。実際完成した映像では不慣れでぎこちないところもあると思いますが、本当に頑張ったので視聴者のみなさんには多めに見てもらえたら嬉しいです…(笑)。

― 最近新しく覚えた日本語の中で「響きが好きだな」「面白いな」と思った言葉はありますか?

ジョンヒョプ:最近覚えた単語がとてもたくさんあるんです。よく使ったのは「自然に」「ひまわり」「あんまり」「終わり」「終わった」などです(笑)。

― 最後の2個は退勤のときに使う言葉ですね(笑)。

ジョンヒョプ:はい(笑)。あとは「おやすみ」も覚えました。

ドラマ「ストーブリーグ」がターニングポイントに

チェ・ジョンヒョプ(C)撮影:コウ ユウシエン
― 最新作のドラマ「君がきらめく季節に」(2026)や、「無人島のディーバ」(2023)、「Eye Love You」など、出演作が日韓のみならず世界で注目を集めています。ご自身の演技がワールドワイドで注目されている今のお気持ちはいかがですか?

ジョンヒョプ:僕は演技をしたり作品に携わったりするとき「評価されたいからこの作品をやる」「成功したいからあの作品をやる」という理由では出演していないんです。なので良い評価をしていただけたらとてもありがたい気持ちですし、たとえ評価が悪かったとしても、それが全て自分にとっては血や肉となる言葉だと考えています。

― 数々の話題作への出演でスターダムを駆け上がっているジョンヒョプさん。デビューしてからここまでの日々で、一番の転機になった時期はいつですか?

ジョンヒョプ:ドラマ「ストーブリーグ」(2019)のときだと思います。この作品を通して僕はお芝居をずっと続けられるようになったので、ターニングポイントになりました。この作品でいろいろな先輩方にお会いしてたくさん話をしましたし、たくさん教わったおかげで、お芝居に対する情熱もさらに強まりました。なのでその時期が一番大きなターニングポイントだったんじゃないかなと思います。

― 今作には「人生にはバカンスが必要だ」というテーマがありますが、ジョンヒョプさんがこれまでの人生で「リフレッシュできた」と印象に残っているバカンスのエピソードがあれば教えてください。

ジョンヒョプ:自分の人生の中でとても大変で苦しかった時期に、思い切って1人で旅行に行ったことがありました。あのときが自分にとってのバカンスだったと思います。

チェ・ジョンヒョプの悲しみを乗り越えた方法

チェ・ジョンヒョプ(C)撮影:コウ ユウシエン
― 今、壁にぶつかっている読者に向けて、ジョンヒョプさんの“悲しみを乗り越えた方法”を教えてください。

ジョンヒョプ:とても難しい質問ですね…。もし僕がそういう方々へ何か言えるのであれば、アドバイスというほどではありませんが、ただ応援したいです。辛いときこそ、一度鏡で自分の姿を見てみて、たまには笑ってくれたらいいなと思います。鏡を見ながら泣いてみてもいいかもしれないです。

実際には、克服しなくてもいいんです。克服すれば良いことばかりが起こるという保証はどこにもないので。今その方々が置かれている状況はわかりませんが、僕個人的にはその状況の中でも十分に幸せになれるんだということを感じてくれたらいいなと思います。そして、自分の存在だけでも幸せだということに気付いてほしいです。なので鏡を見てにこっと笑ってみてほしいですし、一度は泣いてみてもいいと思います。

― “鏡を見る”というのはジョンヒョプさんが普段からやられていることなのでしょうか?

ジョンヒョプ:僕は少し違う方法でしたが、やったことはあります。モデルの仕事をしていたときに、笑顔が可愛い方が良い写真を撮ることができたので、鏡を見てすごく練習をしました。ですが、そういう意味でみなさんに「鏡を見てほしい」と言ったわけではなくて、僕はそのとき、鏡の中の自分を見て「僕はこんなふうに笑うんだな」と気付いたんです。なので無理に笑っているわけではない、心から笑っている自分の姿を、みなさんにも自分で感じてみてほしいです。誰かに見せるための飾られた綺麗な笑顔を作るのは僕自身「心が痛いな」と感じていたので、みなさんも自分の本当の姿を感じられたらいいのではないかと思います。

チェ・ジョンヒョプの夢を叶える秘訣

チェ・ジョンヒョプ(C)撮影:コウ ユウシエン
― モデルプレスには、夢を追いかけている読者もたくさんいます。そんな方々に向けて、ジョンヒョプさんの「夢を叶える秘訣」もお伺いしたいです。

ジョンヒョプ:僕にも夢があります。ですが、あまり大きな夢を抱いているわけではないと思います。もちろん大きな夢を持ったこともありますが、そこに辿り着くのはとても遠いように感じたので、すぐ目の前にある、自分が成し遂げられる目標を立てていくようになりました。例えば今、目の前においてある水を飲むことが僕の夢だとしたら、僕はこの水をすぐに飲めばもう夢を叶えた人になります。そうすれば次の夢を探すことができる。でも今僕がいるこの建物を買うという大きな夢を持つと、すぐに買えるお金がないので、明日も明後日も買えないですし、努力はすると思いますがとても遠い道のりですよね。なので僕はそういった失望を感じるより、小さな達成感を得られるよう少しずつ目の前にある夢を達成していく方がいいんじゃないかなと考えています。

― 最後に今作の配信に向けた意気込みと、楽しみにされている日本のファンのみなさんへメッセージをお願いします。

ジョンヒョプ:「バカンスの法則」は、みなさんの日常に安らぎをもたらすような作品だと思います。誰もが共感できる内容ではないかもしれないですが、観ながら一緒に笑って、気楽に楽しんでいただけたら嬉しいです。

― 貴重なお話をありがとうございました。

インタビューこぼれ話

実は今回の取材日は、ジョンヒョプの誕生日にほど近いタイミングだった。そこでモデルプレスから、ささやかなお祝いとしてお菓子を差し入れ。手渡した瞬間、インタビュー中の真摯な表情から一変。パッと花が咲いたような満面の笑みを浮かべ、「ありがとうございます!ありがとうございます!」と何度も繰り返し感謝の言葉を口にしていた。

帰り際には、お菓子の入った紙袋を大切そうにギュッと両手で抱きかかえながら取材部屋を後に。その無邪気でピュアな姿に、その場にいたスタッフたちも思わずほっこり。彼が国境を越えて多くの人を惹きつける理由が、そんな取材裏の何気ないワンシーンからもたっぷりと伝わってきた。(modelpress編集部)

チェ・ジョンヒョプ プロフィール

1993年5月19日生まれ。高校時代にモデル活動を始め、ドラマ「トゥーンドラショー シーズン2」(2016)で俳優デビュー。2019年「ストーブリーグ」で地上波ドラマ初出演を果たし、ドラマ「時速493キロの恋」(2022)で「2022 KBS演技大賞」新人演技賞を受賞。近年の主な出演作は、ドラマ「シーシュポス:The Myth」(2021)「わかっていても」(2021)「無人島のディーバ」(2023)「偶然かな。」(2024)「君がきらめく季節に」(2026)など。「Eye Love You」(TBS系/2024)で日本ドラマに初出演し、韓国俳優がヒロインの相手役を務めるのは民放GP帯連続ドラマ史上初となった。
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