モデルプレスのインタビューに応じたディーン・フジオカ(C)モデルプレス

ディーン・フジオカ、知人の死を経て感じる必然性「今の自分だからこそ真っ直ぐに向き合える作品」天才法医学者役も忘れない“ちいかわの精神”とは?【「LOVED ONE」インタビュー前編】

2026.04.14 12:00

放送中のフジテレビ系水10ドラマ『LOVED ONE』(毎週水曜よる10時~)で主演を務める俳優のディーン・フジオカ(45)にインタビュー。役作りのこだわりや今作にかける思いを語ってもらった。(インタビュー全2回の1回目)

  

ディーン・フジオカ主演「LOVED ONE」

ディーン・フジオカ「LOVED ONE」(C)フジテレビ
本作は、日本社会が抱える“死因不明”という闇に真正面から切り込み、“遺された痕跡”を手がかりに、隠された真実と故人が生きた証を解き明かしていく法医学ヒューマンミステリー。誰かの家族であり、恋人であり、友人であったはずの“誰かに愛されていた存在”=LOVED ONEが残した、声なき最後の痕跡をたどりながら、新たに結成された法医学専門チーム「メディカルイグザミナージャパン(MEJ)」のメンバーたちが、数々の難事件に挑んでいく姿を描く。ディーンは変わり者の天才法医学者・水沢真澄を演じる。

ディーン・フジオカ、緻密な役作りの裏側「ちいかわの精神は忘れずに」

ディーン・フジオカ「LOVED ONE」(C)フジテレビ
― 法医学者ならではの専門用語や解剖シーンなども登場しますが、役作りにおいて事前に準備した点はありますか?

ディーン:水沢真澄というキャラクターがなぜこういう行動をするのか、一つ一つのモチベーションについてイメージを膨らませ、「だからこそ、この道を歩んでいくんだ」という結論を導き出すことには一切妥協しませんでした。毎回やっていることではありますが、特に今回は「普通ならこうなってしまうよね」と流されそうになる場面が何度かあり、そのたびに「いや、そうではないんだ」と強く提示し続けました。『LOVED ONE』というタイトルが求める答えは、まだ存在していませんが「こうあるべきはずだ」と何かに導かれるものに対して、チーム一丸となって妥協せずに作り上げていったというのが、一番しっくりくる表現ですね。

もちろん、セリフの難しさや分量の多さはありますが、なぜそれが必要かと言えば、やはり「謎」を解いていく物語だから。法医学の観点から切り込むときもあれば、亡くなった“LOVED ONE”が生前に愛し愛されていたという“LOVED ONEの視点”も含めて謎を解いていく。その両方の面白みがあるのが、この作品の新しい切り口だと思います。ただ、ダブルで大変だったりもしますが(笑)。だけど、それを単なる説明セリフにしたり、天才ゆえの常人離れした人物像にしたりは、したくないと思っています。キャラクターの見た目や内面、バックグラウンドを含め、「この背景があるからこそ、この一言がこのように届けられる」という説得力を持たせる。そんな、針の穴に糸を通すような作業を、今も諦めずにやり抜いている最中です。

ディーン・フジオカ(C)モデルプレス/ヘアメイク:荒木美穂、スタイリスト:岡本純子
― 以前「命を扱う作品でありながらも、可愛さもある役にしたい」とお話しされていましたが、実際に演じる中でこだわっていることを教えてください。

ディーン:一種の「連続性」のようなものだと思うんです。積み上げていくからこそ癖になる、というか。解剖医のプロフェッショナルとしてアメリカで活躍されたトーマス野口さんという著名な方がいらっしゃいますが、その方がアメリカでどのようにお仕事をされていたのかを参考にさせていただいたり、現場の医療監修の先生やプロの方々とお話しして準備を進めた部分もあります。ただ、それらを持っておきつつも、“ちいかわ”のような存在になれたらいいなと思っていて。忘れないように、いつも身近にちいかわグッズを置いています(笑)。

なぜそこまで謎を解くことへのモチベーションが高いのか。その理由を掘り下げると、どうしても「天才だから」「変人だから」という言葉で片付けられがちです。でも、子どもの頃に理由もなく何かに強く興味を惹かれることって、誰にでもあると思うんです。真澄にとっては、それが動物や虫の生活を見ることだったり、森で死んでいる虫を見て「どうなっているんだろう」と興味を持ったりしたことだったのではないか。その純粋な好奇心の延長線上に、人間のご遺体に向き合う今の真澄がある。そうやって辻褄を合わせることを大切にしました。

ディーン・フジオカ「LOVED ONE」(C)フジテレビ
MEJで働く現代の真澄の背景として、アメリカ時代に何があったのか、なぜ日本でこの道を選んだのか、そして原点となる子ども時代にどんな体験をしたのかを、かなり具体的に掘り下げました。本編ですべてを描ききることはできないかもしれませんが、どこを切り取ってもスピンオフが作れるくらい、真澄のイメージはチーム内で共有できています。迷ったときも「真澄ならこうするよね」という明確なビジョンを持てるかどうかが重要だと思っていたので。…なんだか難しい話になってしまいましたが、でもちいかわの精神は忘れずに、という(笑)。その絶妙なバランスですね。(自前のちいかわタンブラーを見ながら)ほら、「パシッパシッ」って言っています(笑)。

ディーン・フジオカ、知人の死を経験「この作品に出会ったのは必然だった」

ディーン・フジオカ(C)モデルプレス
ディーン・フジオカ(C)モデルプレス
― 先ほど『LOVED ONE』というタイトルが求める答えはまだ出ていないとおっしゃっていましたが、演じていくうちにタイトルに対する思いに変化はありますか?

ディーン:第1話のラストで、真澄が麻帆に「“LOVED ONE”の意味は自分自身でしか決められません」と言うシーンがありましたね。僕も今回初めて、法医学の用語として“LOVED ONE”が「ご遺体」という意味を持つことを知りました。この『LOVED ONE』というドラマを今、世に届けることには、プロデュースチームの強い思いがあるのだと感じています。

個人的には、ここ数年で身近な友人や知人を急に亡くした経験もあり、この作品に出会ったのは必然だったと思っています。今の自分だからこそ、真っ直ぐに向き合える作品だと思いました。法医学的な側面だけでなく、その人が生きていたときに誰かを愛し、誰かに愛されていたという“生きた痕跡”にまで踏み込むのは、演じる上では2倍大変ではありますが、捜査権を持つMEJという特殊な角度から人の命に向き合っていくことは、今の僕にとってすごくパーフェクトなタイミングだと感じています。

今もキャラクターを作っていく中で、非常に充実感を感じる日々を送っています。僕だけでなく、スタッフの方々もそれぞれが“LOVED ONE”という言葉に引き寄せられた理由を持っているのではないかと思わされるほど、各部署の創意工夫や熱量を感じていて、一日一日手応えを感じながら前に進んでいます。

★後編へ続く――

(modelpress編集部)

ディーン・フジオカ プロフィール

ディーン・フジオカ(C)モデルプレス
1980年8月19日生まれ、福島県出身。香港でモデル活動を開始し、映画『八月の物語』(2005)の主演に抜擢され俳優デビュー。その後、台湾や北米にも拠点を広げ、国際的なキャリアを築く。日本では、NHK連続テレビ小説『あさが来た』(2015年度後期)の五代友厚役で“五代様ブーム”を巻き起こし一躍社会現象に。以降、『モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-』(フジテレビ系/2018)、『シャーロック アントールドストーリーズ』(フジテレビ系/2019)、『パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜』(日本テレビ系/2022)、『パリピ孔明』(フジテレビ系/2023)、映画『ラストマイル』(2024)など、数々の話題作に出演した。俳優業に加え、シンガーソングライター、映画監督、プロデューサーなど多面的な活動を展開。近年では、サバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN 新世界』の国民プロデューサー代表を務めるなど、活動の幅を広げ続けている。また公開待機作に、映画「正直不動産」(2026年5月15日公開)、「オラン・イカン」(2026年5月22日公開)が控えている。

「LOVED ONE」第2話あらすじ

八木勇征、ディーン・フジオカ「LOVED ONE」(C)フジテレビ
天才法医学者・水沢真澄(ディーン・フジオカ)とセンター長・桐生麻帆(瀧内公美)のもと、本格始動した「メディカルイグザミナージャパン(MEJ)」。しかし現実は理想とはほど遠く、本田雅人(八木勇征)、高森蓮介(綱啓永)、松原涼音(安斉星来)ら法医学者に加え、検査技師の吉本由季子(川床明日香)も山積みの書類業務に追われていた。思うように解剖にも関われず、スタッフルームには重苦しい空気が漂う。

そんな中、一足先に仕事を終えた本田は、大学病院の外科医として働く旧友・広野智樹(東龍之介)との飲み会へ。再会を喜び、思い出話に花を咲かせる2人だったが、やがて本田がこぼす現状の不満に対し、広野はどこか言葉を濁す。微妙な空気の中、広野は仕事の呼び出しを受け、どこか引っかかるものを残したまま、飲み会はお開きになる。

しかし翌朝、広野が異状死と見られる姿で発見される。堂島穂乃果(山口紗弥加)らが調査する現場に、真澄と麻帆、そして動揺を隠せない本田も駆けつける。真澄の見立てでは、“激しい衝突”が死因のようだが、どうやら落下した可能性が高いらしい。だが現場の近くに高い建物は見当たらず、「空から落ちてきたとでも?」と呆れる穂乃果。解剖の結果、遺体から判明した死因は「落下死」。一体、どこから落下したのか。そして、なぜ彼は死ななければならなかったのか――。
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