浜辺美波&Snow Man目黒蓮、初共演で深まった互いへのリスペクト「悔いのないように生きられたら」―再確認した日常の尊さ【「ほどなく、お別れです」インタビュー】
映画「ほどなく、お別れです」(2月6日公開)でW主演を務める女優の浜辺美波(はまべ・みなみ/25)、Snow Manの目黒蓮(めぐろ・れん/28)にインタビュー。「かけがえのない時間を愛おしく思えました」「悔いのないように生きられたら」――“別れ”をテーマにした作品を通じて気づいた日常の大切さとは。本作への想い、初共演となる現場で感じた相手へのリスペクトも語ってもらった。
浜辺美波&目黒蓮W主演「ほどなく、お別れです」
本作は「小学館文庫小説賞」の大賞受賞作の長月天音氏による同名小説シリーズ(小学館文庫刊)を実写化。就職活動に全敗し途方に暮れる中、とあるきっかけで葬儀会社でインターンとして働くことになったヒロイン・清水美空(浜辺)と、彼女を厳しく指導する指南役の葬祭プランナー・漆原礼二(目黒)がタッグを組み、“最高の葬儀”を目指す物語を描く。浜辺美波&目黒蓮が語る作品の魅力
― 本作の出演にあたり、どのように演じようと思われましたか?作品や役の魅力も含めてお聞かせください。浜辺:最初に脚本として原作を読ませていただいた時、どのエピソードもすごく胸にくるものがあって、感情移入してしまいました。人の心を動かす魅力がある原作だと思いました。美空という役を演じるにあたり、故人様やご遺族役の俳優さん方とご一緒する時に、どんな感情になるのか想像しきれない部分があって。現場に行ってその感情を受け止めてみたい、表現してみたいという風に思い、出演できたら嬉しいなと思いました。
目黒:僕はお話をいただいた時にこの作品を読ませていただいて、死や別れがテーマですが希望もあって、人としてすごく大事なことを教えてくれると感じました。だからこそ、当たり前のように感じてしまう日常も悔いのないよう大切に生きていかないとならないなと。人として大事なことが詰まっている作品なので、そういうメッセージを伝えることができるチームの中の1人になれることが嬉しかったです。
― ご自身の役についてはどのように感じられましたか?
目黒:一見クールですが、実はすごく愛がある人。表面はクールですが、その裏に愛が滲み出た魅力的なキャラクターだと思ったので、しっかり表現できるように意識しましたし、そういうところに面白みを感じました。
互いに感じた役とのリンク
― お二人でのシーンが多かったと思いますが、実際に共演してみて、お互いの“ここがすごい”と思ったところを教えてください。浜辺:目黒さん演じる漆原さんの「ほどなく、お別れです」というセリフは、隣で聞いていて、目が合っていなくても胸の奥にすっと入ってくるような感覚がありました。このセリフで、お葬式でご遺族の皆様を見ていて切なくなっていた自分の気持ちに風が通るようでした。このセリフが心にダイレクトに伝わるために、目黒さんはいろいろな準備をされてきたのだと思うと改めて素晴らしいなと思いました。ずっと隣で“漆原さん”を感じていました。
目黒:ありがとうございます。
― 目黒さんご自身としても声の部分は意識されていましたか?
目黒:はい、柔らかさや温かさを意識しました。あとは、漆原のタイミングで言っているのではなく、ご遺族の方たちが少しでも前を向くきっかけや変化を感じた時にこの言葉を言えるタイミングが来ると思うので、そういうのも含めて考えながら言っていました。ご遺族の方たちはきっと前を向き切ることはできないと思うのですが、少しでも前を向けるように。だから、こういう風におっしゃっていただけて嬉しいです。
― 目黒さんから見て、浜辺さんのすごいと思ったところは?
目黒:この作品は美空がどう成長していくかが大きな軸だと思っていて、浜辺さんがそれを見事に体現されていました。誰もが応援したくなるような美空を作り上げられていたので、すごいなと思いましたし、僕自身も本当に応援する気持ちで見ていました。足を運んで映画を観てくださる方たちにも、そういうところを楽しみにしてもらえたらと思います。
浜辺:ありがとうございます。
浜辺美波&目黒蓮、互いへのリスペクト――役と重なる関係性
― 美空と漆原のようにお互いから受けた刺激や、役の関係性が演技に反映されたことがあれば教えてください。浜辺:目黒さんは本当にお忙しい方なので…。
目黒:いや、浜辺さんもお忙しいですよね(笑)?
浜辺:いやいや、私は1本の作品に集中できますが、目黒さんはいろいろな活動をされているので、並行して動いているものが多いですし単純に考えて忙しいじゃないですか。その中で、全てのものを完璧にご自身でこなしていて。きっといろいろな時間を削って向き合われていると思いますし、そのストイックな姿勢が本当に素晴らしくてリスペクトしています。妥協を許さない方なんだろうなと感じました。現場でもそうやって向き合われている姿勢を間近で見させていただいていたからこそ、自分も気を抜けないなと毎日思っていました。
あと、漆原さんの佇まいの温かさが印象的です。特にお葬式のシーンでは少し後ろに控えていることが多く、私と目線は合っていないのですが、目黒さんが全身で漆原さんを表現されていて、漆原さんなりの愛で全てを包み込んでいる姿を身近で感じられて、すごく刺激になりました。目黒さんの作品への愛、そして漆原さんの葬儀やお仕事への愛が作品全体を包み込んでいて、いろいろなところに良い影響をいただけたと思います。
― 完成報告会では、目黒さんが納棺の儀の練習中、浜辺さんが後ろで正座しながら見守っていてくれたというお話もありましたが、この作品において浜辺さんは目黒さんにとってどんな存在でしたか?
目黒:撮影の最初の頃に少しお話した時に、浜辺さんが「お芝居久しぶりなんです」のようなことをおっしゃっていて。そう言いながらも、監督とよく話し合いをされていて、“貪欲に成長していくぞ”という姿勢がすごく出ていて、その姿がまさに美空だなと思いながら見ていました。僕もすごく刺激をもらいましたし、監督と話して丁寧に作り上げていく方なんだなと感じました。
また、後ろで座って見ていらっしゃる姿も美空そのものだなと。カメラが回っていない時もそういう雰囲気で、現場全体に緊張感がありながらも温かさのある空気を作ってくださっていたんじゃないかなと思います。
三木孝浩監督と共有した“想い”
― 浜辺さんは三木孝浩監督とよくお話されていたとのことですが、具体的にどんなお話をされていたのでしょうか?浜辺:三木さんは毎回クランクイン前の顔合わせの段階でお手紙をくださるんです。私がいただいたお手紙には「故人様やご遺族の皆様の気持ちを現場で受け取って、その感じた感情をそのまま表現してほしい。これからいろいろな成長物語が描かれていくはずだから」という風に書いてあって、私もまさにそう思っていたんです。事前に準備して想像していくというよりは、いろいろな俳優さんの感情を受け取ってそのまま表現していけたらいいなと考えていたので、同じ気持ちで背中を押してくださってすごく嬉しかったです。
撮影中にご指導いただくことが多かったのは、私が漆原さんのトーンに引きずられてしまっていたということ。「美空はもっとマイペースな雰囲気で美波ちゃん自身の明るさを生かして演じてもらった方が作品に緩急がつくから」「切なくなるシーンも多いけど、もっと希望を持って明るくやってもらっていいんだよ」と声を掛けていただきました。だから、何気ない会話のシーンや、漆原さんとお掃除の練習をするシーンは、明るくコミカルに、とご指導いただいたことが印象に残っています。
― 美空の人物像についてしっかりとお話されていたのですね。
浜辺:最初の頃は、そういったご指導をたくさんいただきました。自分がこの作品に対する印象を結構重めに捉えてしまっていたのですが、希望を描いている作品なので、もっとたくさんの方に楽しんで観ていただけるよう軌道修正しました。
― 目黒さんは三木監督からどんなお手紙をいただきましたか?
目黒:この作品で伝えたいこと、三木さんがどういう想いを伝えたいのかということが手紙に書かれていました。当たり前のようにあることが当たり前ではないという大事な部分や、漆原は過去の経験から誰よりもご遺族の方たちに寄り添う愛のある人物であること。浜辺さんもおっしゃっていましたが、自分の捉え方と監督の想いが一致していたので、その通りに伝えたいなと思いました。その想いをクランクイン前に手紙で確認できたので、同じ方向を向けていると分かって、お芝居にすごく入りやすかったです。
現場では、三木さんは1歩引いたところから温かく見守ってくださって、自分が今までお会いした監督さんたちの中でもトップレベルで柔らかさと温かい空気感を持っている方です。例えば、撮影でOKが出た時に、僕の方に近づいてきてニカッと笑いながら頷いて、グッドサインをしてくれるんです。三木監督が後ろでドシッと見守ってくださっていて、そんな空気の中でのびのびとお芝居ができたので、すごく楽しかったです。本当に温かい現場でした。
浜辺美波&目黒蓮、“かけがえのない日常”への気づき
― 本作を通して“死”や“別れ”というテーマだけでなく、人との関わり方についてすごく考えさせられました。お二人は撮影を経て変化したことはありましたか?浜辺:実家に帰る機会って、仕事を頑張ろうと思えば思うほど少なくなってしまっていたので、どうにか時間を見つけて帰らなくてはいけないなと思いました。今まで少し気恥ずかしくて聞けていなかったことを両親に質問してみたいなとも思いました。
自宅に帰ってワンちゃんの顔を見た時も、いつも愛おしいなと思って抱きしめているのですが、さらに愛おしさが増しました。ワンちゃんは見た目がほとんど変わらないので、年をとっても分からない部分があるのですが、これは今の限られた幸せでもあるという、忘れていた事実を思い出すことができました。かけがえのない時間を愛おしく思えました。
目黒:この作品に出会う前から、もし亡くなった後の世界があったら、大切な人とどこで待ち合わせしようかな、あそこだったらあの人は分からないかな、と想像していたことがありました。自分の性格的にそういうことをよく考えるタイプなのですが、今回改めて考えるきっかけをもらえた作品でした。悔いのないように生きられたらいいなと思いました。
― 劇中に“少しの間のお別れ”という言葉がありましたが、目黒さんは来年「SHOGUN 将軍」シーズン2の撮影で日本を離れられます。作品と重なる部分や、思うことはありましたか?
目黒:自分の人生は1回きりなので、悔いのないようにいろいろなことにチャレンジしていける人生にしたいと常に思っています。それはお仕事だけではじゃなくて、誰かと関わる時やプライベートでもそうありたいと考えています。
浜辺:元気に無事に帰ってきてくださいね。
目黒:元気にね(笑)。健康が1番です。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
浜辺美波(はまべ・みなみ)プロフィール
2000年8月29日生まれ、石川県出身。2011年、第7回「東宝シンデレラ」オーディションでニュージェネレーション賞を受賞し芸能界入り。以降、ドラマや映画、CMなど多岐にわたり出演。2017年公開の映画「君の膵臓をたべたい」で日本アカデミー賞の新人俳優賞などを受賞し頭角を現す。現在放送中のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合テレビ、毎週日曜午後8時~/BSプレミアム・BS4K、毎週日曜午後6時~)では、池松壮亮演じる豊臣秀吉の正妻・寧々役として出演している。目黒蓮(めぐろ・れん)プロフィール
1997年2月16日生まれ、東京都出身。2020年1月にSnow ManとしてCDデビュー。俳優としては、2022年にドラマ「silent」(フジテレビ系)で難聴を患う難役を演じ脚光を浴び、同年公開の映画「月の満ち欠け」では日本アカデミー賞の優秀助演男優賞、新人俳優賞を受賞した。待機作に、映画「SAKAMOTO DAYS」(4月29日公開)があるほか、FXのドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」シーズン2(Disney+)の出演も決定している。もっと詳しくみる
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