TRiDENT、マイファスNob提供曲でメジャーデビュー “紆余曲折のバンド人生”綴る<インタビュー>
2025.11.05 18:15
ASAKA(Vo/Gt)、SERINA(Ba/Cho)、NAGISA(Dr)からなる3人組ガールズロックバンド・TRiDENT(トライデント)が、11月5日に1st EP「BLUE DAWN」でメジャーデビュー。MY FIRST STORYのNobが手がける、これまでのバンド人生を綴ったリード曲や、ダブルタイアップについてなど、3人の想いに迫った。
困難を乗り越え“再始動”― TRiDENTとは
2020年5月、メンバー脱退と活動休止を経て、NAGISAが正式加入し第2章の幕を開けたTRiDENT。見た目からは想像できないヘヴィで迫力ある“Super Lowサウンド”を武器に、今、熱い視線を浴びる。再始動後に公開した初のMUSIC VIDEO「Continue」は、インディーズながらわずか3ヶ月で100万回再生を突破。Zepp Hanedaでの再始動ワンマンライブを満員の観客と共に成功させ、完全復活を遂げた。
YouTubeチャンネル登録者数は13.9万人、MV総再生回数は1,400万回を記録するなど、確かな実力で支持を集めている。
TRiDENTの素顔と結成秘話
― まずはモデルプレス初登場ということで、自己紹介をお願いします。ASAKA:TRiDENTのボーカルとギターを担当しているASAKAです。趣味は友達との旅行と、最近は麻雀にハマっています。特技は車の運転です。
SERINA:ベースとコーラスを担当しているSERINAです。最近はキャンプにハマっていて、特技は絵を描くことです。
NAGISA:ドラムを担当しているNAGISAです。趣味は、ASAKAに勧められて始めた麻雀です。特技は、どこでもすぐに眠れることです(笑)。
― 3人中2人の趣味が麻雀は珍しいですね!ASAKAさんとSERINAさんは同じ高校だったとのことですが、そこからNAGISAさんと出会い、現在の3人になるまでの経緯を教えてください。
ASAKA:SERINAと同じ高校の軽音楽部で、一緒にバンドを組んだのが原点です。最初は有名バンドのコピーをしていましたが、次第にオリジナル曲も作るようになって。地元のライブハウスの先輩たちに教えてもらいながら、手探りで本格的に活動を始めました。
SERINA:当時は大阪を拠点にしながら、東京や名古屋など、活動範囲を広げていろいろな場所でライブをするようになりました。その頃、NAGISAも別のガールズバンドでドラマーとして活動していて、よく対バン(共演)する仲だったんですよね。
NAGISA:そのバンドを脱退して、ソロのドラマーとして活動を始めようとしていたところに声をかけてくれたのが2人で。
SERINA:ちょうど私たちのドラマーが脱退するタイミングだったので、「サポートドラマーとして手伝ってくれない?」って声を掛けたのがきっかけで、今のTRiDENTが結成されました。
NAGISA:2人が大事なドラムの席に私を選んでくれたのは、率直に嬉しかったです。今でも誇りに思っています!
メジャーデビューへの想い「この日のために耐え抜いてきた」
― 2020年の再始動から5年、ついにメジャーデビュー決定、おめでとうございます!メジャーデビューが決まった時の率直な心境を教えてください。NAGISA:ありがとうございます。メジャーデビューは、バンドをやる上での大きな目標の一つだったので、とても嬉しいです。一緒に夢を叶えてくれるファンの皆さんには「ありがとう」と「これからもついてきてください」という気持ちでいっぱいです。
ASAKA:TRiDENTになってからは5年ですが、それぞれのバンド活動期間を考えると、決して短くはなかったインディーズ時代を乗り越えて、ようやく掴んだ念願のデビューです。
SERINA:ここまで本当に長かったよね。
ASAKA:でも、ここがゴールではなく、新たなスタートだと思ってさらにパワーアップしたいです。応援してくれるファンの皆さんやスタッフの皆さんと一緒に、もっと大きなステージを目指して頑張ります。
SERINA:5年目という節目でメジャーデビューできることが決まって、「この日のために今まで耐え抜いてきたんだ」という気持ちと、努力が報われた安心感で胸がいっぱいです。応援してくれている周りの人たちに、胸を張って恩返しができる第一歩になりました。
― ファンの方もかなり喜んで?
一同:めちゃくちゃ喜んでくれました!
SERINA:皆が喜んでくれたことでようやく実感が湧きましたね。
NAGISA:ファンの方への発表はサプライズにしたかったので、少し意味深に「ライブで新たな発表がある」と伝えていました。ファンの皆さんは、少し不安な気持ちだったと思うんですが、メジャーデビューの発表だったので、ジェットコースターのような感情になったんじゃないかな…(笑)。
1st EP「BLUE DAWN」は“TRiDENTの今と未来が凝縮された”1枚
― メジャーデビューを飾る1st EP「BLUE DAWN」は、皆さんにとってどのような作品になりましたか?ASAKA:これぞメジャー1枚目という作品です。私たちらしさはもちろん、メジャーだからこそできた新たな挑戦が詰まっています。アニメのタイアップやカバー曲など、新しい要素を取り入れつつ、これまでのTRiDENTとこれからのTRiDENT、その両方を感じてもらえる希望のある1枚になったと思います。
SERINA:それに加えて、新しいアレンジャーの方の参加など、新しい風がたくさん吹いた作品なので、すごく視野が広がった1枚になりました。今までのロックファンだけでなく、より多くの人たちが聴きやすい作品になったと思います。
NAGISA:本当に今までできなかったことにも挑戦させてもらえたので、TRiDENTの今と未来が凝縮された1枚です。
― リード曲の「黎明ノ歌」は、MY FIRST STORYのNobさんからの提供曲ですが、制作現場はいかがでしたか?
NAGISA:面白かったのは、ギターのピックスクラッチの録音です。Nobさんが普通のピックではなく、長い定規を使って音を出していて。どんな道具も使いこなすんだなと(笑)。
ASAKA:綺麗な音で録れるんだよってね(笑)。定規を使って音を撮るのは初めてだったのでびっくりしました。
SERINA:レコーディングだからこそできることだよね。
ASAKA:あとはボーカルのディレクションをしていただいたのが特に印象的でした。Nobさんの提案で、歌詞や曲の重要なポイントにファルセット(裏声)を効果的に入れて、今までになかった新たな一面を表現できました。Nobさん節が詰まっていて、とても刺激的でしたね。
SERINA:元々制作に入る前に、メンバーそれぞれの音楽のルーツや好きな曲をヒアリングしてくださったことにも感動しました。私たちのことを深く理解しようとしてくれる姿勢が本当に嬉しかったですし、出来上がった曲も、私たちの色とNobさんらしさが見事に融合していて、そこにすごく愛を感じました。
NAGISA:Nobさんが提供されている曲がすごく好きで、いつかやってもらいたいねって話していたので、メジャーデビューで叶って嬉しいです。
― 記念すべき1stEPになりましたね!ちなみにASAKAさんが作詞を手掛けていますが、どのような想いを込めたのですか?
ASAKA:これまでのバンド活動を通して感じてきた思いや、辛かったことも含めて、ありのままの想いをさらけ出した曲です。もうダメかもしれないと思った時もあったけど、諦めずに一歩でも進み続けたからこそ、その思いが届いてメジャーデビューというチャンスを掴むことができました。この実体験をもとに、聴いてくれる人の背中を押せるような曲になればいいなと思います。
SERINA:ASAKAからLINEで歌詞を受け取って、まだメロディーしかない音源に頭の中で当てはめて聴いたら、自然と涙が出てきました。特に、ASAKAと前身バンドから長い間一緒にやってきたからこそ、このメジャー1作目のリード曲がこの歌詞で本当に良かったなと、胸にぐっとくるものがあって。TRiDENTのことを知ってくれている人ほど、心に刺さる1曲だと思います。
NAGISA:私は2番のサビの「忘れかけてた大切なこと 何のためにこの船漕ぐのか」というフレーズが好きで。ライブで演奏していても、自分自身に「何のためにこの船を漕いでいるんだっけ」と問いかけて、ハッとさせられることがあります。私たちは目標に向かって常に頑張っているけど、何のために進んでいるのか忘れてしまうこともあるので、この歌詞がすごく響きます。
カバー曲からメンバー作曲まで…多彩な収録曲
― 今作には、テレビアニメ「ポーション、わが身を助ける」のOP・EDテーマも収録されています。特にOPはロックバンド・すかんちの名曲「恋のマジックポーション」をカバー。プレッシャーはありましたか?ASAKA:私たちのファンの方や親世代の方々から「懐かしい!」と言ってくださることが多くて。性別も違うので、原曲のファンの方々をがっかりさせないように、というプレッシャーはありました。
SERINA:そもそもカバー曲をCDで出すことが初めてだったので、どのぐらい我が者顔していいのかも分からなくて(笑)。こういう新しい形のリリースもあるんやって気付けた曲だよね。ROLLYさんと一緒に制作させていただいたのですが、ものすごく素敵な方でした。
NAGISA:レジェンドなのに、すごく腰が低くて、常に現場を盛り上げようと気を遣ってくださって。その姿に、私たちも学ぶべきところがたくさんあるなと感じました。お喋りしながらずっとギターを弾いていて、音楽が本当に好きな方なんだなと伝わってきて、ご一緒できて光栄でしたね。
― ROLLYさんの音楽愛と人柄が伝わる、素敵なエピソードですね。今作は他の楽曲も非常に多彩ですが、推しポイントを教えてください!
ASAKA:「NEW ERA」は、これまでもTRiDENTのリード曲を手掛けてくださった堀江晶太さんと一緒に制作した曲です。ファンの皆さんにとっては“実家のような安心感”がある曲だと思いますが、ライブでみんなで歌ったり、遊べるポイントがたくさんある楽曲になっています。
NAGISA:TVアニメ「ポーション、わが身を助ける」のEDテーマになっている「MIRACRAID」は、私が初めてTRiDENTの楽曲の作曲をさせていただきました。原作の漫画を全部読んでからメロディーを作ったので、可愛らしい絵に合わせて、親しみやすいメロディーにしたのがポイントです。アニメを見れば見るほど、ASAKAが書いた歌詞が主人公にリンクしていくので、ぜひアニメと一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです。
SERINA:「カントリー・ロード」は、誰もが知る名曲ですが、メンバー全員に思い入れがあったのでカバーすることになりました。原曲とはかけ離れたメロコアのビートを取り入れたのは、私たちにとっても新しい挑戦です。ライブではサークルモッシュが起きるくらい盛り上がってほしいですし、最後はみんなで歌って感動的に終わりたい。走り回れるし、歌える曲です。
TRiDENTの夢を叶える秘訣
― では最後に、夢を追いかけているモデルプレスの読者に向けて、「夢を叶える秘訣」を教えてください。SERINA:私は圧倒的に「続けること」だと思います。頑張りすぎず、でも諦めず、とにかくポジティブに長く続けることが、夢を叶える一番の近道だと思います。
ASAKA:夢を口に出すことです。「言霊」という言葉があるように、夢を言い続けていると、誰かがそれを聞いてくれていたり、自分の言葉に魂が宿って、叶いやすくなる気がします。バンド活動でも、口に出したから叶ったことはたくさんありました。どんなに馬鹿げたことでも、まずは言ってみることが大事です。
NAGISA:私も2人と同じで、とにかく「続けること」だと思います。続けないと何も始まらないし、最後は続けた者が勝つと信じているので。高校生の時から始めたドラムは、私の人生で唯一続いていることです。母にも「よくここまで続いたね」と言われるくらい(笑)。でも、続けてきたからこそ、今こうしてお仕事になってメジャーデビューを掴むことができました。バンドとドラムを続けてきて、本当に良かったなと思います。
― ありがとうございました!確かな実力と、何があっても折れない強い意志。インタビューを通して、TRiDENTが多くのファンを惹きつける理由がはっきりと見えた。“夜明け”を意味する「BLUE DAWN」を手に、彼女たちはこれからどんな景色を見せてくれるのだろうか。ガールズロックシーンの未来を切り拓く彼女たちの新たな航海から、目が離せない。(modelpress編集部)[PR]提供元:キングレコード株式会社
撮影:藤田亜弓
TRiDENT 1st EP「BLUE DAWN」
【CD収録曲】初回限定盤・通常盤共通1.黎明ノ詩
2.NEW ERA
3.MIRACRAID
4.恋のマジックポーション
5.カントリー・ロード
【DVD収録内容】初回限定盤のみ
・「黎明ノ詩」Music Video
・メイキング映像収録予定
【初回限定盤(CD+DVD)】KICS-94235
価格:¥4,500(税抜価格 ¥4,091)
【通常盤(CD)】KICS-4235
定価:¥2,500(税抜価格 ¥2,273)
TRiDENTメンバープロフィール
・NAGISA(Dr)誕生日:8月18日
血液型:B型
身長:153cm
・ASAKA(Vo/Gt)
誕生日:9月10日
血液型:A型
身長:156cm
・SERINA(Ba/Cho)
誕生日:1月17日
血液型:A型
身長:156cm