三山凌輝「色々と深く考えるような時期」を乗り越えられた出会い 今後の夢「幸せになる」の真意とは【「誰よりもつよく抱きしめて」インタビュー後編】
映画「誰よりもつよく抱きしめて」(2月7日公開)にて、強迫性障害による潔癖症に悩まされる水島良城役を演じた俳優の三山凌輝(みやま・りょうき/25)。この役のオファーを受けた時、苦しみの中にいたという三山自身が、そこから良城を演じる中でどのように変化していったのか。また、BE:FIRST(ビーファースト)のメンバー・RYOKI(リョウキ)として、俳優だけでなくアーティストでも多岐に渡る活躍を見せる三山にとっての「夢を叶える秘訣」にも迫った。【インタビュー後編】
三山凌輝「誰よりもつよく抱きしめて」との出会いはタイミングが良かった
1月26日、Kアリーナ横浜で開催された「誰よりもつよく抱きしめて」完成披露上映会&PREMIUM EVENTに出席した三山は、その舞台上でこのように打ち明けた。撮影時期は、自分自身も色々、考えることが多かったような状態だったようだが、「役と出会ったタイミングはむしろ良かった」という。どんなことなのか、三山に問うと「人って生きていると色々ありますから、あの頃は色々と深く考えるような時期だったんです」と伝えてくれたが、そう話す彼の目はもうすでにひとつの壁を乗り越え役者としての未来も見据えたように微笑んでいた。「人間である以上、人生には色んなフェーズがあって、生きていく上でもいろんな事があるからこそ、そこに向き合っていたらいつか花が咲いたり、逆に苦しむこともあったりする。でも、どこかしらで好転して人生の転機は来ると思うんです。ですので、僕は人生が波乱万丈であっても、1つひとつ向き合うことを大事にしていきたいです。悲しい、嬉しい、楽しい、幸せという感情の変化を細かいところまで感性豊かに感じていけることが、最終的には自分が幸せだと思える瞬間に繋がるのではないかと思うので、そういう感性も大切にしたい。あとは、物事に対し決めつけるのではなくていろんな側面から見ることによって、疑問を持ってあげることがすごく役者をやっていても大事だなと思うんです。いろんな人を演じるにあたって『これって本当にこうなのかな?』と疑問を持ってあげる向き合い方が、役や自分自身の人生もより奥深く、豊かにしていくと思っています。」
さらに「良城を演じられたことが、すごく自分の中でも出会いでしたし、役として向き合えたことが、この『誰よりもつよく抱きしめて』という作品に出会った意味なのかなとは思います」と役に向き合ったことで、自身の内面をも整理することができたという三山が、水島良城というキャラクターに感じた共通点とは。
「良城というキャラクターは苦しみも抱えているんですけど、逆に良城に助けられる瞬間もあったり、そういう意味で言うと、この撮影を通じて真逆とも思われがちな良城と自分は、意外にも心のどこかしらでは似ている面もあり、共感できると感じました」
三山凌輝の夢を叶える秘訣
2022年、モデルプレスがインタビューした際、三山は「夢を叶える秘訣」は何かについて「諦めないこと・しがみつくこと」「無駄な努力をしない」と力強く答えていた。今回も同じ質問を問うにあたり、以前の回答を伝えると「確かに概ね変わっていないですけど、数年前の僕が言いそうなことだと思います(笑)」と笑顔を浮かべた。この数年、NHK連続テレビ小説「虎に翼」への出演やBE:FIRSTでのドームツアーといった目覚ましい活躍を遂げてきた彼は、いまどのように考えているのだろうか。「基本的には言葉自体はあまり変わらないと思うんですけど、実際に夢や目標、自分が叶えたいことには言霊がすごく大事だなと思っていて。自分自身にプレッシャーを重ねるじゃないですか。『やりたい』というより『やる』と周りの人にも言い続ける。言い続けている=それぐらいエネルギーがある人というのは、ある程度それに相応した本質的な努力、無駄ではない努力をできるようにもなっていると思うんです。『自分はこれをもっとやりたいんだ』『これをできるようになりたい』という気持ちをもっと外に伝わるように言葉にすれば、『類は友を呼ぶ』ではないですけど自分が出している光に対して、応援や協力をしてくれる人たちは少なからずいると思うんです。
そういう自分を救ってくれる人間に巡り会えるチャンスは必ずどこかのタイミングである。だから、キャッチャーのミットグローブのように投げてきた球を自分がいつでもキャッチできるような感覚で、そういうチャンスに向けて、しっかり自分自身が常に準備を整えておくことと、いつどういうチャンスが来ても地に足をつけて浮かれずにいれる状態にしていくこともすごく大事な気がします。
あとは目標が1つ叶った少し先の話になってしまうかもしれないですけど、色んなことを経験してきてそこで満足しないこと。本当に大きい目標だと自分では思っていたけれども、それが1つ叶ったとしてそこで燃焼してしまうことなく、自分のキャリアを生かした新たな夢や目標を膨張させたプランなのか、そういったものを描きながら進んでいくと、目の前のことをコツコツとやりながらも、目先にとらわれず人生の設計を立てて歩んでいけるのではないかなと思います」
今“言霊”にして叶えたい夢を聞くと「幸せになる」というシンプルな答えが返ってきた。しかし、その言葉には俳優としてアーティストとして芸能界で酸いも甘いも経験してきた彼だからこそ伝えたい思いがあった。
「本当に色んなことを経てずっと思ってきたことなんですけど、特にこのエンタメ業界に限らず、今の日本や世界の情勢などを踏まえても、雲がかっているところも多いなと。その環境というのは人間に降り注ぐもので『生きづらい』と感じたりもすると思います。エンタメ業界でいる経験でいえば、ときに自分自身の意思や意見を抑えたり、打算的にせざるを得なくなってしまうような瞬間もあります。でも本質を突けば、パフォーマンスや作品自体にはすごく美しいエネルギーが溢れていて『何かを人に伝えたい』という強い衝動があります。そういうものが、何かしら人に届いた瞬間に『明日を生きようと思えたんです』と言ってくださって、誰かの生き甲斐になることがとても多いから、自分自身も幸せではないと周りの人も幸せにできないし、幸せというものを少しでも巡り会えた人たち、応援してくれる人や近くにいる人などと共感して共有し合うことが、人生の中で最も大事な本質なのではないかと僕は思っています。
今、僕はこういう仕事をさせて頂いているので、ファンの皆1人ひとりと向き合いたいという気持ちなのですが、実際には大勢の方が僕のことを見てくださっている瞬間の方が多いと思うんです。だからこそ、その瞬間に僕が『幸せになろうね』とか、自分の持っている生きざまや感覚、思っていることを一気に共有することで、少しでもそういう感情やワードをキャッチしてもらって、何かしら感じてくれたらいいなと思うので、そういう意味で自分も幸せにして、少しでも周りの皆さん全員幸せにできたらいいなと思っています」
インタビューを通して、三山は自身が演じる役や作品、共演者や周りの人たち、そして三山を応援する人たち全てに寄り添い理解しようとすること、考えることを決してやめない人なのだと感じた。そうして1つひとつに向き合い成長を遂げていく三山が、俳優として今後どんな姿を見せていくのか、これからの活躍も楽しみにしていきたい。(modelpress編集部)
三山凌輝&久保史緒里W主演「誰よりもつよく抱きしめて」
本作は、究極の純愛小説として話題となった新堂冬樹の同名小説「誰よりもつよく抱きしめて」(新堂冬樹/著、光文社文庫)の映画化。「ミッドナイトスワン」「サイレントラブ」をはじめ、生きづらさを抱えながらも愛を通して他者と関わる人間の様相を写し取ってきた、内田英治監督の真骨頂となる一作となる。強迫性障害による潔癖症で、常にビニール手袋着用で生活し、同棲する恋人にも手すら触れることができない絵本作家・水島良城を三山、恋人に触れてもらえず、彼の病気を理解しつつも、自分の揺れ動く心に思い悩む書店員の女性・桐本月菜を久保が演じる。
三山凌輝(みやま・りょうき)プロフィール
1999年4月26日生まれ、愛知県出身。俳優。BE:FIRSTのメンバー。主な出演作に映画「HiGH&LOW THE WORST X」(2022)やドラマ「往生際の意味を知れ!」(2023)、「生理のおじさんとその娘」(2023)、連続テレビ小説「虎に翼」(2024)などの話題作へ出演。「誰よりもつよく抱きしめて」は自身初の主演映画となる。もっと詳しくみる
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