「虎に翼」同性愛者・轟(戸塚純貴)を描く重要性「朝ドラで描くことには意味がある」制作統括が明かす思い【インタビュー後編】
女優の伊藤沙莉が主演を務める連続テレビ小説「虎に翼」(NHK総合・毎週月~土あさ8時~ほか)の制作統括を担当する尾崎裕和氏に、モデルプレスら報道陣がインタビュー。後編では、主人公・佐田寅子(伊藤)の周りを囲むキャラクターたちを演じるキャスト陣などについて聞いた。
伊藤沙莉主演朝ドラ「虎に翼」
第110作目の連続テレビ小説となる本作は、日本初の女性弁護士である三淵嘉子(みぶち・よしこ)さんをモデルに描くリーガルエンターテインメントだ。制作統括が語る岡田将生の魅力
― 寅子の夫・星航一を演じる岡田将生さんの起用理由と現場での様子を教えてください。尾崎:岡田さんには、ドラマの大きな流れが決まった時に、内容や人物像をお話した上で参加していただきました。とても魅力的な役者さんであることはもちろん、航一が総力的研究所にいた過去を背負っている人であり、寅子のパートナーとして生きていく人であることを踏まえ、繊細さを持った航一のキャラクターを、ぜひ岡田さんにお願いしたいなと相当前からキャスティングをご相談していました。
寅子や優未(竹澤咲子、毎田暖乃)との収録の待ち時間の際も、皆さんと楽しく談笑されている時もあれば、スッといなくなる時もあるし、すごくナチュラルで適度な距離感を保っていて、航一さんっぽいなと感じます。
― 打ち合わせや撮影を経て、岡田さんの役に対する意気込みを感じる瞬間はありますか?
尾崎:総力戦研究所での過去を打ち明けて、自分の責任を吐露する航一のシーンは素晴らしかったです。あそこは本当に長いシーンだったので、半日以上収録をしていましたが、岡田さんも演出とじっくり話し合いながら作っていました。
研究所の回想シーンでは、話す言葉にすごくこだわっていて、演出と丁寧に相談していました。きっと、ここが星航一にとって重要なキーになるシーンだと考えられていたからこそ、どういう風に造形していくのかじっくり考えながら進められていたと思うのですが、それがすごく印象に残っています。
美佐江(片岡凜)は時代変化の象徴
― 個性的なキャラクターが多い中で、女学生・森口美佐江は、片岡さんの好演も相まって特に異彩を放っていたと思います。改めて、片岡さんの起用理由を教えてください。尾崎:片岡さんはお芝居が素敵なのはもちろん、X(旧Twitter)の投稿がすごく個性的で聡明で「この方は色々なことを考えてらっしゃるんだな」といった印象を抱いておりました。何を考えているか分からない少女という美佐江のキャラクター的にも、片岡さんがすごくハマりそうだし面白そうだなと思ってお願いしました。
元々すごく良いお芝居をされているのですが、朝ドラは今回が初めてということもあって、現場では演出とじっくり相談しながら作っていらっしゃって、片岡さんのお陰で美佐江がすごく良いキャラクターになっていると思います。
― 美佐江のような謎めいたキャラクターを出すことで、サスペンスのようなスリルある物語となっていると思いますが、こうした展開は最初から考えられていたのでしょうか?
尾崎:美佐江は、貧しい生活の中で生きるために罪を犯さなくてはならなかった道男(和田庵)たちとは違い、裕福で恵まれているけどなぜか罪を犯してしまう若者として、時代が変わったという側面も含めて描きたいという想いがありました。美佐江が出てきたことによって、演出上はサスペンス仕立てになっていますが、そういった展開にしたいというよりは、年代が変わっていくことによる少年犯罪の変化を描いていきたいという考えがベースにあります。
― 岡部たかしさんの息子・岡部ひろきさんの出演も話題を集めていますよね。
尾崎:実は、ひろきさんはオーディションに来ていただいて、その時に見たお芝居が素敵だったので入倉のような少し捻くれた若者がピッタリだと思いお願いしました。たかしさんの息子さんだということは知っていましたが、息子さんだからという理由ではなく、お芝居をしっかり見せていただいた上でキャスティングしました。
同性愛者・轟(戸塚純貴)を描く重要性
― 事実婚や同性婚など、まさに今議論されているトピックが作中に織り込められていますが、これは最初の企画段階からある程度想定していたのでしょうか?尾崎:いわゆる事実婚という形で、トラコと航一は結婚することになります。これは、脚本家の吉田(恵里香)さんとも色々な打ち合わせを重ねたのですが、寅子がこれまで積み重ねてきた人生の中で、2回目の結婚についてはこういう風に考えるんじゃないかと、吉田さんが育ててきた寅子に寄り添って考えていきました。事前に大きな枠組みの中でどんな結婚にするのか決めていたというよりは、今まで描いてきた寅子の思考の筋道を辿って作り上げていった形になります。
また、轟(戸塚純貴)が同性愛者であるということは、最初に作品の大きな流れを考える時に決めていました。彼が歳を重ねていく中でパートナーに出会い、結婚ということをどう考えるかということを朝ドラで描くことには意味があると思いますし、視聴者のみなさんへの問いかけにもなっているのではないかと思います。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
「虎に翼」第111回あらすじ
直明(三山凌輝)と玲美(菊池和澄)の間に子供が産まれ、ますますにぎやかになった猪爪家。星家では寅子(伊藤沙莉)が百合(余貴美子)の様子がおかしいことに気付くが―。昭和34年11月。「原爆裁判」は約4年間、27回にも及ぶ準備手続を終える。いよいよはじまる口頭弁論に向け、弁護士の雲野(塚地武雅)は気合いを入れ直していた。
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