「虎に翼」伊藤沙莉、カット後も号泣止まらぬほどの憑依ぶり 制作統括が語る“変わらない”凄み【インタビュー前編】
女優の伊藤沙莉が主演を務める連続テレビ小説「虎に翼」(NHK総合・毎週月~土あさ8時~ほか)の制作統括を担当する尾崎裕和氏に、モデルプレスら報道陣がインタビュー。前編では、伊藤の凄みや印象に残っているシーンを語ってもらった。
伊藤沙莉主演朝ドラ「虎に翼」
第110作目の連続テレビ小説となる本作は、日本初の女性弁護士である三淵嘉子(みぶち・よしこ)さんをモデルに描くリーガルエンターテインメント。伊藤は、主人公の佐田寅子(通称・トラコ)を演じる。「寅子は寅子」歳を重ねても変わらない魅力
― 女学校時代からスタートし、現在トラコは30代半ばの歳になると思いますが、中年期のトラコを描くにあたり心がけたことを教えてください。尾崎:脚本家の吉田(恵里香)さんと話していたポイントとしては、年齢を重ねても寅子は寅子であって、歳を重ねることで丸くなっていったり物分かりが良くなっていったりする人にはしたくないという想いがありました。もちろん、年齢を重ねているので物事に対する視野も広がっているのですが、だからといって丸くなってしまうことがないよう、寅子が寅子であることを意識して作っています。
新潟に行く直前、家族から「トラちゃんはこういうところが良くないんじゃないか」と責められる場面が描かれていましたが、寅子がどんどん家の中でも働き手として重きをなしていく中で、どこかずれていってしまうような様は、物語の大きな流れを考えていた時から吉田さんとやりたいと考えていました。いわば名誉男性のような感じになってしまう寅子ですが、そこからまた変わっていく人にしたいという意図のもと描きました。
一方で、優未(竹澤咲子)に「お母さん生まれ変わるから」とも言っていましたが、全ての人が納得するような寅子になることが、正しい生まれ変わりではないと思いました。寅子と優未の関係が良い方向に向かって変化していく様は、2人の関係性の中で少しずつ紡がれていて、寅子にとっても良い変化だったんじゃないかと感じています。
― 女学生時代から演じてきた伊藤沙莉さんの中年代の寅子の演技はどのように感じられましたか?
尾崎:寅子は、新潟編で部下を持った上司になり、管理職の立場でやり取りしていましたが、部下をしっかり見て、より成長していけるように判断する姿は僕自身から見ても見習いたいと思う上司感でした。伊藤さん自身のキャラクターも相まって、トラコとしてすごく自然に年齢を重ねている感じを上手く出していただいていると思います。
伊藤沙莉、カット後も号泣止まらなかったシーン
― これまでの放送でキャスト陣のお芝居や演出などで印象に残った場面を教えてください。尾崎:12週のはるさん(石田ゆり子)が亡くなるシーンで、伊藤さんと花江役の森田望智さんの真に迫ったお芝居がすごく印象に残っています。伊藤さんは、撮影が終わって石田さんが帰られるまでずっと泣いていて、ご本人も「変になっちゃった(笑)」というようなことを言っていました。まるで憑依したかのように、涙が止まらない様子がすごく印象に残りました。
新潟編では、揉め事を仲裁しようとして川に落ちてしまうという、どちらかといえばコミカルなシーンですが、すごく印象に残っています。かつて、花岡(岩田剛典)を山で突き飛ばした“アンサー”としての狙いもあるシーンになっています。
「ブギウギ」コラボまでの裏話
― 第64話にて、前作「ブギウギ」とのコラボレーションも大きな話題を呼んでいましたが、実現するまでの経緯を教えてください。尾崎:「ブギウギ」とのコラボは、台本打ち合わせの時に吉田さん含めスタッフと一緒に話していた中で、スタッフ側から提案したアイデアでした。年代がシンクロしているということもあり話が盛り上がって、僕から「ブギウギ」制作統括の福岡(利武)さんに相談した後、菊地凛子さんに繋いでいただいたところ快く引き受けてくださったので、本作で吉田さんに描いていただきました。
主演・伊藤沙莉、“変わらない”ことの凄み
― そろそろ撮影終盤に差し掛かっていると思いますが、尾崎さん目線から主演の伊藤さんが長い撮影期間を通して成長したと感じることはありますか?尾崎:僕としては“変わらない”ことが凄いなと思います。朝ドラは本当に大変なので、主人公を演じる方からは「大変だった」「苦労しました」という話がよく出ていると思うのですが、伊藤さんは最初からずっと明るくて、現場に行くといつも「ハハハ」と笑い声が聞こえてきます。常にポジティブな気持ちで現場にいてくださって、それが最初から撮影終盤の8月現在まで変わらず、その変わらなさでずっといることの凄さを強く感じています。
★俳優の岡田将生や片岡凜ら共演者の魅力を語ったインタビュー後編も公開中。(modelpress編集部)
「虎に翼」第111回あらすじ
直明(三山凌輝)と玲美(菊池和澄)の間に子供が産まれ、ますますにぎやかになった猪爪家。星家では寅子(伊藤沙莉)が百合(余貴美子)の様子がおかしいことに気付くが―。昭和34年11月。「原爆裁判」は約4年間、27回にも及ぶ準備手続を終える。いよいよはじまる口頭弁論に向け、弁護士の雲野(塚地武雅)は気合いを入れ直していた。
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