木戸大聖「焦りはずっとあった」注目俳優の素顔とブレイクまでの悔しさ、葛藤…小栗旬・川口春奈から受けた刺激も明かす【写真集「HANA-UTA」インタビュー】
2024.07.02 17:00
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1日にファースト写真集『HANA-UTA』(ワニブックス刊)を発売した俳優の木戸大聖(きど・たいせい/27)がモデルプレスらのインタビューに応じた。
2022年11月にNetflixで配信したドラマ『First Love 初恋』でブレイク以降、春クールのTBS系金曜ドラマ『9ボーダー』での記憶も新しいまま、出演するフジテレビ系月9ドラマ『海のはじまり』がスタートするなど、引っ張りだこの活躍が続いている。
「中身は結構熱すぎるというか負けず嫌いなんです」─────人懐っこい笑顔に稀有なピュア感が印象的な注目俳優の素顔とは。内に秘めた想いや闘志に迫った。
2017年7月に芸能活動を開始した木戸は、『First Love 初恋』で佐藤健の役柄の若かりし頃を演じ、知名度が一気に上昇。現在は地上波ドラマの出演もひっきりなしでネクストブレイク筆頭格の存在として名前があげられるが、配信当時25歳の『First Love 初恋』でブレイクするまでは決して順風満帆な道のりではなく、遅咲きとも言える。当時、NHKBSプレミアムのこども番組『おとうさんといっしょ』のレギュラーや、TBS系『日立 ・世界ふしぎ発見!』のミステリーハンターなど、俳優業以外で積み上げてきた経験も現在に活きているといい、当時感じていた葛藤も明かしてくれた。
木戸:撮影のときはどんな写真を撮っているかあんまり見ていなかったので、完成作を見て想像以上に美しいなという感覚がありました。写真集は初めてで、自分で見るのは恥ずかしいのかなというイメージがあったんですけど、それを凌駕して1つの作品を見ている感覚があって恥ずかしさなく見ることができて期待以上のものができたと思います。海の夕日が印象的なカットが一番お気に入りで、なかなか天気が悪くて撮れるかなという不安があってちょっと諦めかけていたんですけど、パッと夕日が顔を出してくれて奇跡的に感じたのでその1枚を選びました。
― 写真集のテーマを花にした理由は?
木戸:花の中でもブーゲンビリアという白いお花をテーマにしました。花言葉が「あなたは素敵です」という意味で、デビューしてから7年間の集大成として自分を振り返る意味で自分に掛ける言葉でもありますし、いつも応援して下さっている方やお世話になっている方へ花を通してメッセージになっていたら良いなという意味にプラスして、「よく鼻歌を歌う」とお世話になっているスタイリストさんから言われてそれが自分の自然体の姿なのかなと思って花と鼻歌をかけてタイトルをつけました。
― 特に挑戦になった撮影はどのシーンですか?
木戸:夜のバーや街並みで撮ったシーンがあるんですけど、そこは旅をしている雰囲気とは全然違って1人の人物が悩んでもがいている陰をイメージしました。撮影しているときにチームで話していたのは「人間失格」の太宰治の堕落している感じ。ある種お芝居の現場にいるときの感覚と近い撮影でした。とはいえやっぱりフォトブックで芝居がかった姿にはしたくなかったので、7年間やってきて自分が辛かったことや陰の経験をした部分を引っ張ってきてそこにいるイメージを作りました。力が入り過ぎてスタッフさんたちに「もっと力抜いて良いよ」と言われたときもあったんですけど、できあがってみると、バーで目をつぶっている自分が映画の1シーンみたいな感じになっていてすごく良いなと思いました。
― 今回、撮影に向けて一番頑張ったことは?
木戸:逆に意識しないことを頑張ったかもしれません。写真集だからといって「かっこよく」や「美しく」と力を入れて意識しすぎると「自分を見て」感が強くなりすぎるので、そういうことよりも例えば沖縄の景色やバーにただ存在するということを意識してシチュエーションを含めてトータルで見てもらえる作品にしたいなと思っていました。映画でも景色のワンカットが入ったりすると思うんですけど、写真集にも花だけのカットなども入れていて、俳優として作品に出るときも「自分だけを見て」という芝居はしないので似た感覚でした。
木戸:出会ってきた作品は全て当てはまるんですけど、役者としてはやっぱり『First Love 初恋』という作品に出会って日本だけでなく海外の人に見てもらったことはすごく大きな転換期だと思いますし、自分も役者として胸を張って「代表作です。これを観て下さい」というものができたのはその作品からでした。すごく嬉しかったのと同時に、このヒットを一発の花火とするなら第一線で活躍されている方々はこれを何発も打ち上げているのかと思うとすごいことをされているんだなと改めて思いましたし、自分もここに満足したらダメだからどんどん更新できるような作品を作っていかなきゃいけないし、色々なイメージをもらわないといけないなと思いました。
― 今作のインタビューでも「代表作を塗り替えていきたい」というお話をされていますが、「代表作が欲しい」から「代表作を塗り替えていきたい」と思うようになったのは『First Love 初恋』から?
木戸:そうですね。それまではこども番組を3年間やらせて頂いていて、元々役者をやりたかったので役者としての作品をあげられていないことを自覚していて、代表作と言える作品が欲しいという想いはずっとありました。その中で『First Love 初恋』が配信されてからは言えるようになったんですけど、普通のドラマと違ってずっとNetflixは配信されているので「観ました」とずっと言って頂けることもあって、時間が経てば経つほど、「僕は今、この地上波ドラマをやっているけど、やっぱりまだ『FirstLove初恋』のイメージなんだな」ともっともっとアップデートしていかなきゃいけないと実感することはあります。
木戸:見た目で言うと、今となっては自分の中で武器と思えるようになったんですけど、『First Love 初恋』で実年齢より下の役をやってから、年相応でない見た目が個性と言って頂くようになりました。中身は結構熱すぎるというか負けず嫌いで悔しさが如実に出るタイプなのでそれがたまに自分の足を引っ張ることもあるんですけど、個性だと思っています。20歳でデビューしたのでなかなか遅い方だとは思っていて、18歳からお芝居に関わらせてもらってからスタートラインに立てない2年間があったんです。そこで年下や同い年の俳優さんがドラマに出ていて自分がまだテレビで見ている側なのがすごく悔しかったので、そういうところで負けず嫌いの自分が作られたんだと想います。
― 『おとうさんといっしょ』など俳優業以外の過去の経験が俳優業に活きていると思う部分はありますか?
木戸:やっぱり一般の方にお話を聞きに行ったり、こども番組だったら小さいお子さんの前で色々質問したりする機会があって、思った通りの答えが返ってこなくても対応していかなきゃいけないとなったときの臨機応変に対応する力はお芝居にも活きていて、相手がアドリブをしていたときにどう乗っかろうかとか考えられるようになったかなと思います。
― 『First Love 初恋』でブレイクするまで、同世代と比べて焦ってしまったり、俳優を諦めようと思ったりしたことはなかったですか?
木戸:諦めようと思ったことは一度もないです。ただ焦りはもちろんずっとありましたし、自分がもっとやりたいことがあるのにできていない悔しさが一番強かったです。何も成し遂げていないのに諦めることは1回もなくて、やりたいことをやっていないのに諦める理由すらもないというか。もっと見たい景色があったし、好きなお芝居をして色々な方に見てもらいたいと思っていたので諦めることは考えなかったです。
木戸:毎回やる役もスタッフさんも違うので、毎回作り上げてクランクアップしたらそれを壊してまたゼロから積み上げるという作業をしていて成長している実感がすごくあるわけじゃないんですけど、今まで自分がテレビで見ていた方と2人でお芝居をしなきゃいけない場面もあるので、そういうときは引くことがないように前にぶつかっていく精神力みたいなものも培われたと思いますし、積み上げていくスピード感もこれまでとは少しずつ変わってきたのかなと思います。
― 特に緊張した共演者の方は?
木戸:テレビ朝日のスペシャドラマ『万博の太陽』で唐沢寿明さんと対峙したときは「負けちゃダメだ」と思ったんですけど、やっぱり昔から見ていた方だったので緊張しました。撮影合間は何気ない会話をしようと思っていたんですけど唐沢さんから話しかけて下さって。お見合い相手のお父さんという間柄だったので、役柄的にも緊張があって良かったなと思いました。
木戸:やっぱり事務所の先輩方は近くで見て関わらせてもらっているからこそ、影響を受けています。特に今社長でもある小栗旬さんは常に現状に満足されていない感じがすごくあって、あのクラスでも野心や向上心を持っていらっしゃるというのは、僕らからしたら本当に追いつけないと思います。そんな風に思わせてくれる先輩が近くにいて、僕も今後後輩ができれば背中で語っていけるような人になりたいなと思います。
― お芝居で悩んだときの解決方法は?
木戸:1人で「どうしたら良いんだろう?」と考えていても答えが見つかることは経験上あまりないなと思っていて、僕の考えですけど共演者の方との関係が縮まればお芝居の壁も越えていけると思っているので、自分のお芝居を100%、120%その人にぶつけられる関係性を作ることが1番良い掛け合いができるんじゃないかなと思っています。なので、お芝居の話をするというよりは何気ない会話をすることで「この人はこういう人なんだ」と知ることができるし、お芝居に関係ないことをしているようだけどそれが実は近道なのかなと。コミュニケーションはとれた方が絶対良いなと思うので普段から大事にしているんですけど、根っこは人見知りなのでどう踏み込んでいこうかというのは毎回考えています(笑)。
― コミュニケーションの取り方ですごいなと思った共演者の方はいますか?
木戸:『9ボーダー』で共演した川口春奈さんは本当に表裏がないので、自分から何でもさらけ出しているからこそ、周りとの壁を作っていないし面白いなと思う部分がありました。僕も幼馴染の役を演じていて川口さんのおかげですごく助けられたので、ありのままでいこうと意識しています。
木戸:「とにかく周りの人に感謝しなさい」ということはすごく言われています。父親と母親を見ていると常に友人がいたり、父親は後輩から慕われていたりするところがすごくかっこいいなと思うし素直に尊敬するので、こういう人になりたいなと思います。息子が父親を抜く、と言いますけど、うちにおいては父親が常にどっしりと前を向いてくれているので僕はそう抜けないなと思ってしまいます。父親は僕の作品もリアルタイムで観てくれているし、普段家族の前で多くを語る人ではないんですけど、母親から聞く限りは外では(活躍について)すごく話してくれているみたいで、ちょっとでも喜んでもらえていて自慢できる部分があるんだったら僕はこの仕事についてよかったなと思えます。
― 木戸さんが考える役者業の魅力とは?
木戸:例えば、ドラマの感想で「すごく仕事が大変だったけど、この1時間をとても楽しみにしていてまた頑張ろうと思えました」といったコメントをいただくと、普段大変な方への癒しになれているのかなと思って嬉しいです。自分もドラマが大好きで毎週の楽しみにして育ってきたのでそういう力がお芝居にはあるんだなと思うともっともっと頑張りたいなと思いました。
― 最後に、俳優として、人間としてどうなって行きたいか教えて下さい。
木戸:写真集を出す頃がちょうど8年目くらいになるんですけど、お芝居だけでなく色々な経験をさせてもらってきた7年間の中で人との関わりだったり感謝だったり、経験を重ねたときほど初心を忘れちゃいけないなとすごく思うので、俳優として毎回作品ごとに新鮮な気持ちで現場に行くこともそうですし、人間としても毎回新しく出会うスタッフさんや共演者の方へのリスペクトは忘れちゃいけないというのは、経験を重ねてきているからこそ感じます。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
「中身は結構熱すぎるというか負けず嫌いなんです」─────人懐っこい笑顔に稀有なピュア感が印象的な注目俳優の素顔とは。内に秘めた想いや闘志に迫った。
木戸大聖ファースト写真集『HANA-UTA』
『HANA-UTA』は沖縄などで撮影を敢行。自然あふれる旅と冬の雪景色、幻想的な夜の風景などこれまで見たことのない多彩な表情が詰まった永久保存版となり、初めて語る生い立ちから現在の想いまでを綴ったロングインタビューも掲載される。2017年7月に芸能活動を開始した木戸は、『First Love 初恋』で佐藤健の役柄の若かりし頃を演じ、知名度が一気に上昇。現在は地上波ドラマの出演もひっきりなしでネクストブレイク筆頭格の存在として名前があげられるが、配信当時25歳の『First Love 初恋』でブレイクするまでは決して順風満帆な道のりではなく、遅咲きとも言える。当時、NHKBSプレミアムのこども番組『おとうさんといっしょ』のレギュラーや、TBS系『日立 ・世界ふしぎ発見!』のミステリーハンターなど、俳優業以外で積み上げてきた経験も現在に活きているといい、当時感じていた葛藤も明かしてくれた。
木戸大聖、写真集に込めた想い・印象的な撮影
― 最初に完成した本作を見た感想を教えて下さい。木戸:撮影のときはどんな写真を撮っているかあんまり見ていなかったので、完成作を見て想像以上に美しいなという感覚がありました。写真集は初めてで、自分で見るのは恥ずかしいのかなというイメージがあったんですけど、それを凌駕して1つの作品を見ている感覚があって恥ずかしさなく見ることができて期待以上のものができたと思います。海の夕日が印象的なカットが一番お気に入りで、なかなか天気が悪くて撮れるかなという不安があってちょっと諦めかけていたんですけど、パッと夕日が顔を出してくれて奇跡的に感じたのでその1枚を選びました。
― 写真集のテーマを花にした理由は?
木戸:花の中でもブーゲンビリアという白いお花をテーマにしました。花言葉が「あなたは素敵です」という意味で、デビューしてから7年間の集大成として自分を振り返る意味で自分に掛ける言葉でもありますし、いつも応援して下さっている方やお世話になっている方へ花を通してメッセージになっていたら良いなという意味にプラスして、「よく鼻歌を歌う」とお世話になっているスタイリストさんから言われてそれが自分の自然体の姿なのかなと思って花と鼻歌をかけてタイトルをつけました。
― 特に挑戦になった撮影はどのシーンですか?
木戸:夜のバーや街並みで撮ったシーンがあるんですけど、そこは旅をしている雰囲気とは全然違って1人の人物が悩んでもがいている陰をイメージしました。撮影しているときにチームで話していたのは「人間失格」の太宰治の堕落している感じ。ある種お芝居の現場にいるときの感覚と近い撮影でした。とはいえやっぱりフォトブックで芝居がかった姿にはしたくなかったので、7年間やってきて自分が辛かったことや陰の経験をした部分を引っ張ってきてそこにいるイメージを作りました。力が入り過ぎてスタッフさんたちに「もっと力抜いて良いよ」と言われたときもあったんですけど、できあがってみると、バーで目をつぶっている自分が映画の1シーンみたいな感じになっていてすごく良いなと思いました。
― 今回、撮影に向けて一番頑張ったことは?
木戸:逆に意識しないことを頑張ったかもしれません。写真集だからといって「かっこよく」や「美しく」と力を入れて意識しすぎると「自分を見て」感が強くなりすぎるので、そういうことよりも例えば沖縄の景色やバーにただ存在するということを意識してシチュエーションを含めてトータルで見てもらえる作品にしたいなと思っていました。映画でも景色のワンカットが入ったりすると思うんですけど、写真集にも花だけのカットなども入れていて、俳優として作品に出るときも「自分だけを見て」という芝居はしないので似た感覚でした。
木戸大聖「代表作が欲しい」から「代表作を塗り替えていきたい」へ
― 今、俳優として各方面から注目を浴びていると思いますが、ターニングポイントになった作品は?木戸:出会ってきた作品は全て当てはまるんですけど、役者としてはやっぱり『First Love 初恋』という作品に出会って日本だけでなく海外の人に見てもらったことはすごく大きな転換期だと思いますし、自分も役者として胸を張って「代表作です。これを観て下さい」というものができたのはその作品からでした。すごく嬉しかったのと同時に、このヒットを一発の花火とするなら第一線で活躍されている方々はこれを何発も打ち上げているのかと思うとすごいことをされているんだなと改めて思いましたし、自分もここに満足したらダメだからどんどん更新できるような作品を作っていかなきゃいけないし、色々なイメージをもらわないといけないなと思いました。
― 今作のインタビューでも「代表作を塗り替えていきたい」というお話をされていますが、「代表作が欲しい」から「代表作を塗り替えていきたい」と思うようになったのは『First Love 初恋』から?
木戸:そうですね。それまではこども番組を3年間やらせて頂いていて、元々役者をやりたかったので役者としての作品をあげられていないことを自覚していて、代表作と言える作品が欲しいという想いはずっとありました。その中で『First Love 初恋』が配信されてからは言えるようになったんですけど、普通のドラマと違ってずっとNetflixは配信されているので「観ました」とずっと言って頂けることもあって、時間が経てば経つほど、「僕は今、この地上波ドラマをやっているけど、やっぱりまだ『FirstLove初恋』のイメージなんだな」ともっともっとアップデートしていかなきゃいけないと実感することはあります。
木戸大聖、負けず嫌いのマインドが育った2年間「焦りはずっとあった」
― これから木戸さんを知る人に向けて、自分の個性や強みをアピールするなら?木戸:見た目で言うと、今となっては自分の中で武器と思えるようになったんですけど、『First Love 初恋』で実年齢より下の役をやってから、年相応でない見た目が個性と言って頂くようになりました。中身は結構熱すぎるというか負けず嫌いで悔しさが如実に出るタイプなのでそれがたまに自分の足を引っ張ることもあるんですけど、個性だと思っています。20歳でデビューしたのでなかなか遅い方だとは思っていて、18歳からお芝居に関わらせてもらってからスタートラインに立てない2年間があったんです。そこで年下や同い年の俳優さんがドラマに出ていて自分がまだテレビで見ている側なのがすごく悔しかったので、そういうところで負けず嫌いの自分が作られたんだと想います。
― 『おとうさんといっしょ』など俳優業以外の過去の経験が俳優業に活きていると思う部分はありますか?
木戸:やっぱり一般の方にお話を聞きに行ったり、こども番組だったら小さいお子さんの前で色々質問したりする機会があって、思った通りの答えが返ってこなくても対応していかなきゃいけないとなったときの臨機応変に対応する力はお芝居にも活きていて、相手がアドリブをしていたときにどう乗っかろうかとか考えられるようになったかなと思います。
― 『First Love 初恋』でブレイクするまで、同世代と比べて焦ってしまったり、俳優を諦めようと思ったりしたことはなかったですか?
木戸:諦めようと思ったことは一度もないです。ただ焦りはもちろんずっとありましたし、自分がもっとやりたいことがあるのにできていない悔しさが一番強かったです。何も成し遂げていないのに諦めることは1回もなくて、やりたいことをやっていないのに諦める理由すらもないというか。もっと見たい景色があったし、好きなお芝居をして色々な方に見てもらいたいと思っていたので諦めることは考えなかったです。
木戸大聖、緊張した共演相手は…
― 2023年から2024年にかけて、たくさんの作品に出演されて飛躍の1年だったと思います。ご自身の成長を感じることは?木戸:毎回やる役もスタッフさんも違うので、毎回作り上げてクランクアップしたらそれを壊してまたゼロから積み上げるという作業をしていて成長している実感がすごくあるわけじゃないんですけど、今まで自分がテレビで見ていた方と2人でお芝居をしなきゃいけない場面もあるので、そういうときは引くことがないように前にぶつかっていく精神力みたいなものも培われたと思いますし、積み上げていくスピード感もこれまでとは少しずつ変わってきたのかなと思います。
― 特に緊張した共演者の方は?
木戸:テレビ朝日のスペシャドラマ『万博の太陽』で唐沢寿明さんと対峙したときは「負けちゃダメだ」と思ったんですけど、やっぱり昔から見ていた方だったので緊張しました。撮影合間は何気ない会話をしようと思っていたんですけど唐沢さんから話しかけて下さって。お見合い相手のお父さんという間柄だったので、役柄的にも緊張があって良かったなと思いました。
木戸大聖、小栗旬・川口春奈から受けた刺激
― 考え方やマインドで参考にしている方や、影響を受けた方はいますか?木戸:やっぱり事務所の先輩方は近くで見て関わらせてもらっているからこそ、影響を受けています。特に今社長でもある小栗旬さんは常に現状に満足されていない感じがすごくあって、あのクラスでも野心や向上心を持っていらっしゃるというのは、僕らからしたら本当に追いつけないと思います。そんな風に思わせてくれる先輩が近くにいて、僕も今後後輩ができれば背中で語っていけるような人になりたいなと思います。
― お芝居で悩んだときの解決方法は?
木戸:1人で「どうしたら良いんだろう?」と考えていても答えが見つかることは経験上あまりないなと思っていて、僕の考えですけど共演者の方との関係が縮まればお芝居の壁も越えていけると思っているので、自分のお芝居を100%、120%その人にぶつけられる関係性を作ることが1番良い掛け合いができるんじゃないかなと思っています。なので、お芝居の話をするというよりは何気ない会話をすることで「この人はこういう人なんだ」と知ることができるし、お芝居に関係ないことをしているようだけどそれが実は近道なのかなと。コミュニケーションはとれた方が絶対良いなと思うので普段から大事にしているんですけど、根っこは人見知りなのでどう踏み込んでいこうかというのは毎回考えています(笑)。
― コミュニケーションの取り方ですごいなと思った共演者の方はいますか?
木戸:『9ボーダー』で共演した川口春奈さんは本当に表裏がないので、自分から何でもさらけ出しているからこそ、周りとの壁を作っていないし面白いなと思う部分がありました。僕も幼馴染の役を演じていて川口さんのおかげですごく助けられたので、ありのままでいこうと意識しています。
木戸大聖、両親へのリスペクト語る
― 今作のインタビューでは生い立ちやご家族のお話もたくさんされています。ご両親もすごく素敵だなと感じたんですが、ご両親から受け継いでいると感じているご自身の武器や大切にしていることは?木戸:「とにかく周りの人に感謝しなさい」ということはすごく言われています。父親と母親を見ていると常に友人がいたり、父親は後輩から慕われていたりするところがすごくかっこいいなと思うし素直に尊敬するので、こういう人になりたいなと思います。息子が父親を抜く、と言いますけど、うちにおいては父親が常にどっしりと前を向いてくれているので僕はそう抜けないなと思ってしまいます。父親は僕の作品もリアルタイムで観てくれているし、普段家族の前で多くを語る人ではないんですけど、母親から聞く限りは外では(活躍について)すごく話してくれているみたいで、ちょっとでも喜んでもらえていて自慢できる部分があるんだったら僕はこの仕事についてよかったなと思えます。
― 木戸さんが考える役者業の魅力とは?
木戸:例えば、ドラマの感想で「すごく仕事が大変だったけど、この1時間をとても楽しみにしていてまた頑張ろうと思えました」といったコメントをいただくと、普段大変な方への癒しになれているのかなと思って嬉しいです。自分もドラマが大好きで毎週の楽しみにして育ってきたのでそういう力がお芝居にはあるんだなと思うともっともっと頑張りたいなと思いました。
― 最後に、俳優として、人間としてどうなって行きたいか教えて下さい。
木戸:写真集を出す頃がちょうど8年目くらいになるんですけど、お芝居だけでなく色々な経験をさせてもらってきた7年間の中で人との関わりだったり感謝だったり、経験を重ねたときほど初心を忘れちゃいけないなとすごく思うので、俳優として毎回作品ごとに新鮮な気持ちで現場に行くこともそうですし、人間としても毎回新しく出会うスタッフさんや共演者の方へのリスペクトは忘れちゃいけないというのは、経験を重ねてきているからこそ感じます。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
木戸大聖(きど・たいせい/27)プロフィール
1996年12月10日生まれ、福岡県出身。2017年俳優デビュー。2018年から3年間、NHKBSプレミアム『おとうさんといっしょ』にレギュラー出演。2021年春に同番組を卒業後、ドラマや映画、舞台などで活躍。2023年7月、映画『先生!口裂け女です!』で映画初主演。同年8月、ドラマ『僕たちの校内放送』で連続ドラマ初主演。その他出演作にドラマ『僕たちがやりました』(2017)、映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』(2018)、映画『のぼる小寺さん』(2020)、配信ドラマ『First Love 初恋』(2022)、ドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』(2023)、ドラマ『9ボーダー』(2024)など。現在は月9ドラマ『海のはじまり』に出演中。2024年8月30日公開予定の山田尚子監督によるアニメーション映画『きみの色』ではメインキャストの声優を務める。
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