ドラマ「Destiny」石原さとみプロデュースの奏ファッション 色使い・素材…シーンとリンクしたコーデに迫る【スタイリストインタビュー】
2024.06.04 12:00
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女優の石原さとみが主演を務めるテレビ朝日系ドラマ『Destiny』(毎週火曜よる9時~)。今回モデルプレスでは、石原のスタイリングを担当する宮澤敬子氏にインタビューし、ファッションのポイントやスタイリングのコツを語ってもらった。
石原さとみ主演「Destiny」
同作は、主人公の検事・西村奏(石原)が、大学時代の恋人・野木真樹(亀梨和也)と12年ぶりに再会を果たしたことで、青春時代の“ある事件”が甦り、運命の波に翻弄されていくことになる物語。職業柄スーツスタイルが多くなる中、色使いやアイテムの組み合わせのバリエーションが豊富で洗練された奏のファッションはつい目で追ってしまう。今回はそんなスタイリングのコンセプトやこだわりを聞いた。
石原さとみ、検事役ならではのスタイリングポイント
― まずは奏のファッションのテーマ・スタイリングのコンセプトを教えてください。宮澤:奏という強さと覚悟をもった女性を表現するために、石原さんと「リボンやボウタイはちょっと違うよね」「彼女の生い立ちやストイックなところを表現するには何がいいかな?」と話し合いながら衣装を決めていました。検事としてのスーツスタイルのときは研ぎ澄まされている印象になるように、彼女の意志の強さが見えるように、常に引き算をしながら無地のものやノーカラーのブラウスを中心に作り上げています。ただ強さだけではなく、本人の優しさや包み込むような愛情を表現するために、ノーカラーでシンプルだけど、柔らかい素材で馴染みやすいベージュや薄いグレーも使って、“強くて優しい奏”を体現できるように意識していました。
お部屋にいるときも黒や紺といった強い色よりは、優しいベージュや白で柔らかさを出すようにして、パーカースタイルも首元を緩くして程よい抜け感を作っています。
― スタイリングを組むうえで気をつけていたことはありますか?
宮澤:石原さんは本当に洋服がお似合いになる方なのでどんな衣装も着こなされてしまうのですが、奏は“意図してこの服を着ている”という人にしたかったので色や形、組み合わせなども細かく考えながらスタイリングを組みました。
― 衣装に関して石原さん自身の意見が反映されている部分や、事前にご本人と話し合ったことはありますか?
宮澤:例えば「夜のシーンだから暗い色は避けたいよね」「奏がこの日はこういう気持ちでいるからこの服がいい」「日が差したときに透け感がほしい」などシーンの状況に合わせて想像しながら石原さんがいろいろなアイデアをくださって、私はそれを落とし込んで作っていました。奏という人間がどういう人であるのかを理解していて、やはりご本人が1番のプロデューサーであって奏を作り上げているなと実感しました。
石原さとみに学ぶ“自分の個性”と向き合うファッション
― 読者が真似しやすいコーディネートのポイントを教えてください。宮澤:身長や体型は人それぞれですが、自分を知ったうえで個々のジャストサイズを見つけることは大事だと思います。石原さんも自分が納得いくまでジャストサイズで着ることにこだわっていて、スーツの着こなしを工夫したり、ハイウエストのパンツ、高いヒールで足を長く見せるスタイリングにするなどスタイルアップできるようなシルエットを、ご自身の体型と合わせて研究しています。奏に関しては検事という立場上、ジャケットスタイルでスマートに見えることが1番かっこよくて、ストーリーの中でも説得力が出てくると思いますが、強さと柔らかさを兼ね備えたちょうどいいバランス感で着こなされています。
特に石原さんの素晴らしいところは、やっぱり奏のプロデューサーになっているところ。私は、彼女が奏の人間像を作り上げていく中のサポーターとして、奏が独り歩きするために自分にできる最大限の力で色付けしていきます。きっとメイクさんをはじめ、他にもいろいろなスタッフさんがいらっしゃると思いますが、洋服の部分では奏を作るうえですごくアドバイスをいただきました。中盤くらいでは「あ、これ奏っぽい」というのが2人の共通認識として会話に出てくるようになりました。それから会話の中で奏らしさが生まれたようにも感じていて、一緒にものづくりをしているような感覚で本当に楽しかったです。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
「Destiny」最終話あらすじ
ニュースで民事党総裁就任報告を見ていた「横浜地検」中央支部の検事・西村奏(石原さとみ)は、20年前、『環境エネルギー汚職事件』で「東京地検」特捜部の主任検事を務めていた父・辻英介(佐々木蔵之介)のことを思い出す。弁護士・野木浩一郎(仲村トオル)の力で無罪を勝ち取った東正太郎議員(馬場徹)。そして、身に覚えのない疑惑を掛けられ、命を絶った父―。しかし次の瞬間、奏はテレビ画面に映った男に釘付けになる。正太郎の父親で元総理の東忠男(伊武雅刀)。そして、その傍らで拍手している男こそ、野木真樹(亀梨和也)が容疑者となった『野木邸放火事件』の現場で目撃され、宅配業者の置き配証明写真に写り込んでいた人物だった。国会議員便覧を調べ、その男が東元総理の秘書・秋葉洋二(川島潤哉)だと確認した奏は入院中の浩一郎の元へ。
「環エネ事件」の“真相を封じ込めた”父の死、友人・及川カオリ(田中みな実)の事故、真樹の失踪、そして放火事件…すべてが繋がっていると確信した奏は、浩一郎に真実を教えてほしいと懇願する。20年前、「環エネ事件」の公判で検察側の証拠をすべて覆し、東正太郎議員を無罪へと導いた弁護士・浩一郎。そんな彼の自宅を放火し、命を狙ったのが秘書の秋葉だったという事実を突きつけ、「とても無関係だとは思えない。あなただけが知っていることがあるはず」と切実な思いで問いかける奏に、浩一郎はとうとう重い口を開く。
一方、病状が進行した真樹は、貴志(安藤政信)の執刀で手術を受けることに決めたのだが…。ついに明かされる驚愕の真相。奏と真樹の運命的な恋にも決着のときが訪れる。20年の時をかけたサスペンス×ラブストーリー、ついに運命の最終回。
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