向井理主演「ダブルチート 偽りの警官 Season1」

本作は、近年ネットの普及と共に拡大し続ける様々な詐欺被害をテーマにした、正義と悪を使い分けながら法では裁けない悪を裁くクライム・エンターテインメント。結木は、内田理央演じる宮部ひかりとバディを組む警視庁捜査二課の準キャリアの統括主任・山本貫太を演じ、向井演じる交番勤務の警察官兼詐欺師Kである多家良啓介との過去にも注目が集まっている。

結木滉星、クール警察官の役作り明かす

― 脚本を読んだ感想を教えてください。

結木：第一印象としては、読み進めるのが楽しみになってくるような、すごく面白い題材だと感じました。フィクションですが、ありえない話ではないと思いましたし、分かりやすく悪を裁くので読んでいてスカッとしました。全く知らなかった詐欺のパターンもあったので勉強にもなりました。

― 山本の印象を教えてください。

結木：序盤のほうだとひかりに対して結構きつくものを言っているので冷たい役なのかなと思いつつ、物語が進むにつれて、被害者にも寄り添うことができますし、後輩思いな部分もある、すごく人間味のある役だなと、思いました。中盤、ひかりのことを助けるシーンがあるのですが、山本も多家良さんと一緒にいた2年前はまっすぐだったからこそ、いつでもまっすぐ来てくれるひかりの気持ちを理解してきて、寄り添えるようになってきています。

― クールさを出すために意識したことはありますか？

結木：クールとかっこつけは紙一重なので、そこは意識して、かっこつけにならないようにしました。姿勢一つとっても、ピシッとしたり、礼の仕方などの仕草は気を付けて意識しています。

― 印象に残っているシーンはありますか？

結木：山本としては、軸になる部分が多家良さんとのシーンなので、個人的には2年前の多家良さんとの回想シーンを大切に思っています。今の山本があるうえで大事なシーンになっているので、2年前と現在の山本のギャップを観てほしいです。

― 多家良との関係性はどのように捉えていますか？

結木：多家良さんへの態度は憧れの裏返しだと思うんです。憧れていた多家良さんが、なぜ交番勤務なのかとギスギスした感じや、やるせなさ、悔しさみたいなものが大きいんだと感じています。

結木滉星、向井理＆内田理央の印象

― 向井さんと内田さんの印象はいかがですか？

結木：まず向井さんは、とても顔が小さくて、こんなにスタイルが良い方がいるんだとびっくりしました。スタイリッシュでかっこいいですし、こういった年の取り方をしたいです。現場の立ち振る舞いも素敵で、向井さんがいるだけで場が締まる、そんな大きな存在感のある方です。

内田さんは、同世代なので楽しくやらせてもらっています。本当にまっすぐな方で、ひかりと同じようにまっすぐに来てくれるので、僕も山本としてすごくやりやすいです。

― 具体的に向井さんのどんなところに憧れていますか？

結木：僕が言うのもおこがましいですが、無駄がない素敵なお芝居で、本当に現場でも、普段から自然体で、多家良さんにしか見えないです。あと、よく内田さんとも話していますが、プライベートの話をしていても、向井さんには欠点がなくて面白くないんです（笑）。内田さんと一緒に向井さんの欠点を探している最中なので、クランクアップするまでには何か一つ握りたいです。

結木滉星が感じた向井理の裏の顔

― 二つの顔を持つ多家良を演じる向井さんですが、結木さんから見て向井さんの意外な一面はありますか？

結木：ああ見えてかなりのお酒好きです。一切むくみも出ないですし、スタイリッシュなのでそういったイメージがなく、「お酒飲んでいるんだ！」と衝撃を受けました。一緒に飲ませて頂いたことはまだ無いので、是非、いつかご一緒させて頂きたいです。向井さんは、お酒に詳しいので、次の日に残らない日本酒やワインを教えてくれました。

― ご自身の裏の顔はありますか？

結木：少しガサツな面もあるかもしれません。ファンの方にはどう思われているんだろう…。休みの日にしっかりヘアセットしてオシャレするようなタイプではないです。あと、朝は強いです。いや裏の顔じゃないな…。疲れていたら、お風呂に入らずにそのまま寝てしまうこともあります（笑）。これ裏の顔になっていますか（笑）？

結木滉星「パトレンジャー」「教場0」との違い

― 今まで『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』（テレビ朝日系／2018）や、『風間公親－教場0－』（フジテレビ系／2023）など、さまざまな警察官を演じられてきましたが、これらの作品のファンに向けてどのような新しい一面を見せていきたいですか？

結木：これまでは熱血警察官や、少し抜けている警察官でしたが、今回は仕事ができて冷静でクールな役です。警察というよりクールな役はあまりなかったので、そこが一つのターニングポイントになったら良いなと思っています。

― 警察官役に縁がある印象です。

結木：『パトレンジャー』がきっかけだと思います。すごく熱血で正義感のある役をやったので、そのイメージが強いのかもしれないです。

結木滉星の夢を叶える秘訣

― 夢を追いかけている読者に向けて「夢を叶える秘訣」を教えてください。2023年5月には「楽しむこと」「これまで以上にチャレンジ精神を持って取り組んでいます」と答えていました。

結木：僕自身もそうですが、「もういいや」と自分の中でやりきったと思えるまでは続けたいという思いがあるので、自分で勝手に限界を決めて諦めないでほしいと思います。

― 今の夢は？

結木：役者としてはどんどんステップアップして、様々な作品と出会っていきたいですし、主演して関わらせて頂く作品も増やしていきたいと思います。また、個人としても親孝行をしっかりして幸せになっていきたいです。

― 最後に視聴者へメッセージをお願いします。

結木：正義にはいろいろな種類があって、それぞれが正義を持っているなかで、まだ見つけていない人もいると思います。だからって諦めるのではなくて、ずっと模索し続けてほしいなと今回の作品を通して思ったので、諦めないことを伝えたいです。スカッとする作品になっているので、モヤモヤしている人はぜひ観てください。

― ありがとうございました！

（modelpress編集部）

結木滉星（ゆうき・こうせい）プロフィール

1994年12月10日生まれ。大分県出身。2012年よりテレビドラマ、舞台など俳優として活動を開始。2018年、テレビ朝日系『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』でドラマ初主演を務め、注目を集める。近年の主な出演作は、NHK『パーセント』（24）、日本テレビ系『ゼイチョー ～「払えない」にはワケがある〜』（23）、フジテレビ系『風間公親-教場0』（23）、フジテレビ系『テッパチ！』（22）、映画『凪の島』（22）など。2019年からは、メンズファッション誌『smart』の専属モデルとしても活躍している。

「ダブルチート 偽りの警官 Season1」第5話あらすじ

年々増加する原野商法の2次被害が、ニュースでも取り上げられるほどの社会問題になっていた。その話題は宮部ひかり（内田理央）がいる捜査二課でも。原野商法とは価値のない山林や原野を不当に買わせる悪徳商法で、1970～80年代、リゾート開発などで価値が上がるとの誘い文句を信じ、投資目的で人里離れた土地を一度も見ずに購入してしまう被害が続出した。

いま問題になっているのは、かつての被害者に「土地を買い取りたい」と近づき、巧妙な手口で買収額より高い新たな原野を購入させるという2次被害。元気なうちに負の遺産を清算したい人を狙った悪質な勧誘だ。「2年前、それでヤマガミサマのしっぽを掴んだ」と、経緯を語っていた先輩がそんな一言を口走り、ひかりは詳しく聞こうとするが、堀北隆司（梶原善）が強引に遮り、またも詳細は分からぬままであった。

その頃、多家良啓介（向井理）は「恋人の口座から2年ぶりに出金があった」という岩合拓真（伊藤淳史）の言葉が頭から離れず、交番でぼんやりしていた。だが、ボーっとしていたのは風邪も一因だったようで、高熱が出ていることに気づいた阿部直樹（上川周作）は多家良を帰宅させる。

人の弱みにつけこんだ手口に怒りを覚える一方、多家良のことも気になるひかりは、その足で交番に立ち寄るが、突然阿部から多家良への差し入れを頼まれてしまう。事情を知り家に向かうと、話の流れから家に上がることに。ところが一人暮らしのはずの玄関に女性の靴を見つけたひかりは慌てて退散。交番に戻り「赤っ恥をかいた！」と猛抗議するが、阿部は「恋人は失踪したって聞いたけど…」と口を滑らせる。

「2年前まで優秀な刑事だった」「だがあることで捜査二課を裏切った」「しかも恋人は失踪中」そんな断片的な情報が次々と耳に入り、多家良の過去を知りたいという思いをさらに強くするひかり。そこで再び資料室に忍び込み“ヤマガミ”について探ろうとした矢先、背後にまたも岩合の姿が。

動揺しつつも意を決して多家良の過去を尋ねてみると、やがて岩合は重い口を開き、2年前の出来事を語り出すのだった。多家良に何があったのか？二課が追い続けるヤマガミとは何者なのか？そして恋人・柊麻美（松本若菜）失踪の真因とは？数々の謎の全貌がついに明らかに。