長谷川博己、7年ぶり日曜劇場へ向け入念な役作り 北村匠海ら若手から刺激も「得られるものがたくさん」<「アンチヒーロー」インタビュー>
2024.04.14 08:00
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4月14日スタートのTBS系日曜劇場『アンチヒーロー』(毎週日曜よる9時~)で主演を務める俳優の長谷川博己(はせがわ・ひろき/47)がインタビューに応じ、7年ぶりに日曜劇場に出演することへの思いや入念な役作り、若手共演者から受けた刺激などを語った。
長谷川博己主演「アンチヒーロー」
「弁護士ドラマ」の枠組みを超え、“正義の反対は、本当に悪なのか?”を問いかけ、スピーディーな展開で常識が次々と覆されていく本作。日常のほんの小さなことがきっかけで正義と悪が入れ替わり、善人が悪人になってしまうという逆転パラドックスエンターテインメントである。長谷川博己、7年ぶり日曜劇場で「挑戦的な役」演じる
長谷川は、『小さな巨人』(2017年)以来7年ぶりに日曜劇場主演にカムバック。今回のオファーに「日曜劇場はいつも上質なドラマが作られている枠ですのでお話をいただけたこと、そして正義や悪を題材とした重厚感のある作品に出られることが素直に嬉しいなと思いました」と喜びをあらわにし、「『次どうなるんだろう』と展開を期待させてくれるような作品になるはずです」と期待を口にした。演じるのは、殺人犯をも無罪にしてしまう危険な弁護士役で、役名も明かされておらず未だ謎が多い人物だ。長谷川にとっては「挑戦的な役」だという。「何かが理由で行動しているのか、はたまた何か装っているのか…演じる僕も混乱するくらいですが、それが面白い部分。観る方もはじめは『何者なんだろう』と感じると思いますが、それが“法が人を裁く”という不条理な側面にも通じればいいなと意識しています。のちに伏線が回収される展開もあるので、その部分を考えつつもキャラクターは振り回されないように演じています」と役作りの厚みは増すばかり。
同時に「僕には長台詞が多い役を演じることが多く、大変名誉なことで嬉しいんですが、今回は法廷用語の説明や細かい数字を含むような台詞も多く、一言一句間違えたらいけないというような緊張感があります」と新たな壁も語り、「観ている方に対してどうしたらわかりやすく伝えられるかを意識していて、たとえ台詞が難しくても『なんとなくこういうことを言っているのかな』と役の感情や流れを通してわかってもらえるように作れたら、1番理想だと思っています」と熱い眼差しを向けた。
長谷川博己、撮影前に裁判傍聴&制作陣と何度も話し合い「大変な日々ですがとても充実」
本作のテーマ"正しいことも人によって見え方が違う"を体現するため、撮影前に裁判傍聴をしたという長谷川。「法廷の中はすごく独特の雰囲気で、人を裁くという場所に対して複雑な気持ちになりましたし、弁護士や被告人にも様々な人がいるとわかりました。被告人の見た目や身振り、弁護士の被告人への声のかけ方なども印象に関係していて、“法律”だけで判決を下すことの難しさも感じましたし、かと言って印象や感覚だけに頼ってもいけないと思いました。だから本当の真相とは何か、と感じたんです」と冷静に受け止める。“正義と悪”が混在する場面を実際に体感したことで「僕のキャラクターはそういうものをスパーンとやってくれそうなキャラクターにしたいと思いました」と役のヒントを得て、プロデューサー・監督と昨年の夏頃から何度も話し合いを行ったそう。「人物像だけでなく、世の中にこの作品を発信することの意味なども考えて、キャラクターを作っています。今後どういう風になっていくのかは僕自身も未知な部分ですが、すごく楽しみです。スタッフの方々からもいいものを作り上げようとする物凄いエネルギーを感じますし、一緒に作り上げている感覚があります。大変な日々ですがとても充実しています」と笑顔を見せた。
長谷川博己、北村匠海ら若手俳優から刺激「得られるものがたくさん」
主人公の法律事務所で働く同僚弁護士役を演じる北村匠海と堀田真由とは、ともに8年ぶりの再共演となる。「2人とも素晴らしいですよ。現場も和やかですし、年は離れていますがすごく支えてもらえていて助かっています。初めて会った時は10代でしたので、みんな大人になりましたよね。匠海くんに関しては当時は生徒役でしたが、今回は全く違う関係性なので刺激をもらっています」とコメント。また、「やっぱり演技が上手い。難しそうなシーンでもさらっと演じられているので、若い演じ手の姿を見ていると時代が求めるものも感じますし、面白いですし、得られるものがたくさんあります」と自身の知見を広げている様子。若手の多い現場でも座長として特に意識することはなく「僕がアドバイスをするよりも、みなさんは演技について十分わかっていると思います」と太鼓判を押していた。
長谷川博己「いいものをお見せできると思います」
最後に、見どころを尋ねると、丁寧に言葉を選びながらこう答えた。「この作品は、共に謎を解いていくような楽しさや日曜劇場らしい痛快さがあります。僕らも観ている方に楽しんでもらうために日々試行錯誤しながら撮影していますので、いいものをお見せできると思います。少し変化球もあるかもしれないですし、月曜日の活力にもなります!」
時折笑顔を見せながらも、真摯に答える姿から作品にかける熱い思いをうかがわせた長谷川。7年ぶりとなる日曜劇場で見せる、これまでなかったダークで秘めた表情に期待したい。
インタビューこぼれ話1/長谷川博己にとってのヒーローは?
昔の西部劇の時などのクリントイーストウッドが思い浮かびますね。ですが、色々な人間やキャラクターを複合してヒーロー像ができています。インタビューこぼれ話2/撮影現場での“癒し”
現場にはたくさんの差し入れがあるのですが、法廷用語をずっと言っているとものすごく糖分が欲しくなり、甘いものを食べるとすごくリフレッシュできます。あとは弁護士事務所で飼っているゴールデンレトリバーのミルと遊ぶことで癒されています。(modelpress編集部)
長谷川博己(はせがわ・ひろき)プロフィール
長谷川は1977年3月7日生まれ、東京出身。NHKドラマ『セカンドバージン』(2010年)にて注目を集め、『鈴木先生』(2011年)で連続ドラマ初主演を果たす。以降ドラマ『デート〜恋とはどんなものかしら〜』(フジテレビ系/2015年)、『小さな巨人』(TBS系/2017年)、『まんぷく』(NHK/2018年)や、映画『進撃の巨人』(2015年)、『シン・ゴジラ』(2016年)主演、『はい、泳げません』(2022年)、『リボルバー・リリー』(2023年)など出演作多数。NHK大河ドラマは、『八重の桜』(2013年)で主人公の最初の夫・川崎尚之助役を演じ、『麒麟がくる』(2020年)では明智光秀役で主演を務めた。
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