桃月なしこ、転機は戦隊出演 苦手意識が意欲に変わった演技への向き合い方<「コーヒーはホワイトで」インタビュー>
2024.02.15 18:00
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モデルプレスでは、映画『コーヒーはホワイトで』(2月16日公開)の主要キャストにインタビューを実施。今回は、桃月なしこ(ももつき・なしこ/28)。作品の見どころや共演者とのエピソードはもちろん、女優として存在感が増している“今”の心境を聞いた。
映画「コーヒーはホワイトで」
同作は、シャーロック・ホームズ、エルキュール・ポアロ、明智小五郎ら多くの名探偵に勝るとも劣らない頭脳を武器に、名探偵モナコ(加藤小夏)が、現代の難事件を次々解決していく謎解きミステリー。桃月は、夫のDVに苦悩する紫衣(大村彩子)を救うために奔走する高級クラブ『Sun』のホステス・紗里を演じる。桃月なしこが語る見どころ
― 今作の見どころを教えて下さい。桃月:まずはやっぱり小夏ちゃんのロリータ姿!作品としては「この人が怪しい」「あの人が怪しい」とずっと疑わしい人物がいて、最後の最後まで「犯人は誰?」の展開なので、一緒に推測しながら観ると面白いと思います。
個人的な見どころとしては、私が一方的にやられるシーンですね。戦隊シリーズをやらせていただいていたので、自分が戦った末にやられることはあったんですけど、今回みたいに一方的にやられることはなかったので、意外と新鮮な姿なのではないかなと思ってます。
― 撮影で印象に残っていることは?
桃月:私がJK姿のシーンの時、初めましての小夏ちゃんに「何歳なんですか?」って聞いてくれて、「(撮影時)27歳です…ハハッ(苦笑)」って言ったら、「え~見えない!」って言ってくれたのがすごく嬉しかったです(笑)。
― ご自身としては制服がしっくりきてなかった?
桃月:今回は明るめの茶髪の役だったので、制服を着た時は「きつっ!」って(笑)。“ザ・JKコスプレしてる20代”みたいな感じで、やっぱり髪色で雰囲気変わるよなって思いました。
― だからこそ加藤さんの言葉が染みたんですね。
桃月:「そんな風に見えてたの!?」って嬉しかったです。
桃月なしこ「ちょっとナンパしちゃいました(笑)」
― 加藤さんとの共演シーンは緊迫したものが多かったと思いますが、裏ではそんな和やかなやりとりがあったんですね。桃月:はい!この撮影のおかげですごく仲良くなって、プライベートでも2人でご飯に行くぐらい。これまでは、あんまり作品で一緒になった人とその後まで仲良くなることが無かったんですけど、今回は初めて自分から連絡先を聞きました。
― 加藤さんには何か感じるものがあった?
桃月:「この人すごい好きだな」って見えたというか、フィーリングが合ったというか、すごく気が合いそうだな、みたいなのが第一印象からあったので、私から聞いちゃいました。
― 初めて自分から…なんて緊張しちゃますね。
桃月:めっちゃドキドキで、インスタのDMで聞いたんですよ、しかも撮影が終わった後に。初めて「このまま会えなくなるの嫌だな」って思ったので、ちょっとナンパしちゃいました(笑)。
― (笑)。加藤さんとは最初から打ち解けられたんですか?
桃月:私は、全体の撮影初日からの参加ではなかったので、私がクランクインした時には、小夏ちゃんと好井(まさお)さんが和気あいあいと仲良くされていたので、最初のほんの一瞬は「入りづらいな、怖いな」って思っていたんですけど、ちょっと話してみたら全然そんなことなかったです。
好井さんがムードメーカーになってくれて現場の雰囲気を作ってくれたので、そこから色んな方と話せるようになり、小夏ちゃんとも仲良くなっていきました。
桃月なしこ、ファンの声は「精神安定剤」
― 最近は、演技・バラエティ・CM・雑誌と多方面でのご活躍を拝見します。中でも演技に関しては、先程お話に上がった戦隊シリーズ出演後からコンスタントにドラマ出演が続いていますが、演じることについて自身が感じる変化があればお聞きしたいです。桃月:元々演技はすごく嫌いでした。苦手だから嫌いだったのかもしれないです。プライドだけは高くて、苦手なことで評価されるのが嫌だったから、苦手・やりたくない・嫌いに繋がってたんだと思います。でも、戦隊モノの撮影期間はすごく楽しかったです。その頃から評価もついてきたので、演技って楽しいかもって思えるようになりました。
今回の映画でも、好井さんがすごく演技を褒めてくださったんです。自分的には手応えを感じているわけではなかったんですけど、役者の方が客観的に見て褒めてくれたのがすごく嬉しかったので、最近はもっと演技やりたいかもって思ってきました。
― 戦隊モノの時も、そして今もまた気持ちが上がっているんですね。
桃月:演技に対してのモチベーションが上がってきています……スロースターターなんですけどね(笑)。まだ自分的には「出来てるな」って思ったことは全然ないんですけど、ちょっとずつ評価してもらうことが増えてきたので嬉しいです。
― “褒められたら伸びる”タイプ?
桃月:伸びるというか、モチベーションが変わるタイプかもしれないです。そこから成長出来ているかは分からないですが、褒められると「もうちょっとやってもいいかな」って。
― となると、ファンの方の声も力になるのでは?
桃月:応援して頂いている方は全肯定してくれるので一種の精神安定剤です。私が何かをした時に絶対褒めてくれる方がいるから、嫌だな、苦手だなって思うお仕事にも挑戦できます。ただ、すごく嬉しいんですけど、全部肯定してくれるからこそ、それが絶対に正しい評価なのか分からない部分も。応援して頂いている方々の意見は1つのモチベーションとして、それとはまた別として現場の評価も聞いて受け止めるようにしたいです。
桃月なしこ、女優業への意識の変化
― 演技への意識が高まってきた今、女優として今後の展望は?桃月:とにかく演技ができる現場を増やしたいです。以前は、知名度を上げたいからメディアに出る必要があって、そのために女優としての活動もしたほうが良いんじゃないかということで「演技をやりたい」って言ってたんですけど、今演技をしたいから、演技のお仕事が欲しいです。
― モチベーションの変化とともに目的も変わった?
桃月:そうですね…でも、へし折られたらもうやりたくないかも(笑)。
― (笑)。まだその怖さはある?
桃月:ありますね。演技にはまだ苦手意識があって、自分が提出したものを褒めてもらえると思ってやってないから、今も折れずに出来ているんです。たとえ下手と言われても「そうだよね」って飲み込めます。
それが「今の良かったと思うんですけど、どうですか?」って出したものを、「微妙だったよ」って言われるとシュンってなっちゃうかも(笑)。でも、今は自分の実力が伴ってないと思えているから、折れずに、もっと頑張らなきゃという方向に持っていけている状態です。
― いつかは、自信を持って100点満点を出せる日がくるんでしょうか?
桃月:う~ん…ある意味、100点満点の満足感を得られる職業ではないと思うんですよね。自分がどれだけ良かったと思ったものでも、90%の人は褒めてくれて、10%は褒めてくれないとか、絶対的に否定的な意見が出る仕事じゃないですか。だから満足できることはない気がします。
― 様々なジャンルの方とお仕事をしていると、刺激も多いのでは?
桃月:数としては雑誌のお仕事が多いのですが基本的に1人なので、他の現場ではより学びが多いです。例えば、舞台のお仕事では、舞台経験の多い方や、作品への愛情がより強い声優の方々は、台本から自分でブランディングを練って提出していて、そういう見え方もできるんだと気付かされたり、常に学びは多いです。
― 常に自分を客観的に評価していることが、周りを見て学ぶことに繋がっている?
桃月:それはあるかもしれないですね。後輩に対してもそう思うこともあります。自分がMCをしている番組でも「この返しできるのすごいな」と気づくこともありますし、人が多い業界だからこそ学びも多いですね。まあ、それをアウトプットできているかって言われると……自分の引き出しが固めなんで(笑)。
桃月なしこの悲しみを乗り越えた方法
― モデルプレスの読者の中には今、さまざまな不安を抱えている読者がいます。そういった読者へ向けて、桃月さんがこれまでの人生の中で「悲しみを乗り越えた方法」を教えてください。桃月:時間が解決すると思います。私の場合、仕事のことでネガティブになって反省することが多いのですが、終わったことはもう直せないですよね。なので、自分的には反省点ばかりだったけど、また次も呼んでもらえたとか、次に活かされたとか、別の現場で新しいものを出したら褒められたとか、そういう結果と評価で復活してるかもしれないです。
― 今までのお話のすべてが詰まってますね。
桃月:自分で自分を褒めてあげることがあんまりできないので、他人の評価に左右されることが多いですね、落ち込むことも、喜ぶことも。
桃月なしこの夢を叶える秘訣
― 今、夢を追いかけている読者に向けて「夢を叶える秘訣」を教えてください。デビュー当時は「真面目に仕事する」とお答えいただきました。桃月:その通りだと思います。最近だと、元々ポケモンが好きだったので、ポケモンのお仕事がしたかったんです。そのためにはどうしたらいいかなって考えて、すっごいたくさんSNSで発信していました。結果的にポケモンカードゲームの配信に呼んでもらえたり、「おはスタ」でアニポケのレギュラーコーナーを持たせていただいたり、叶ったんです!なので、夢を叶えるためには何をしたらいいかを考え、実践すること。
あとは、夢を口にすることも大事かな、言霊ってあると思うんです。大きい夢は口に出しづらいから、私も全然言わないタイプだったんですけど、言葉にしたことは実現するんですよね。口に出したら叶えるために頑張んないと、叶えないと恥ずかしくね、みたいに自分にプレッシャーかけることができますし。私は最近「マックのCMをやりたい」って言っています!
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
映画『コーヒーはホワイトで』(2月16日公開)ストーリー
昔ながらの純喫茶「モア」は、美味しいコーヒーとレトロな雰囲気で地元の人たちに愛されている喫茶店。だが、この店には裏の顔があった。ある合言葉でコーヒーをオーダーすると、喫茶店から探偵事務所へと一変するのだ。「モア」は、由美彦(好井まさお)の母・ミチル(奥貫薫)が開業し、ミチルは自ら女探偵としてさまざまな問題を解決してきた。だが、ある事件に巻き込まれてミチルは亡くなってしまう。この店を引き継いだのは、ミチルの兄・吾郎(川﨑麻世)と由美彦。引き継いだのは、もちろん探偵業もだ。しかし由美彦は探偵としての能力は高くなく、「モア」の探偵業は アルバイトのモナコ(加藤小夏)が請け負っている。そんなモナコも昔、ミチルに助けられたひとりだった。この摩訶不思議な場所「モア」を、喫茶店から探偵事務所に変える合言葉、それは「コーヒー、ホワイトで」。それを唱えれば、真っ白なロリータファッションに身を包んだ美しきメイド探偵が、この店の裏メニューである“ホワイトコーヒー”とともに相談に乗ってくれるのだ。
今日も「モア」の扉を開けて合言葉を唱える女性が現れた。今回の依頼人は高級クラブ「Sun」のママ・瑛子(小野真弓)。悪質な客・川添(和田崇太郎)に困り果て、相談しにやって来たのだ。話を聞いたモナコは「Sun」への潜入捜査を決意する。知性あふれるモナコの采配により、川添を退散させることに成功したが、この事件をきっかけに、「Sun」のホステス・紗里(桃月なしこ)や、犬のストーカーに悩む優奈(石田千穂)など次々依頼者が現れ、事態はより複雑に深刻になり、ついには連続通り魔事件に発展していく…。
桃月なしこ(ももつき・なしこ・プロフィール)
1995年生まれ、愛知県豊橋市出身。可愛すぎるナースとして話題に。2020年、スーパー戦隊シリーズ「魔進戦隊キラメイジャー」ヨドンナ役が反響を呼び、現在『おはスタ』(テレビ東京系)金曜日レギュラーのほか、木曜ドラマ23『夫婦の秘密』(BS-TBS)に三枝朱音役で出演中。ファッション誌「bis」(光文社)レギュラーモデル、「サカイ引越センター」CMキャラクターも務める。
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