Lil かんさい嶋崎斗亜、坊主頭に「抵抗なかった」芝居への思い “全員20歳以上になる”グループの抱負語る<「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」インタビュー>
2023.12.09 07:00
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映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(12月8日公開)に出演するLil かんさいの嶋崎斗亜(※「崎」は正式には「たつさき」/しまさき・とあ/20)にモデルプレスが単独インタビュー。特攻隊員で坊主頭にした役作り、芝居の難しさ、撮影エピソードから、夢を叶える秘訣まで、たっぷりと語ってくれた。
映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」
本作は、SNSを中心に「とにかく泣ける」と話題になり、累計発行部数85万部を突破した汐見夏衛によるベストセラー小説『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(スターツ出版文庫)を実写化。現代の女子高生・百合(福原遥)が目を覚ますと、そこは1945年の日本。そこで出会った彰(水上恒司)に何度も助けられ恋をするが、彼は特攻隊員として戦地に飛び立つ運命だったという物語を描く。嶋崎は彰や石丸(伊藤健太郎)と同じ特攻隊員で、故郷に婚約者を残してきた18歳の少年兵・板倉を演じる。嶋崎斗亜、特攻隊員役で坊主頭に「抵抗なかった」
― 原作を読んだ感想をお聞かせください。嶋崎:戦争について学校の授業では習っていたのですが、改めてこういう現実があったということを思い知らされたと同時に、いつまたこういう時代になるかわからない怖さも感じました。映画で描いている時代から80年弱が経っていますが、逆に言うとそのくらいの年月が経てばどう変わってもおかしくないですし、今に置き換えて考えてみたら、すごく怖いなと思いました。特攻隊員の方々はもちろん自分たちの意志で国を守るという使命感があると思うのですが、自らを犠牲にしなければならない人たちがいるという現実が悲しくて、正直、僕も百合と同じで、なぜ特攻なんてするのだろうと思いました。
― 今回は特攻隊員を演じるにあたって、坊主頭にされましたね。
嶋崎:最初にこの映画に出演するお話をいただいた時に「映画のお仕事が来ていますが、坊主にしないとダメです。どうしますか?」と聞かれて、すぐに「坊主にします!」と返しました。全然抵抗はなかったです。髪の長さは1.5cmくらいで少し長めでしたが、しょっちゅう髪を切れるような時代ではなかったと思うので、リアルな坊主でいいなと思いました。坊主にすると強面になるのかなと思っていたのですが、僕は童顔なので余計に幼くなった感じがしました(笑)。
― 嶋崎さんの坊主姿を見たLil かんさいのメンバーはどんな反応でしたか?
嶋崎:あまり違和感がなかったみたいで「似合ってる」と言ってくれましたが、「似合ってるけど、可愛さはなくなった」と言われました(笑)。
― 他のお仕事の時はウィッグで隠していましたが、ファンの方にはバレていましたね(笑)。
嶋崎:そうなんです。『オールスター感謝祭』に出た時とかに、すぐバレました(笑)。でもその時はまだ髪の毛を隠さなきゃいけなかったので、大変でした。ウィッグは撮影から3ヶ月くらい着用していたのですが、すぐ伸びて、真夏になる直前くらいには外せたので蒸れずに済んで良かったです。
嶋崎斗亜、撮影中のエピソード語るも“本性は出せず”
― 水上恒司さんや伊藤健太郎さんなど特攻隊員の皆さんとの撮影が多かったと思うのですが、現場はどんな雰囲気でしたか?嶋崎:撮影の合間は皆さんと楽しくお話しさせていただいて、とても明るい現場でした。特攻隊員が“おなかペコペコ隊”というのもあってか、「何のお菓子が好き?」とか好きな食べ物の話をすることが多くて、伊藤さんは塩が好きらしく「美味しい塩がある」みたいな話をしていたのを覚えています。僕はグミが好きなので、差し入れのグミをよく食べていました(笑)。
― 福原遥さんとお菓子パーティーをしたというお話もお聞きしました。
嶋崎:福原さんがお菓子を持って来てくださっていて、まだ寒い時期の現場だったので「寒いね」と言いながら、それを食べて頑張っていました。
― グループから離れて個人で活動することは、気持ちや立ち居振る舞いなどまったく異なると思うのですが、今回の現場はいかがでしたか?
嶋崎:僕は人見知りなので、今回の共演者の方にはきっとおとなしい人だと思われていると思います。本当は全然おとなしいキャラではないのですが、個人の現場ではなかなか本性が出せません(笑)。
嶋崎斗亜、演じることの難しさ「ファンの方が見たら、これ斗亜やん!と思うかも」
― 嶋崎さんはこれまでもドラマや舞台などで演技経験を積んでいますが、演じることに対しての楽しさや難しさについてお聞かせください。嶋崎:役を演じることは楽しくて好きですが、自分とは別の人物を演じるのが難しいなと思います。きっと日頃、相手によって自然と対応を変えていて、それも演じているうちのひとつだと思うので、自分で自分を演じる分には簡単だと思うのですが、他人の人生を2時間ちょっとの映画の中で生きて、観ている人にその人物として認識させるということはすごく難しいことだなと思うんです。
― 今回は婚約者がいるというこれまでにない役どころでもありましたね。やはり関西弁の役は演じやすいのでしょうか?
嶋崎:原作は関西弁ではないのですが、僕に合わせてくださったのだと思います。でも関西弁だとどうしても自分が出てきそうになって、その辺をどう上手く別人に演じられるかが逆に難しいなと感じました。多分ファンの方が見たら、ところどころ「これ斗亜やん!」と思うかもしれないですが(笑)、あくまで板倉を演じているので、そんなところも含めて楽しんで見ていただけたら嬉しいです。
― 板倉のように、辛いことや苦しいことから逃げたくなるような気持ちに共感できる部分はありますか?
嶋崎:僕は、駅の階段で躓いてコケそうになった時に周りに人がいたり、ステージで立ち位置を間違えたりすると、恥ずかしくてその場から逃げたくなることはよくあります(笑)。立ち位置のミスは、メンバーには気づかれますが、ファンの方には気づかれていないと思います(笑)。板倉の思いには共感しましたが、僕自身は自分の失敗を少し気にするくらいで、辞めたいと思うようなことはないです。
嶋崎斗亜、悲しみを乗り越えた方法
― 悲しみや怒りなど感情的なシーンも多く描かれていますが、嶋崎さん自身がこれまでの人生で「悲しみや怒りを乗り越えたエピソード」をお聞かせください。嶋崎:悲しいことなどがあった時に、暇な時間があると、そのことばかり考えてしまうと思うので、そういう時は友達といっぱい遊んで、できるだけ何もない時間を作らないようにします。寝る時以外はいろいろ動いていれば、自然と和らぐと思います。
嶋崎斗亜の“夢を叶える秘訣”
― 多方面で活躍されている嶋崎さんから、モデルプレスの読者に向けて“夢を叶える秘訣”のアドバイスをお願いします。嶋崎:僕らLil かんさいもまだまだ夢を叶える途中なので、大きなことは言えないのですが、何事も続けていれば、何もしないよりは絶対に夢が叶う確率が上がると思うので、まずは続けることだと思います。頑張り続けることは大変なので、頑張りながらも“楽しむ”ことを何よりも大事にしていたら、きっと続けられるんじゃないかな。無理をしたらしんどくなって辞めたくなってしまうかもしれないので、無理はせず、自分のやりたいことを夢に結びつけて続けてみてほしいです。
― 2024年はコンサートから幕が開けると思いますが、最後に2024年の抱負をお聞かせください。
嶋崎:2024年はLil かんさいが全員20歳以上になるので、大人になるという意味では、スキルなどを磨いてもっと大人な部分を見せていけたらなと思います。でも大人になりすぎず、いい感じに子供な部分を保ちつつ、Lil かんさいらしく5人で1歩1歩進んでいきたいです。
― ありがとうございました。
映画の完成披露試写会前に実施したインタビュー。慣れない現場で少し緊張した様子での撮影だったが、取材中はどの質問に対してもしっかりと耳を傾け真面目に答える姿が印象的だった。特にLil かんさいの話をする時は自然と笑顔がこぼれ、グループへの愛を感じさせてくれた。20歳になった嶋崎が、これからどう羽ばたいていくのか楽しみだ。(modelpress編集部)
「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」ストーリー
目が覚めると、そこは1945年の日本。初めて愛した人は、特攻隊員でした―。親や学校、すべてにイライラして不満ばかりの高校生の百合(福原遥)。ある日、進路をめぐって母親の幸恵(中嶋朋子)と喧嘩をして家出をし、近所の防空壕跡に逃げ込むが、朝目が覚めるとそこは1945年の6月…戦時中の日本だった。
偶然通りかかった彰(水上恒司)に助けられ、軍の指定食堂に連れていかれる百合。そこで女将のツル(松坂慶子)や勤労学生の千代(出口夏希)、彰と同じ隊の石丸(伊藤健太郎)、板倉(嶋崎斗亜)、寺岡(上川周作)、加藤(小野塚勇人)たちと出会い、日々を過ごす中で、彰に何度も助けられ、その誠実さや優しさにどんどん惹かれていく百合。
だが彰は特攻隊員で、程なく命がけで戦地に飛ぶ運命だった―。
嶋崎斗亜(しまさき・とあ)プロフィール
2003年8月3日生まれ、大阪府出身。2016年8月より事務所に所属。2019年1月22日に結成されたLil かんさいのメンバーに選ばれる。2020年、朝日放送テレビ「年下彼氏」でドラマ初出演。2022年上演の舞台「波濤を越えて」では義経役を演じた。2024年1月3日より大阪城ホールにて開催される「関ジュあけおめライブ2024 The 笑門来福」に出演する。
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